今日の議会運営委員会では、政務活動費の親族への支出制限を求めている陳情者・野村孜子さんが初めての意見陳述。なお、最終本会議の議事運営について、議員報酬減額と定数削減の議案の「一括採決」を主張する多数会派に対して、私は「両議案への賛否が異なるから別々に採決すべきだ」と異議を唱え、協議は難航したものの私の主張が認められました。
午前中に「議員活動報告」の原稿を仕上げ、予定より1日早く印刷所に届けました。そのまま登庁して、昨日の委員会発言に関する情報提供を受け、午後は生活相談に応じました。
ところで、今議会から陳情者の意見陳述が始まっています。健康福祉委員会で陳述された「堺市身体障害者(児)団体連絡協議会」の方の言葉を再確認するため、録音を聞きました。「43歳の息子は重度重複障害。母親の自分は73歳で、1年半前に夫を亡くした。障害者の親は高齢化し、毎日、(体力が逆転した)子と格闘している。親が安心して死ねるような、住みよい堺にしてほしい」。重い発言でした。
●維新提案条例→「継続審査」の背景
さて、昨日の日記に書いたように、健康福祉委員会の隣室で開かれた総務財政委員会では、議員提出議案の審議が行われていました。健康福祉委の閉会後に傍聴したのですが、維新市議団が提案した「公務の政治的中立性を確保するための組織的活動の制限に関する条例」と「堺市職員の政治的行為の制限に関する条例」は、2条例とも「継続審査」とすることが決まりました。「継続審査」の動議を出したのはソレイユ堺の民主党委員です。
動議の趣旨説明を要約すると、@本会議や委員会での質疑での提案会派の答弁は不明確だった。A憲法に保障された政治活動の自由をなど労働基本権との整合が疑われる。Bこの種の条例は職員組織の長たる市長が提案すべきだ。C市長選直前での提案は政治的パフォーマンスと疑う。D直近の市長選後、文言の定義を明確にして再度議論すべきだ。
●多数会派の利害が一致?
上記要約の@〜Cを聞いていると、「だったら条例案を否決」と思えるのに、公明、自民ばかりか維新までが動議に賛成し、可決されました。ちなみに、共産党と田中丈悦委員は反対です。
以下のことは私の勝手な想像に過ぎませんが、ソレイユが動議を出したのは、維新提案に反対することのリアクションを恐れたのでしょうか。また、維新との関係をまだ保っていたい公明にとって「否決」は避けたい道だったでしょう。維新とて、強行突破して「否決」されるより市議会多数会派の「絆」を維持した方が得策と踏んだのかもしれません。ただ、もしかしたら自民党は否決して一気に維新を叩きたい気持ちもあったのでは、と疑っています。自民党委員の動議への賛成意見は論理展開が苦しそうでした。「想像」が間違っていたら…関係者の反論を期待します。
健康福祉委員会での市長質問には3人がエントリーしていたのですが、前の2委員が短時間に発言を終えたため、私の出番が早まりました。
最初に取り上げたのは、NHK・Eテレ「ハートネットTV」で6月13日に放送され「障害者からのSOS」という番組。昨年10月の障害者虐待防止法施行を契機として、堺市が「虐待防止の相談窓口」を開設。24時間体制で相談に応じ、関係施設と連携しながら虐待を受けた障害者に対応する様子などが報じられました。全国に先駆けるモデル的な取り組みを、たまたま見ていたテレビ放送で知ったのは、いささか感動的でした。実は、この事業の開始について、市長は昨年9月27日の記者会見で発表しています。しかし、今回のNHK報道のほかメディアは取り上げていません。市長に「もっと発進力を強めてほしい」と注文。また、「積極的に取り組んでいる職員をほめてほしい」と要請しました。
●民生委員・児童委員の会合で市長後援会印刷物を配布したのは「不適切」では?
続いて議論したのは、11日の本会議での維新議員の発言。「行政が深くかかわる福祉関係の行政委員の会合で、竹山市長後援会のパーティ券が配られた」と言ったのですが、民生委員・児童委員の会合の出来事として、新聞記事にもなりました。改めて事実関係を確かめたら、市長後援会の関係者が社会福祉協議会の事務局長に印刷物を届け、PRを依頼したことが判明。堺市が民生委員に配布している「ハンドブック」では、民生委員法による政治活動制限を超えて「中立性」の確保を求めています。にもかかわらず、関係する会合の席で政治団体の文書が配られるのは不適切だと指摘。これに対して市長は、「好ましくない。今後、このような公的会合での配布をなくすよう、後援会事務局を指導する」と答弁しました。
●市長の本会議答弁を受けて、関係部局は避難者支援のために取り組んでいるか?
2つ目の議論は、東日本大震災や福島原発事故からの避難者への対応です。9日の本会議で市長は、「心や健康の問題、生活支援についても、この基金を活用してケアして行きたい」と答弁しています。市長答弁を踏まえ、関係部局が取り組むべき基本姿勢を質しました。
そして、本会議でも紹介した避難者の声「国が出すべき補助金を出さないことに怒りを覚える」を示し、これを踏まえて「国はできないけれど、堺市はこんなことができる」という施策をやってもらいたいと提案。基金創設に当たって「自治体ならでは支援策を講じたい」と言明した市長は、しきりにうなずいていました。
●東浅香山校区老人クラブをめぐる「いやがらせ事件」への対応は?
市長への質問を終えたとき、残っている発言時間は8分足らずでした。予定していた7つのテーマ全部を議論するのは困難だと判断して、先日来ご相談を受けている東浅香山校区での老人クラブをめぐる事件についての市当局の認識を質しました。
一方的に「退会通知」を送りつけてきた会長の行為は適切でないこと、また、対する「喜楽会」という老人クラブが「地域で誰もが仲良く暮らし、笑顔でお互いを励まし合い、支え合うことができる世の中を作りたい」という共通意識の下、「事態の公正で円満な解決が図られるよう、切に希望します」としている思いはまちがっていないことなどを確認。この事件が、一昨年9月の議会で指摘した「大豆塚二丁会」の地縁団体認可をめぐる堺市の不手際に端を発していることを示して、市と堺市老人クラブ連合会が必要な対応をすることを求めました。
●維新提案の2条例は継続審査へ
健康福祉委員会が終わったのは、午後4時すぎでした。その後、職員や市長らの政治活動を規制する条例案を審議している総務財政委員会を傍聴。その模様は、明日の日記で…
朝から登庁。建設委員会と文教委員会をモニターしながら、明日の健康福祉委員会での発言に必要な資料を作成しました。併せて、動物指導センター、健康部、保育部、子ども青少年育成部、障害福祉部、長寿社会部などと協議。また、放課後子ども支援事業に関する緊急相談が入ったので、担当課や事業体から事情を聴取するなど、忙しい一日でした。
ところで、健康福祉委員会での質問予定テーマは、「@障害者虐待対策、A社会福祉協議会、B避難者支援、C老人クラブ、D地域猫、Eがん対策、Fたばこ」と盛り沢山です。なお、@〜Bは午後1時から始まる「市長への質問」の3番手として行い、その他は市長退席後の発言で、午後3時以降になると思われます。
大泉緑地の「はすみ橋」付近で、ハスのつぼみが伸び出てきました。今日も、一日事務所で仕事。「議員活動報告」(58)の原稿はほとんど出来上がりました。もっとも「予定稿」ですから、明日以降の常任委員会や最終本会議の状況によって加筆修正の必要があります。
「雨が降り出すまでに…」と、妻がここ数日、汗を流して取り組んでいる我が家の夏への備えを、ほんの少し手伝いました。その後は、「議員活動報告」の編集作業。6月末からお配りする予定です。
市民人権委員会と産業環境委員会の様子を控室モニターで交互に傍聴。また、初めての試みとなる陳情者の意見陳述は、委員会室に足を運んで聞きました。その間、関係部課と接触しながら、健康福祉委員会での発言テーマも整理。帰路、中央図書館にも立ち寄りました。
午前中に来客。堺市政が取り組むべき新しい課題についての熱心な提案に耳を傾け、意見交換しました。午後もそのまま事務所で仕事。「委員会での質問内容を聞きに行きたい」という担当職員からの電話もありましたが、断って、「議員活動報告」(次号)の紙面構成を練りました。
会議が遅くなった昨夜は日記を完成させることができず、目覚めてから大部分を加筆しました。
ところで、堺市はいま、国土調査法に基づく地籍調査事業を行っています。今朝は、事務所・自宅敷地と市道との官民境界確認に立ち会いました。その後登庁して、長寿社会部、健康部、子ども青少年育成部などと協議。18日(火)の健康福祉委員会での議論に向け、情報収集を始めました。
▼現在の住居に引っ越してきた2000年夏、裏路地に食べた後の種を埋めたビワが初めて実を付けました。ほったらかしで、13年ぶりの「成果」です。
大綱質疑本会議の3日目です。維新、共産、自民、維新の4議員が一般質問を終えたのが午後2時18分でした。その後、市長から追加提案された職員退職金の減額条例について質疑。続いて、公明、ソレイユ、自民の3会派が議員定数削減と議員報酬減額を共同提案し、この議案への質疑。最後に、維新の会が「公務の政治的中立性を確保するための組織的活動の制限に関する条例」と「堺市職員の政治的行為の制限に関する条例」を提案して、その質疑に入りました。
今日も最終バッターの私が、維新提出2条例への質疑を始めたのは午後7時5分。発言制限時間(追加議案の質疑=片道19分)をフルに使って質疑を終えました。会議終了は7時44分です。
●維新提案は、いつもいい加減で欠陥だらけ
維新提案条例への質疑では、まず2011年12月議会「討論」の折の写真(下中)を掲げ、2年前に維新堺市議団が提案した「教育基本条例」や「職員基本条例」のとんでもない欠陥を指摘しました。大阪府条例の「府」を「市」に変えただけの条例案には、堺市内に「市町村立学校」があるという妙ちくりんな規定があったのです。
実は、この事実は北区在住の市民の方から寄せられた投書で判明。私自身も、条例内容の吟味を十分していなかったことを反省させられました。
今回維新が提案した2条例案も、最初の議運で示した条例内容の誤りを誰かから指摘されて訂正しており、その理由を質すと、「手弁当での作業で100%に至らなかった」と答弁。ならば、「維新市議団の提案はいつも欠陥だらけ」と考えざるを得ないと言い切りました。
●手本とした「大阪市条例」だけでなく、提案した「堺市条例」の内容すら頭にない不勉強
私の前に質疑した議員が「大阪市条例にも市長の政策宣伝を規制する規定があるのに、橋下市長の政治主張が市ホームページに掲載されているのはなぜか」と質問。条例の規定では、活動制限は「任期満了日の3か月前から選挙期日まで」となっており、現在は制限期間外なのですが、維新議員はそのことすら答えられませんでした。さらに、大阪市が作成している「解釈・運用」のガイドラインも十分認識していない様子です。その上、維新集会の案内を局内にメール送信した大阪市職員への処分が「職員政治規制条例に基づいて行われた」と答弁したので、私は新聞記事を示してそのお粗末な思い違いを指摘しました。
要するに、維新議員はまったくの不勉強。にもかかわらずこれら条例の成立を急ぐのは、堺市長選挙を3か月後に控えて現職市長や職員への活動規制を強め、自分たちの取り組みの遅れを補おうとする党指導部の政治的意図なのです。
質疑の締めくくりで、「私たちは政治家」という言葉が好きな彼らに、「まんがで読破 職業としての学問・政治」(マックス・ウェバー作=イースト・プレス刊)の一コマの一部を紹介しながら、いい加減な条例提案を批判しました。
※下右は、同書51p掲載の一部