6月10日(水)   朝から快晴ですが、本会議での発言に備えて駅前議会報告は見送りです。

今日の大綱質疑では、私が最初に質問に立ちました。発言時間は前議会よりも2分増えて40分となったものの、3テーマの答弁を含めてのことです。用意したパワーポイントスライドは48コマで、やはり早口になりましたが、何とか時間いっぱいに収まりました。

●「危うさを感じている」と竹山市長
最初の議論テーマは「大阪市で行なわれた住民投票」。開票結果判明後の記者会見で、橋下大阪市長は「いくさを仕掛けて、たたき潰すと言って、たたき潰された」と述べる一方、「民主主義はすばらしい」とも言いました。昨日、大阪維新の会の議員は「一連の取り組みは民主主義を向上させた」と発言しているのですが、果たして「都構想」の住民投票に至る手順は「民主主義」と言えるのでしょうか。
私の質問に対して、竹山市長は「都市の合併や分割といった市民生活に影響が多いことは、市民がじっくり時間をかけて合意形成を図るべきだ。住民投票による多数決は究極の民主主義的手法かもしれないが、代議制による熟議、市民が諸々の争点を理解して選択することが大切だ。民主主義ではプロセスがいちばん大事なことで、今回の大阪市の住民投票には一種の危うさを感じる」と答弁。
そこで私は、もともと「都構想」は大阪市5分割、堺市3分割に加え、周辺9市を含む構想だったこと、それが一昨年の堺市長選挙で挫折し、以後、「大阪市解体」だけの中身になったこと。維新と他政党の対立で法定協議会が開催不能となり、橋下氏が出直し市長選という奇策に打って出たこと。維新単独で決定した「特別区設置協定書」が府議会と大阪市議会で否決されて頓挫後、公明党の態度変更で息を吹き返して住民投票に至ったという経緯を語りました。
そして、議会と対立した権力者が局面打開のために国民の直接投票を利用したヒトラーやナポレオンの事例などを紹介。自立した個人が利害や価値観の違いをの認めながら、時間をかけて合意形成を図るのが民主主義であって、橋下氏や維新の会が仕掛けたことは、およそ民主主義とは程遠いと結びました。

●市民活動へのきめ細かな支援を求める
2番目に取り上げた「大規模災害被災地等支援基金の活用」については、基金の補助金を利用した2つの市民活動を紹介しました。「ニコニコ連さかい保養プロジェクト実行委員会」は、今年3月24日〜31日、福島県から2家族6人を招く保養を泉北ニュータウンの民家を借りて実行。また、「かしましちくちく会」というグループは、毎月催している「第1日曜市」の収益をもとに、岩手県大船渡市の仮設住宅を訪問し、炊き出しと手芸指導の交流を実施し、今月にも再訪を予定しています。それぞれのグループが活動実施にあたって抱えている悩みや問題などを堺市が十分に把握し、より積極的な支援を行なうように求めました。
また、交流事業としては、今年8月9日〜12日、市教委が福島県いわき市の中学生を堺市に招いて、J−GREEN堺でのサッカー交流を実施。被災地の子どもたちの震災ストレス軽減、リフレッシュを図るという計画も質疑を通して明らかになりました。

●全組織あげての点検と業務改善が必要
3番目のテーマは、今年2月議会で「水道行政のイロハを忘れている」と指摘した岩室高地配水池の事故を反省したばかりの3月31日、美原区の菅生配水場で発生した事故です。すでに上下水道局内部での自己点検が進んでいますが、私は、11年前の水道局と下水道部の組織一体化の目的が生かされていないと指摘。上下水道局長は、「上水・下水のさらなる融合を図りつつ、仕事を通じて人を育てることを基本に自らが職員と対話し、アイデアと情熱を持って新しい局の文化を作り上げる」と答えました。