2月9日(土)   「今日は寒い」と高知の人たちは言うのですが、大阪より2℃暖かい日です。

伊丹空港から航空便で高知へ。お昼過ぎ、市内のホテルで高知市の幹部職員だった渡辺進さんにお目にかかりました。渡辺さんは、かつて高知市の市民図書館長として全国モデルとなる図書館活動を展開された方です。桃山学院が愛媛県新居浜市に短期大学を設置していた1976年、司書講習の講師をお願いしたのが最初の出会いでした。その後、市議となった私が高知市の「コミュニティカルテ」の勉強にお邪魔したころは、企画関係の幹部職員をされていました。
今日、あらためて伺ったご経歴によると、地方自治法が制定されて議会事務局制度ができた年(1947年)に高知市議会事務局の職員となられたそうです。就任後、議会図書館の設立に携わり、市民が利用できるようにするなどの取り組みをされました。そして、3代続く「革新高知市長」の初代=氏原一郎市長から市立図書館設置の命を受け、京都大学で司書講習を受講。1949年、戦後高知市にとって最初の文化施設となる「市民の図書館」を設立。52年〜72年は館長として全国各地の注目を集める図書館に育てあげられました。2代目の坂本昭市長時代には、環境部長、企画部長などとして行政面でも活躍。現在86歳とのことですが、現役当時と変わらない鋭い問題意識をお持ちになっています。その後もお会いする機会があったので、おそらく20年ぶりくらいになる渡辺さんとの再会を試みたのは、現在、高知県立図書館と高知市市民図書館をひとつの建物にまとめて建て替える「合築計画」が進められており、全国に例を見ない取り組みに対するご意見を伺うためでした。

渡辺さんとの1時間半ほどの懇談を終えてから、県立図書館を訪問。ここでは、田上日出男館長や利用サービス担当チーフの山重壮一司書から、合築計画が生まれた背景や図書館員としての対応についてご教示いただきました。また、山重司書が書庫や閲覧室などを案内してくださって、県立図書館の活動状況についても勉強。閲覧閲覧室の一角に設けられた高知新聞データベースへのアクセス端末で「長谷川俊英」を検索したところ、思いがけない記事(2000年8月に催した橋本大二郎知事との懇談)のコピーを入手することもできました。

また夜は、橋本知事の特別秘書だった川竹大輔の出版記念行事に出席。川竹さんと根小田渡さん(高知大名誉教授)に細迫節夫さん(出版社社長)を加えたトークや、川竹さんが日頃から関係を結んでいる多様な活動家とかけあいなどで構成されるシンポジウムに参加させてもらいました。出席者の顔ぶれも実に多彩で、シンポジウムのの交流会では、元土佐電鉄社長の野々宮慧さん、元高知市議会議長の岡崎洋一郎さん、民主党の市議だった大石真司さんらと懇談。様々な情報を得る機会も得ました。