8時15分、テレビの前で黙祷。広島市長が「平和宣言」で読み上げた被爆者の短歌に、あらためて衝撃を受けました。
「おかっぱの頭(づ)から流るる血しぶきに 妹抱(いだ)きて母は阿修羅(あしゅら)に」
当時5歳だった女性の歌だそうです。この歌に続いて松井市長は、「男女の区別さえ出来ない人々が、衣類は焼けただれて裸同然。髪の毛も無く、目玉は飛び出て、唇も耳も引きちぎられたような人、顔面の皮膚も垂れ下がり、全身、血まみれの人、人。」という惨状を18歳で体験した男性の話を披露。
そして、「生き延びたものの心身に深刻な傷を負い続ける被爆者のこうした訴えが皆さんに届いていますか」と、会場をもとより世界中の人々に語りかけました。
また、式典に出席している安倍首相を前にして、「日本政府には唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いをしっかりと受け止めていただきたい。その上で、日本国憲法の平和主義を体現するためにも、核兵器のない世界の実現に更に一歩踏み込んでリーダーシップを発揮していただきたい」と求めました。
しかし、その後に挨拶に立った安倍首相は、条約批准にはひとことも言及しませんでした。広島市長が「世界中の為政者には、核不拡散条約第6条に定められている核軍縮の誠実交渉義務を果たすとともに、核兵器のない世界への一里塚となる核兵器禁止条約の発効を求める市民社会の思いに応えていただきたい」と訴えたにもかかわらず、日本政府はこれを無視。
沖縄での基地建設と同様に、安倍さんにとっては「平和」や「寄り添う」は、まったく心にもないお題目にすぎないようです。
▼写真は広島市HPより