8月15日(土)   夜明けが遅く、日暮れが早くなりました。今朝もエアコン不要。日中32.8℃。

4歳だった70年前、「終戦」の記憶はないのですが、疎開先から戻った明石の市街地は焼け、焼失を免れた我が家にも焼夷弾の付属品と思われる鉄製品が落下したそうです。隣家に住む幼なじみの友の父は、赤紙で戦場に送られ、戦死しました。

●安倍首相の戦後70年談話を聞いて
さて、昨夕のテレビ中継で安倍談話を聞いていて、支持率回復と中国との関係改善が狙いかと直感しました。
「主語がない」との批判もありますが、「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」「心からのおわび」の言葉は盛り込まれました。かつての発言では村山談話の継承を否定し、「同じ単語を使わない」とまで明言していたのに、米政府の意向を汲み、また財界が求める中国との経済関係修復、そして何よりも安保法案の成立を期して支持率低下を食い止めるために“無難”なものにしたのでしょう。従軍慰安婦問題についても「戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を胸に刻み続ける」と語り、韓国への配慮も少し示しました。
ただ、いちばん気になったのは「日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の8割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」の下り。その後に「しかし、それでもなお、私たち日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります」と述べたので、「いったいどっち?」と言いたいところですが、「戦後レジュームからの脱却」を唱える安倍首相の本音が前段ににあることは間違いありません。

今日一日、テレビ各局が特集する戦争番組を見ていて、加害・被害の両面を持つ日本の歴史をきとんと後世に伝えて認識を深めることこそ大切だと、あらためて強く思います。

●天皇は「さきの大戦に対する深い反省」と…
ところで、今日開催された「全国戦没者追悼式」では、天皇が「ここに過去を顧み、さきの大戦に対する深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い、全国民とともに、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心からなる追悼の意を表し、世界の平和とわが国の一層の発展を祈ります」と述べられました。天皇が「反省」という言葉を使い、不戦への思いを述べられるのは初めてのことだそうです。
一方、同追悼式での安倍首相の式辞は「戦争の惨禍を決して繰り返さない」とは言ったものの、歴代首相が盛り込んできた「アジアへの加害と反省」には触れませんでした。もっとも、安倍氏が式辞を述べた一昨年、昨年も同様だったとのことです。