1月24日(日)   今日もほぼ全日の雨。3日間連続で、さすがに憂鬱です。7.5℃〜9.5℃。

昨年12月の議会が終わるころ、障害児を育てながら熱心に議会傍聴にも来ておられるYさんから、「ぜひ読んでほしい」とおっしゃる1冊の本を預かりしました。普段、市議会での議論のために必要な情報を得るために書物や資料を拾い読みや斜め読みする習慣がついていて、じっくりと精読する機会を失っていました。

しかし、お預かりしたこの本は、自身も障害児の母である著者が、重い障害のある子をもつ高齢期の女性たちへのインタビューを通してまとめられたものです。「まえがき」によると、「地元広島県内から関東までの広い範囲で、50代後半から80代のお母さんを中心に、80歳のお父さん一人と専門職5人を含め45人の方にお話をうかがうことができました」とのこと。あまりにも重い、それぞれの苦難の体験や思いが紹介されていて、その一語、一語を読み飛ばすことができず、なかなか読み終えることができませんでした。

実際、あまりに長期間お借りすることが気になり、第1部(これまでのこと)を読了した昨年末、第2部(今のこと)、第3部(これからのこと)は本を購入して読むことにして、「いったんお返します」とYさんにお伝えしました。ところが、Yさんの返事は「返本は急ぎません」とのこと。きっと、「最後まできちんと読んでください」とのお気持ちだと察しました。

この本には、堺市における「ロング・ショートステイ」を取材したテレビ朝日の「老障介護〜ショートステイは今」のことも書かれています。また、社会的支援が行き届かない中、障害児を育てる役割を担っている母親が直面する各人各様の困難は著者がインタビューした方々だけではないことは明らかです。その思いをどこまで受け止めることができ、行政施策の改善を図れるか。心に積もる課題と向き合いながら読み進めています。

▼画像クリック→拡大(『私たちはふつうに老いることができない〜高齢化する障害者家族〜』/児玉真美著/大槻書店刊)