大綱質疑本会議の2日目。発言者9人の最後となった私の出番は、午後6時すぎでした。また、議会事務局がパワーポイントのリモコン設定をミスし、発言に合わせて自分でコマ送りすることができないというハプニングもありました。しかも、14分という限られた発言時間。正直なところ少し慌てましたが、なんとかまとめることができたようです。遅くまで傍聴席で聞いて下さっていた市民の方からは、「長谷川さんが発言すると、議場の空気が変わりますね」との感想メールをいただきました。
●まず取り上げた「語録」は当選直後の謙虚な発言
「橋下発言と竹山語録」という通告テーマに基づいて、最初に切り出したのは、前回の市長選挙で初当選を果たした竹山市長が所信表明を行った臨時議会での議論。
当時、自民党市議だった馬場伸幸議員(現・維新衆院議員)が、次のように質しました。
「竹山市長の応援に来た橋下徹知事は、再三再四、街頭演説で、『堺市役所の中には太った馬がいる』と言った。一体、太った馬とは誰のことを指しているのか、市長の見解を伺いたい」
私はまず、「このとき竹山市長はどのように答えたか覚えていますか」と質問しました。市長は「詳細には覚えていない」と答弁したのですが、実際には次のように答えています。
「選挙期間中の発言につきましては失礼に及ぶ分もあると考えており、お詫びしなければならない。一公務員、一市民であった私が想像を絶する政界に踏み込み、懸命に自己の訴えをする中で、勇み足発言があったことはお許しいただきたい」
この折の市長選で橋下攻撃と闘った馬場議員が、その後、橋下氏の傘下に入り、仲間と共に竹山市長を攻撃している“ねじれ”はともかくとして、当選直後の竹山市長は極めて謙虚です。
●「放逐」「駆逐」の言い争いで、ほんとにいいの?
その次に取り上げたのは、先の自民党府連パーティでの竹山発言、「参議院選挙で維新を放逐していく闘いをしなければならない」です。7日の本会議では、維新議員が「こんどの市長選で、竹山市長を駆逐する」と反撃しました。今日私が指摘したのは、「放逐」や「駆逐」を叫び合っていることを市民はどう思うだろうかということです。前議会の発言で紹介した湯浅誠さん(反貧困ネットワーク事務局長)の言葉を示し、「ダイバーシティ」(多様性)こそ現代社会の大切な要素。意見の違いから相手を排斥するようなら、民主主義社会は成り立たないと説きました。
●改革マインドを失ったら、市民は竹山氏を支持しない
そして最後に話題にしたのは、前回選挙で「太った馬」発言をしたときの橋下演説です。「衆院選までののしり合ってた自公民が手をつないでいる。こんな談合、見たことも聞いたことありゃしない。相乗りなんてクソくらえだ!」。私を含めて多くの堺市民は、堺市政が抱ている最大の問題点を突いたその言葉に同感して竹山票を投じたのです。今回、ソレイユ(民主党を含む)から支持表明を受け、自民党パーティで気勢を上げた竹山市長に、「改革マインドを忘れずに選挙に臨まれるか?」と問いました。市長の答弁は、「3年8か月前、市民目線で市政を改革し、総点検すると約束した。その改革マインドを不断の思いで養っている。さらにさらに発展させ、皆さんと共有したい」でしたが、さて…。14分の発言時間は、ここまでです。
昨日、ホームページのアクセス件数はいつもの土曜日の3割増。7日本会議での発言に関心を持って下さった方が多いのでしょうか。また、「竹山市長が維新議員の発言にツイッター怒っているけど、どんな言い方をしたのですか?」との質問メールもいただきました。
私は、政治に関わる人が熟考せず発する「つぶやき」には関心がなく、市長のツイッターのフォロアーでもないので、怒りの矛先が何かは知りません。ともあれ、維新の発言者は2人でした。議案質疑に立った議員は、被災地支援条例が生まれる契機になった市長の発言を非難。さらに、復興応援物産市が支援基金条例の制定前から始まっていることを執拗に問題にしました。これに対して市長は、「人的支援などは発災直後からやっている」と反論。
●一般質問では、準備不足の発言に竹山市長が逆襲
また、一般質問を行った維新議員は、自民党パーティーでの市長発言「維新を大阪から放逐する」と、「広報さかい」に大阪都構想の問題点を指摘する記事が掲載されたことを追及しました。しかし、竹山市長はあらかじめ質問内容を予測し、反論のための資料も準備していたようです。明らかに劣勢になった維新議員が「その話はこれくらいで…」と話題を変えようとするので、思わず私は、「議論を仕掛けて逃げるな!」とやじってしまいました。
この議員の発言中に休憩となり、再開前の議場でさらに、「市長側の土俵に上がって議論したら負ける」と維新議員に話しかけると、「市長が質問にきちんと答えない」と反論。確かにそんなきらいはありましたが、「それも織り込んで自分たちの土俵を作ったら…」と進言。大声での会話を聞いていた別会派の議員から、「長谷川さん、指南したり!」との声がかかりました。
7日本会議の録画中継は、12日(水)午前9時にアップロードされます。私の議案質疑も。
※堺市議会インターネット中継(実況・録画) http://www.kensakusystem.jp/sakai-vod/index.html
昨日の本会議で、「堺市大規模被災地等支援基金条例」について議論した折、「みちのくだんわ室 一年の記録」という冊子を紹介しました。神戸市の市民グループ「暮らしサポート隊」が、昨年6月に発行。以前からお世話になっている代表の石東直子さん(都市プランナー)に知らせていただき、購入していました。
3・11大震災が発生し、胃がん手術後の体力に自信が持てなかった石東さんは、神戸に居てできる支援を考えたそうです。数日後、東北から関西に避難する人たちの報道に触れ、「避難者さんたちの暮らしのサポートをしよう」と仲間に呼びかけ、「grief care(悲嘆緩和)」のために癒やしの場を提供して、避難者同士のネットワークづくりを支援する活動を始めました。阪神大震災で支援活動をした仲間に若い世代が加わった「暮らしサポート隊」が3月末に発足。6月から始まった支援活動の1年間の記録がまとめられています。
●見えない課題が見えてきた
冊子のまえがきで石東さんは、「震災から1年が経過し、深刻化する原発事故の問題、被災地の復興・復旧の遅延、そして新たに仮設住宅での問題が報道されるなか、県外避難者の報道はほとんどなくなりました。しかし、身近に避難者と接していると、見えない(想定外の?)課題が見えてきます」と書いています。それから、さらに1年。避難生活が長引くほどに、問題は深刻さを増しているはずです。堺市での支援基金条例を議論するにあたって、改めて読み返しています。
(冊子ご購入は「暮らしサポート隊」ホームページの連絡先メールへ。売価3000円)
※暮らしサポート隊 http://www.geocities.jp/kurasapotai/0_home.html
なお、昨日の本会議を傍聴された方々から、「スクリーンを使用した発言は非常に分りやすく、避難者の意見や要望が全て汲まれていたことに頭が下がる」などの感想が届いています。
大綱質疑の本会議は今日から3日間。今議会から「議案質疑」を分離して先に行うことになりました。各会派の質疑が一巡し、共産党が二巡目の質問を終えて私の出番が来たのは、午後2時すぎ。「議案第53号・堺市大規模災害被災地等支援基金条例」について質疑しました。
●東北復興応援物産市について提案
まず、この条例の成立を見越して、すでに6月1日から堺市伝統産業会館で催されている「東北復興応援物産市」について、先日現場を見に行って撮影した写真や、買ってきた「牛たんカレー」と「つむぎかりんとう」を演壇で披露しながら、次のような議論をしました。
▼初日から3日間の売り上げ「18万7千余円」は、まずまずのものとして評価できる。ただ、物産品の展示場所が分かりづらく、もっと来場者の目に留まる工夫が必要だ。
▼被災地の写真、堺市の支援状況を示すパネルの展示も興味を引く。しかし、観光ポスターやパンフは観光客の誘致協力という狙いは分かるものの、いささか違和感がある。被災地からの避難者などが会場を訪れた際、どんな思いを抱くかと考えたことがあるか。
▼堺市内に避難している被災者の状況を市民に認識してもらう展示を追加すべきだ。(ちなみに、現在堺市に避難されている方の合計は151世帯341人。青森、岩手、福島、宮城、茨城、千葉、東京、神奈川の各県からで、いちばん多い福島県は97世帯273人)
●避難者支援、また支援活動への基金支出を!
また、先日の集会で聞いた避難者の方々の声を議場スクリーンに映して紹介し、痛切な思いに応えられるような基金活用を求めました。これに対して市長は、「自分も一昨年夏、避難してきたお母さんの話を聞いた。子どもの被爆が心配で、中学3年までの子ども医療費がワンコインで済む堺市をネットで知って選んだとの話だった。被災地から来られた皆さんの心や健康の問題、生活支援についても、この基金を活用してケアして行きたい」と答弁しました。
さらに、「実質母子家庭」の保育料への配慮、支援ボランティア活動の掘り起こしや資金補助、避難者のニーズを把握するためのアンケート実施などを提案。保育料については子ども青少年局長が検討を約束し、その他の提案にも担当の危機管理監が同意しました。
●市長の「ありがたくいただきたい」発言は間違っていたか?
なお、同じ議案質疑で維新の会議員が、「2月議会での市長発言が全国から批判を浴び、この基金を作らなければならなくなった」と非難しました。そこで、10日の「竹山語録」で議論するつもりだった当該発言を前倒しして紹介。「言い回しや配慮に足らないところはあるが、基本的に間違っていないのでは?」と質問すると、市長は「言い回しの部分では反省すべき点があった」と答えました。私が「その発言がテレビや新聞で報道されて基金創設の契機となったのは事実だが、市長は『マスコミが誤報した』とは言わず、自ら非を認めて足らざるところを現実の政策で補おうとする姿勢は見事なもの」と評価したら、議場は爆笑の渦です。
そんなこともあって、私自身の予定した発言時間はオーバー。10日に残された時間は14分だけです。さて、どのように話を運ぶか…。企画部職員は、今日も頭を抱えて帰りました。
北区内での所用のついでに、区役所に立ち寄りました。住民の皆さんからご相談を受けていることに関して区長と協議。午後から登庁して、企画部や市教委からの「情報収集」に応じましたが、やはり期待に応えられなかったと思います。「橋下発言と竹山語録」に関する議論の筋が定まったわけではないのですが、とりあえずパワーポイント・スライドを45コマ作成して議会事務局に提出。時間の関係上、実際に使うのはそのうちのごく僅かになるでしょう。
朝から登庁して、7日本会議の議案質疑で使用するパワーポイントのスライド作り。そのため、現場を見に行ったり、関係者のヒアリングも試みました。なお、市当局は10日の一般質問が気になるようで、企画部職員が控室にやって来て情報収集。しかし、昨日の日記にも書いたように、議論の筋立てはまだ思い悩んでおり、彼等の役には立てませんでした。ところで、「橋下発言」と言えば、多くの方は先日の従軍慰安婦や米軍への風俗業活用の勧めのことだと思われるでしょう。その発言について、琉球新報が辛辣な社説を書いています。一部を抜粋すると…
▼人間意識の根本的な誤り
沖縄の米軍に風俗業の活用を勧める発言の釈明として、橋下徹大阪市長は「国際感覚が足りなかった」と述べた。だが、彼に何より足りなかったのは人権感覚だ。人間認識の根本的な誤りに気付いていないのが問題なのだ。
▼「慰安婦制度の必要性は誰だって分かる」?
「慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる」と述べたが、「分かる」はずがない。周りを自分と同じだと思われては迷惑だ。しかも彼は、自らの沖縄への差別的まなざしにも気付いていない。在沖米軍に言うからには、あてがう場所は沖縄が前提だろう。そのような施設を、自らの足元の大阪市にも置けるのか。
▼沖縄の代弁者を装うのはやめて!
橋下氏は、女性をモノ扱いしただけでなく、「強姦神話」を前提にすることで、男性をも愚民視しているのだ。橋下氏は、発言の背景として「それくらいのことを言わなければいけないくらい、沖縄の状態は鬼気迫るものがあるということ」と述べた。いったい誰が頼んだというのか。沖縄にこと寄せて、さも沖縄の代弁者であるかのように装うのはやめてもらいたい。
■琉球新報社説(2013.5.18)はこちら
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-206737-storytopic-11.html
今日は登庁前に北区役所に立ち寄って、区長と協議しました。また、登庁後は、財政部や危機管理室と打ち合わせ。危機管理室は、議案質疑を行う予定の「大規模被災地等支援基金条例」を所管しています。なお、議会事務局に確認すると、7日の本会議でこの条例に関する質疑者は多くて、私の前に5人の議員が発言予定です。もしかしたら、私の質疑ではあまり多くの発言時間を割かなくて済むかもしれません。
ところで、持ち時間38分のうち議案質疑で使い残した時間内で、10日に「一般質問」を行うことになります。質疑テーマは、昨日思いついた「橋下発言と竹山語録」で提出しました。これまでの通告テーマとは趣が異なるので、議会事務局はいささか躊躇しながら受理したようです。
いずれにせよ、ごく限られた時間内ですから、論争好きの竹山市長が発した言葉のどの部分を取り上げるか、十分な吟味が必要です。それに、橋下市長に質問する訳ではないので、「橋下発言」をめぐる議論をどのように組み立てるのか、通告はしたものの少々思い悩んでいます。
松井知事がオスプレイ飛行訓練を大阪府で受け入れる…という報道。橋下市長問責決議に「ダブル選挙」で切り返して一本取った余勢を駆って、維新への逆風を跳ね返そうとする奇策でしょうか。橋下氏の「フウゾク活用」発言でひんしゅくを買った米軍に媚びを売り、沖縄県民の方々の歓心を得ようとの試みにも思えます。
しかし、沖縄国際大学の前泊博盛教授(基地経済論)は、毎日新聞のコメントで…
「米軍は必要なら日本中どこでも飛行訓練をできるので、なぜあえて受け入れを表明するのか分からない。大阪にオスプレイを配備させるなら沖縄の負担軽減になるが、これでは、自由に訓練していいと歓迎している自治体が1カ所増え、訓練と配備が加速されるだけだ。危険視されている訓練を自らの地域で率先して誘致するのは主権侵害の容認につながり、大阪府民にとっても迷惑だろう」(2013.6.3朝刊)と発言しています。
それに、「八尾空港を給油地点とする」との報道に対して、八尾市の田中誠太市長も「見解」を発表。「市民生活に大きな影響をもたらす今回の事案につきまして、地元八尾市との調整、及び市民への事前説明がない中で知事が発言されたことは誠に遺憾であります」とブログに掲載しました。直接被害や影響を受ける住民を顧みない維新流の「強権政治」が押し進められようとしていることに、市民は気づき始めているはずです。
●今日の議運で、維新の会はまた提出条例案を訂正
ところで、午前中に開かれた議会運営委員会で、維新堺市議団は先日提案した「公務の政治的中立性を確保するための組織的活動の制限に関する条例」と「堺市職員の政治的行為の制限に関する条例」の一部を訂正しました。以前、職員基本条例や教育基本条例を提案したときにも、大阪市や大阪府の条例を丸写しし、堺市に当てはめたときの矛盾に気づかないという無責任さが露呈したこともありました。いくら繕っても、堺市政にとって本当に必要かどうかを吟味するのではなく、秋の市長選挙にタイミングを合わせた政治的思惑が透けています。
●私の発言予定は、7日(金)、10日(月)、11日(火)の3日連続
さて、議運では、今議会から大綱質疑本会議で試行することになった「議案質疑」に全会派がエントリーしました。このため、その後に行う「一般質問」と合わせた発言者はのべ25人。各会派が通告した質疑時間から予測すると、私の発言予定は次のようになります。
@7日(金)午後=議案質疑(堺市大規模被災地等支援基金条例について議論予定)
A10日(月)午後の最後=一般質問(仮テーマとして、「橋下発言と竹山語録」を予定)
B11日(火)午後の最後=維新の会所属議員が提案する2つの条例案に関する質疑
もっとも、発言時間制限(7日・10日両日合計=往復38分、11日=片道19分)が厳しいので、先に発言する議員の質疑内容等によっては質疑を取り止める可能性もあります。
なお今日は、議運終了後に、長寿社会部、財政部、人事部などと協議。がん検診に関する民間企業からの情報提供も受けました。夜は、事務所で市民相談。
今朝の大泉緑地でランニングする人が多かったのは、休日のせいでしょうか。マイペースでゆっくり散歩。戻ってから、地元自治会の町内一斉清掃に参加しました。
午後は、事務所まわりの鉢植えの手入れ。毎年今頃に立派な花を付けてくれていたカシワバアジサイの元気がないのが気になっていました。時期は悪いけど思い切って植え替えてみようと試みたら、コガネムシの幼虫が鉢中にゴロゴロ。「根切り虫」と呼ばれるこの幼虫が犯人でした。根の間に入り込んでいる虫たちを退治して、新しい土に植えました。元気を取り戻してくれるといいのですが…。
先日、「放射能検診と避難の権利・大阪南部集会」が開かれると、わざわざ事務所に来訪して知らせて下さった方がありました。午後から、会場の堺市産業振興センターへ。
最初に、単身で大阪に避難している20代女性のアピールを聞きました。続いて、医療問題研究会の医師・森国悦さんが「福島原発事故と甲状腺がん、健康被害」と題して講演。また、主催者から「『どこでも誰でも放射能検診』100万人署名運動」の提案説明がありました。
その後、茨城県から男児を連れて避難している女性、福島県郡山市から2人の幼児と共に避難した女性が避難の動機や現在の暮らしなどについてスピーチ。参加者からの質問に答えた後、さらに会場に居た5人の避難者の方々も思いを述べられました。
▼福島県だけでなく、茨城県、千葉県、東京都、神奈川県などでも、子どもの被爆の心配があり、思いあまって関西に来た。
▼スーパーで売っている野菜なども、本当に安全なのか危険なのか、分かりやすい情報がない。子どもを内部被曝からどう守るかと考えたら、現地で暮らすことは困難だった。
▼苦労して大阪まで避難してきたのに、大阪市が災害ガレキを受け入れて焼却したので、心配はさらに拡大した。
▼3.11で自宅を失い、避難所で暮らしていた。幼稚園に入園した子が、半ズボンの制服を着ることができたのは入園式の1日だけ。翌日から長袖、長ズボンでの通園だった。外で遊ばしてやりたいと思い、週末は2〜3時間かけて新潟県の公園に出かけた。
▼幼稚園では90人だった園児が60人に減り、担任の教諭も「自分は立場上とどまるが、子どものためにはここを離れた方がいい」と勧めてくれた。
▼夫は現地で勤務。子どもの顔を見に来るためには何万円もの交通費が要る。被災者は「高速代無料」だが、12時間もかかる夜中のドライブは家族にとって心配がさらに増す。移動交通費の支給(バス運行、新幹線チケットなど)を望む。
▼家賃は二重払い。避難地で働き始めたが、保育料は夫婦の収入を合わせて算定される。実質母子家庭であることに配慮するなど、ニーズにあった支援をしてほしい。
▼避難生活2年。関西の暮らしに慣れてきた。「おせっかいやったら…、嫌やったら言うてね」と断りながら手を貸してくれる隣人たちの親切が身にしみる。
▼国が出すべき補助金を出さないことに怒りを覚える。避難者が声を上げなければ伝わらないと思い、得意ではない発言をしている。もっとたくさんの人に聞いてもらい、多くの方々に被災者・避難者のことを理解していただこうと思う。
▼とは言え、避難者の中には疲れて後ろ向きになる人も居る。そんな人たちを引っ張り出し、パワーをもってもらうために後押しをしてほしい。
●「堺市大規模災害被災地等支援基金」の活用を!
避難者の皆さんの声をノートにメモしながら、昨日の本会議に提案された「堺市大規模被災地等支援基金条例」のことが頭に浮かびました。2月議会で話題になり、全国から「復興予算を食い物にする…」と非難を浴びた清掃工場の建設補助金に国の復旧・復興予算が充てられたことに対応する新しい条例です。予算委員会で市長が「復興予算は被災地の復興に直接活用されるべきであるという住民の声も重たいものがある。被災地復興のために堺市として何ができるか早急に考えたい」と発言したことを捉え、私は、「例えば被災地支援基金を作るなど、具体策を示すべきだ」と提案。そんな議論で実現した「支援基金」の活用も考えられます。