8月9日(金)   広島に続いて、長崎の人々にも原爆の惨禍。今日も暑さの厳しい日です。

新しい議員任期になって発足した「世界遺産と魅力的なまちづくり調査特別委員会」のメンバーで、代表的な古墳の視察に出かけました。最初はJR百舌鳥駅にいちばん近い収塚古墳。現状では円墳に見えますが、発掘調査の結果、大仙古墳の倍塚に多い帆立貝型の前方後円墳でした。周辺改修の際、前方部のあった位置を色の異なるインターロッキングで復元しています。

その後、大仙古墳、博物館の展示、イタスケ古墳を見て、羽曳野市の誉他御廟山古墳へ。

藤井寺市の古室山古墳では後円部の頂に登り、またすぐ側の高速道路下で復元された赤面山古墳も見ました。この古墳は世界遺産登録の対象から外されましたが、道路工事での配慮などがイコモスの評価に影響した可能性もあるとか。また、古市古墳群の倍塚には方墳が多いようですが、その理由などはまだ未解明だそうです。

ところで、大仙古墳訪問の際、宮内庁側の配慮で「遙拝」が準備されていました。一般には入れない「遙拝所」内に入っての「遙拝」ですが、私は遠慮しました。そもそもこの古墳が仁徳天皇陵であることには考古学者の多くが異論を唱えています。また、仮にいずれかの天皇陵であったとしても、「遙拝」という行為が戦時中の「宮城遙拝」(天皇へ忠誠を誓わせて日本国民の戦意高揚を図る目的)を思い起こさせるからです。

さて、今日は「長崎原爆の日」です。原爆投下の11時12分は古墳群視察中で黙祷はできませんでしたが、広島同様に核爆弾の被害にあった方々の苦しみに思いを馳せました。
平和記念式典では、田上市長が「日本はいま、核兵器禁止条約に背を向けている。唯一の戦争被爆国の責任として、一刻も早く核兵器禁止条約に署名、批准してください」と訴えたようです。しかし、この式典にも出席していた安倍首相は、広島での平和式典と同様に同条約のことに触れなかったとか。被爆国の首相が、被爆者の思いに耳を傾けないという悲しむべき現実です。