8月25日(土)   今日も朝から厳しい日差し。炎天下で雨用の折り畳み傘が重宝しました。

全国政策研究会の第1日目が午後1時から始まりました。毎年開かれているこの政策研究会に参加するのは初めてですが、地元実行委員会として開催準備に当たった福岡県女性議員グループとは兼ねてからのご縁があり、また、福島県双葉町の町長・井戸川克隆さんの講演という企画に惹かれました。
井戸川町長の話は、深刻な事態に直面した自治体トップとして、さすがに説得的で、重たい課題を聞き手に意識させるものでした。「地震のさなか、これでは原発が壊れる、早く終ってほしい…と願った」、「しかし、備えはできていなかった」、「安全宣伝をしてきた東電は、謝りもせずに(被害住民を)放置している」、「国策であると言いながら、国は責任をとってくれない」などなど、3・11と原発事故の被災者・被害者の皆さんの悲痛な思いと、行政責任者の苦悩や怒りが参加者一同に伝わりました。
次に、7月の山口県知事選にも立候補した飯田哲也さん(環境エネルギー政策ISEP研究所長)の「自然エネルギーでまちづくり」と題する講演。さらに、「自治体における自然エネルギー政策」をめぐるパネルディスカッションを聴講。引き続いて催された情報見交換のためのレセプションにも参加し、ホテルに戻るのは遅くなりました。

●午前中に「和白干潟」を見に行きました
なお、「和白に宿泊」という機会を得たので、政策研究会が始まる午後1時までの時間を利用して、「和白干潟」を見に行きました。干潟は思ったより近くにあり、和白駅の海岸側の道路に出ると、住宅地の間に干潟を望むことができました。さらに10分ほど歩いて干潟の中心部も観察。この干潟がラムサール条約に登録されることをめざしている「和白干潟を守る会」の事務所にも立ち寄りたいと思って探したのですが、見つけることはできず、次駅の唐の原駅まで歩きました。

●「点と線」の舞台を探して、香椎駅でも下車
話が変わりますが、貝塚駅から4つ目の香椎駅は、松本清張の「点と線」の舞台となっています。博多までの新幹線で読み直した小説の現場も見ておきたいと思って、唐の原から2つ目になる香椎駅で下車。事件の発端となる「国鉄香椎駅」にも足を運びました。
もちろん、清張が作品を発表した1957年当時と光景は大きく変わっています。現在のJR香椎の駅舎はビルになり、「福岡署」の刑事「鳥飼重太郎」が聞き込みをした駅前の「果物屋」はたばこ屋さんかと思われます。「西鉄香椎駅」も高架駅となり、小説で「6分乃至7分」だった国鉄駅から距離は、私の足で3分でした。事件現場の「香椎潟」とおぼしき辺りまで歩いてみましたが、「博多湾を見わたす海岸」は広大な埋め立て地に変身。とは言え、登場人物の「お時さん」が「ずいぶん寂しい所ね」と言ったのはこの辺りだったのだろうか…などと想像し、思いがけない「文学散歩」を楽しむこともできました。