12日ぶりに登庁して、この間に届いていた諸資料に目を通しました。また、開発調整部から11月議会の議案訂正についての説明を受け、議会事務局などと協議しました。
午前中は所用で大阪市内へ。ケヤキの紅葉や黄葉が進み、皆さんの服装もすっかり冬モードに移っています。ノロウイルスの流行期にも入ったようで、お気を付けください。午後は事務所で、留守中にいただいたご相談や講演依頼などに対応しました。
昨日、9日間の歩き遍路を終えて夜行バスで帰る予定だったのですが、区切り寺への到着が早かったため、夕方便を利用して深夜に帰宅。午前中、留守の間にいただいた連絡などを確認してから、家族と買い物に出かけました。しかし、199.7キロを歩いた足は、さすがに痛みを感じます。午後は、国会解散、新興政党の離合集散などの記事に目を通しながら、身体を休ませていただきました。
ただひたすら歩き続けた四国遍路は、美しい風景と人々の心に触れる旅です。通りかかったくたびれ遍路に、ご自宅前の木からもいでお接待してくださっ柿を持ち帰りましたが、まことに美味でした。
「早く発ちたいので、朝食はおにぎりで済ませます」と申し出たら、「いや、温かいものを食べてください」と、1時間も早く準備していただきました。
7時9分、多ノ郷駅発の列車で土佐久礼駅へ。予約していたタクシー(運転手さんは同じ)が待っていて、昨日の到達地点まで運んでくれました。
雨の風景も美しくはありますが道路は霧に包まれています。車に用心しながら、さらに3つのトンネルを経て、七子峠に到着。そこからしばらくは、車に気を遣わなくてもよい遍路道でした。再び国道に出て、一路37番寺へ。雨が一段と激しくなったところに道の駅があって、休憩。地元産豚肉バーベキューとおにぎりの昼食です。
午後1時、岩本寺に到着。今回の区切り打ち最後のお参りをしました。三重県のTさんもここまで。後半5日間、この方と同行できて、とても心強い思いをしました。私よりも1歳先輩で、今年9月から、3度目の区切り打ちだそうです。
早く打ち終えたので、予定の夜行バスを変更し、須崎駅前発のバス便で大阪へ。窪川駅からの車内では、乗り合わせた女性から、あん餅のお接待をいただきました。
【18.9q 27,762歩】
■四国遍路88か所の札所は、1番〜23番が徳島県(阿波ノ国)にあって、約219.9q。「発心の道場」と呼ばれています。
■高知県(土佐ノ国)には、24番〜39番の16札所がありますが、約384.6q。各札所間の距離が長い「修行の道場」です。
■前回(2005年2月11日〜22日)、1番から26番まで歩きました。(260.5q)
前回打ち止めた26番金剛頂寺(室戸市)から歩き始め、今回お参りしたのは、27番神峯寺(安田町)、28番大日寺(香南市・旧野市町)、29番国分寺(南国市)、30番善楽寺(高知市)、31番竹林寺(高知市)、32番禅師峰寺(南国市)、33番雪蹊寺(高知市)、34番種間寺(高知市・旧春野町)、35番清滝寺(土佐市)、36番青龍寺(土佐市)、番外観音寺(須崎市)、37番岩本寺(四万十町・旧窪川町)です。総歩行距離=199.7q 歩数計合計=30万0917歩
■高知県にはまだ2か寺が残っていて、37番から38番金剛福寺(土佐清水市=足摺岬)まで約80q、次の39番延光寺(宿毛市)まではさらに53qの道のりです。私の足では、6日〜7日を要すかと思います。実行できるのはいつになるでしょうか。
■自動車だと、わずか30分程度で行き着く道を1日かけて歩き、その地に宿をとる。考えればずいぶん贅沢な旅です。「江戸時代の遍路は、一部の裕福な階層の遍路を除いて、路銀を持たない貧しい人々であった」と、香川へんろ研究会のサイトに書かれています。「遍路道の沿線にある家々の門前に立ち、遍路の修行と称して門付けし、その家の祖霊を拝み読経した。そしてその家から接待という何がしかの喜捨をうけた。これを旅の費用とした」とのこと。途中で命を落とす遍路も多かったようです。
■キャッシュカード、コンビニ、それに鉄道やバス、タクシー、携帯電話に助けられての現代遍路ではありますが、いつかきっと歩き通したいと念願しています。
須崎市にとった宿は、JR多ノ郷駅の近くにあります。ネットで見つけ、電話で確認した旅館ですが、とても気持ちのよい応対をしてもらいました。ご夫婦で経営されている様子で、女将お手製の夕食と朝食は美味しく、遍路歩きを励ましてくれます。目的地までの間の中土佐町にも宿はあるのですが、同町役場の観光担当職員に確かめたところ、設備改善も行われていない古宿と窺え、須崎の宿に2連泊と決めました。
7時50分に宿を発ち、須崎市内にある番外寺・観音寺にお参りした後、目的地・37番寺へ向かって歩を進めます。宿の主人が勧めてくれた焼坂峠の道は、倒木や倒竹をくぐり抜ける険しい山道でした。遍路道としては楽しい道でしたが、天候が悪ければかなり難儀な道です。明日の予報は90%雨。注意報も出そうな気配です。
無事に峠を越え、柿の木に囲まれた遍路小屋で、「お食べください」と置いてあった柿をいただき、めざしていたJR土佐久礼駅に至りました。
宿の主人は、「土佐往還そえみみず遍路道」を勧めてくれたのですが、悪天候が予想される明日は無理と判断。国道56号を歩くことに決めました。とりあえずもう少し先に進んでおこうと思い、国道を約4q、久礼坂第2トンネルを出たところまで足を延ばし、駅前で確認しておいたタクシー会社に電話して迎えに来てもらいました。
土佐久礼駅から多ノ郷駅までは列車を利用して宿へ。
【17.5q 35,128歩】
まず、宿から15分ほど急な山道を下って、36番青龍寺にお参り。宿やお寺では深い湾内の巡航船を勧めてくれたのですが、「歩き」にこだわって出発しました。昨日とは打って変わった好天気。「横浪スカイライン」という車道ながら、通行量は余り多くありません。雄大な太平洋と青い空…、歩き遍路ならではの光景を楽しみました。
ところが、道中に食堂はなく、売店も閉まっています。お昼は、お接待の柿と持参のチョコレートでしのぎました。湾沿いの道路を抜けたところで、逆方向に自転車で行くニュージーランド人のカップルと出会って、互いに激励。やっと見つけたコンビニのおにぎりをほおばりながら宿へ。
【24q 35,302歩】
昨夜の宿は33番寺の門前にある民宿です。34番にお参りしてバス便で戻り、今朝は6時52分発のバスで34番へ。車窓から日の出も見えたのに、歩き始めようとすると雨模様。天気予報が当たらず、一日中の雨中歩行となりました。
35番清滝寺に至る道中の遍路休憩所にたどり着いた折、疲労の故かその後の道を間違えて、4qほどの遠回り。36番寺到着時は、日が落ちて真っ暗。納経所も閉まっていました。お参りは明朝のことにして、宿からの迎えを待ちました。
なお道中、家の前の木から収穫中の女性が、もぎたての大きな柿をお接待してくださいました。
【27.4q 44,671歩】
昨夜からお世話になった高知市の宿は、窓から高知城を望める市内の中心部にあります。遍路道からは離れているのですが、以前に来県の際、味を占めた「ひろめ市場」の塩タタキを食べたくて、同市場近くの宿を選びました。
ともあれ、今日は高知市内の移動ですから、宿でゆっくり過ごし、昨日歩き終えた五台山小学校前へはタクシーで向かいました。通常より1時間以上遅い9時すぎに、同小前(写真右上)をスタート。南国市に入ってすぐの石土池に差し掛かると、手招きされる男性がいます。道ばたに車を止め、簡便なテーブルと椅子を準備して、通りかかる遍路に温かいお茶の接待をしてくださっているのです。お話を伺っていると、堺市の「中百舌鳥公園団地」に弟さんがお住まいとのこと。ついつい邪心が生じ、名刺を渡してしまいました。
今日はお接待が続き、32番禅師峰寺でのお参りを済ませると、境内で柿とミカン。かわいい手でミカンを差し出してくださったのは、2歳の幼女でした。祖父母と共に、参拝者をもてなす心を育んでいる姿に感激。孫娘を思い出しながら写真を撮らせていただきました。
また、道中で県営フェリー(無料)を利用する部分があるのですが、船内で話しかけて来られた女性は、下船してから自動販売機に走り、ペットボトルのお茶をお接待してくださいました。
なお、乗船前のフェリー待合室で三重県松阪市の男性遍路(Tさん)と出会い、その後は二人旅。33番雪蹊寺、34番種間寺にお参りして宿へ。
【歩行距離19.7q 31,293歩】
昨日、大日寺にお参りする道中で雨は上がり、今朝は日の出を見ることができました。
なお、遍路道は28番を経由するのですが、すでに打ちもどりしているので、宿から29番国分寺へ直行することにし、土佐浜街道を西進。後免町駅から北上して29番国分寺に至りました。旧街道を歩くと、土佐独特の民家が残る光景を楽しめます。
国分寺から一般的な遍路道を辿り、30番善楽寺、31番竹林寺にお参りしました。竹林寺は五台山(標高120m)の山頂にあって、墓地の中の急な山道を上ります。そして、遍路には通り抜けが許されている牧野植物園を経てお寺へ。
お参りを済ませ、旧知の川竹大輔さんに電話すると、「迎えに行く」とのこと。五台山小学校前まで下り、川竹さんの車で高知市内の宿に向かいました。
●川竹大輔さんは1969年生まれ。元新聞記者。三重県津市議を1期務め、橋本大二郎高知県知事の特別秘書。その後、安芸市助役など地方自治の現場で活躍した人です。昨日、安芸市に泊まったのを機に電話して、再会が実現しました。現在「改革知事の時代…地方から日本は変わったか」を執筆中で、12月に上梓予定だとか。久しぶりに話が弾みました。
●ところで今日は、川竹さんの「車」お接待のほか、善楽寺近くのスーパーマーケットで昼食中、高齢の女性から「バナナ」という名のお菓子をいただきました。
【23.3q 32,457歩】
宿を出て歩き始めたら、すぐに雨。市役所前の休憩所で雨具を着けました。ほどなく安芸市から15.4qに及ぶ海岸沿いの自転車道に差し掛かり、昨日の88歳翁と再会。言葉を交わしてから先を急がせてもらいました。この自転車道は、廃線となった鉄道線路上に整備されており、立派なトンネルもあります。ただ、途中、赤野にある「雨」の碑(サリドマイド障害で両手を失った辻典子さんの書)辺りから激しい降りとなり、せっかくの風景を楽しむ余裕はありません。ひたすら雨中歩行を続け、特別養護老人ホームに併設された休憩所(芸西村)を使わせていただき、昨日から持っているおにぎりで昼食。いったん宿に入った後、28番大日寺にお参りして打ちもどり。
【歩行距離27q 28,397歩】