8月7日(日)   最高気温33℃。久しぶりに歩いた炎天下の道で、汗だくになりました。

今日も陽子線治療は休み。昨日同様、トレーニングジムと水泳は午前中にいつものメニューをこなしました。
午後から、相生市に隣接するたつの市御津町の室津へ。室津港は、江戸時代に参勤交代の西国大名のほとんどが、海路でここに上陸して陸路を進んだ地。往時の雰囲気が町並みに残っています。地図も持たずに歩き、家の表で仕事中の地元の方に「万葉歌碑がある場所はどこですか」と尋ねたのですが、首をひねって「万葉岬では…」との返事。「藻振鼻はどちら?」と質問を変えると、丁寧に道筋を教えてくださいました。
さて、その藻振鼻には、山部赤人の「玉藻刈る 辛荷の島に 島廻する 鵜にしもあれや 家思はざらむ」を刻んだ黒御影石の碑が建っていました。「辛荷の島」は、碑の背後の播磨灘に浮かんでいる地ノ唐荷、中ノ唐荷、沖ノ唐荷(左から)の三島からなる島です。なお、解説本によると、この歌は、難波方面から官船で西に向かう赤人が辛荷の島を過ぎるときに詠んだ長歌に続く三首の反歌の一つ。「全編妻恋いの気持ちに侵されている」(神野富一著「万葉の歌−人と風土−6兵庫」)と評される望郷歌です。ちなみに、長歌、反歌のすべてを収めた巨大な歌碑が金ヶ崎の万葉岬に建っています。

▼写真右は、犬養孝博士の筆による歌碑の書。室津町並みの中にある「海駅館」の一間に飾られていました。「本物ですか?」と同館の管理人に確かめたところ、「違うでしょう」とのことでした。