朝、様子を見に来られた担当医師の話では、「入院中の血液や尿の検査結果からすると、腎生検実施の必要性すら感じさせない」とのこと。もっとも、「その理由は、理想的な病院食に加え、ずっと安静にしている生活状態の結果と推定される」と付け加えられました。
そして夕方、生検に携わった6人の医師が病室に来られて、主治医から結果説明。「膜性腎症」との診断が下りました。症状としては、腎臓のろ過機能に多少の異常があって軽度の蛋白尿をみることがあるが、自然寛解によって改善しているのだそうです。必要な治療は「血圧コントロールだけでよい」とのこと。これは、腎生検を受ける前から行っている治療で、外来主治医の見立てに基づく治療法が正しいかったことが立証されました。まずは、一安心です。
昨夜は、「寝返りをしないように」との指導の下、窮屈な眠りに就きました。朝、腎生検の針を刺した跡を確認していただいた担当医師によると、出血はまったくなく、きわめて良好とのこと。貼り付けてあった止血用テープは取り除かれ、シャワーもOK。さらに、ベッド上での安静も通常計画より1日早く解除となりました。
ところで、留守中の事務所に「W」さんと名乗る東京の男性から電話あって、「堺市議会の海外旅行決定に強い怒りを感じ、議会事務局に抗議の電話をかけた」とのお話だったと連絡がありました。「共産党まで賛成しているのに、長谷川議員は反対したと聞いた。今、アクション日記も読んでいる。がんばってほいしい」との激励もいただいたそうです。
今朝、MSN産経ニュースで報じられたようで、その見出しは「NZへの『ビジネス』、市議1人80万円の“公費負担”は妥当か、配慮不足か…同行の民間使節団は自費で『エコノミー』なのに」。記事には、私が本会議の討論で述べた「私たちは市民に選ばれた代表として、行政執行を監視し、注文をつけるための特別な権限を与えられているが、身分や立場にも『特権意識』があると考え違いをしていないか。市民の声にもっと謙虚に声を傾けるべきだ」との発言もきちんと紹介されています。なお、この記事に対して、たくさんの方々がツイッターでの書き込みを寄せています。兵庫県議の号泣映像とともに、堺市議たちが「特権意識」にもとづく海外旅行を強行することも全国の話題になってしまいました。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140710/waf14071007000002-n1.htm
▼MSN産経ニュースの挿絵
昨日午後、腎生検を受けるために入院しました。別段、腎臓障害の症状があったわけではないのですが、前立腺がん治療後の経過観察のための尿検査で少し蛋白尿が見られ、「年齢などを考慮し、念のため」という医師の勧めに従いました。この検査はニュードルガンという特殊な針で腎臓の組織を採取して顕微鏡で詳しく調べるもので、検査後の出血予防のために安静が必要です。従っての入院です。
昨日は入院後、心電図と胸部レントゲンの検査。そして、今朝10時から始まった腎生検は30分ほどで終わりましたが、医師5〜6人が携わってくださる大掛かりなものだったようです。もっとも、局所麻酔と沈静剤の点滴を受け、終始うつ伏せ状態だった私が直接に目で確かめたわけではありません。検査後は、施術箇所に1キロの重しを乗せて90分間、うつ伏せ状態のままです。その後、上向きにはなりますがベッドに身を横たえて3時間半過ごします。付き添いの妻から昼食を口に運んでもらうという初体験もしました。それほどヘビーな検査ですが、4年前に受けた前立腺がんの針生検に比べれば楽だったように思います。
地下鉄・新金岡駅C出入口での議会報告を今朝に延期したのは、適切な判断でした。雨の降らない間にスピーチと「議員活動報告」の配布を終えることができました。もっとも、ボランティアの皆さんにもそれぞれの予定を変更していただき、申し訳ありません。また、昨日の日記を読んで写真を撮りに来られ、早速メール添付で送ってくださった方がありました。
それに、若い女性の方が立ち止まって、「議員の海外旅行をやめさせるために、私たちは何をすればいいのですか?」との質問を受けました。私の「活動報告」が広まるにつれ、市民の皆さんの関心が高まっているような気がします。
なお、今朝のスピーチでは、西宮市選出の兵庫県議による政務活動費をめぐる騒動にも触れました。「議員に当選したら好き勝手に税金を使えると思い込んでいるのでしょう。堺でも、市民から訴えられた裁判で違法支出だと指摘され、政務調査費《947万円》を返還した議員がいます。今回の海外旅行は、同行して茶道や大正琴の文化を披露する市民は自己負担、なのに議員だけ税金旅行…すべてが議員の特権意識に根ざしています」。共感してくださる方が多いようです。
天気予報が「雨」となったため、今朝に予定していた地下鉄・新金岡駅C出入口での議会報告は、昨夜のうちに延期を決めました。朝方に一時降り止んだのですが、やはり雨。この季節は致し方ありません。とりあえず、明朝に行うことにしていますが、さて…。
ともあれ、今日は朝から登庁して、いくつかのご相談事項の処理に当たりました。雨は午後もずっと降り続いたので、地域配布もあきらめて事務所で仕事。文字の脱落を指摘された「アクション日記」の補訂や、久しぶりに開催を計画している「自治体議員勉強会」の日程調整などに取り組みました。
早朝と午前、2回に分けて「議員活動報告」をお届けしました。歩いたのは、新堀、蔵前、船堂、南花田のほんの一部。これら各町の大部分は配布協力者の方にお願いしています。
午後は、サンスクエア堺で開催された講演会「小出裕章さんが語る9条と原発」を聞きに行きました。
●被爆を避けることは基本的人権
第1部では、森松明希子さん(原発賠償関西訴訟の原告団長)が、福島県郡山市から幼児2人とともに避難してきた体験を話しました。「被爆を避けることは人としてもっとも大切な基本的人権です」「原発事故後、避難する権利があるのに国や東電は何の情報も与えず、迎えにも来なかった」「屋内待機命令が30キロ圏で止まったとき恐怖を感じたが、0歳と3歳の子どもを抱えパニックにならないように自制した」「国は『大丈夫だ』『直ちに健康への被害はない』というばかり。でも、子どもを室内に閉じ込める生活は普通ではなく、大阪に避難してきた」「裁判では、人権侵害が3年間続いていることを訴えたい」…。聴衆の胸を打つ言葉が続きます。
●日本は実質的な核保有国
第2部は、一昨日、菅直人さんとの会談に時間を割いていただいた小出裕章さんの講演です。戦後の原子力(核)開発や福島第一原発事故の状況を分かりやすく解説の後、日本が原爆製造の中心技術(ウラン濃縮、原子炉、再処理)を持っていることを指摘。また、1982年には「核兵器の保持は禁じられていない」との政府公式見解が示され、92年に外務省幹部が「プラトニウムの蓄積と、ミサイルに転用できるロケット技術の開発」に言及した事実などを披露して、「平和利用」に隠れながら実質的な核保有国になっている日本の現状を語られました。そして、憲法前文や9条の危機についても。
早朝、新金岡町2丁の一部地域に「議員活動報告」を配布。以前、この部分は地域内のマンションにお住まいだった笹岡保男さんの担当でした。長谷川事務所の事務長もしていただいていた笹岡さんが亡くなられたのは2009年8月17日でしたから、間もなく5年になります。ほぼ全域のマンションのポストに配りながら、人一倍正義感に溢れた笹岡さんの人柄やお世話になった日々を思い起こしました。
今日は、午前・午後に分けて金岡町の一部地域にも配布。この地域は担当してくださっていた方の仕事が忙しくなって私が穴埋めしていますが、ほかにもたくさんの方々のお世話になって「活動報告」をお届けしています。
▼ご近所のMさんが持って来てくださったカンナが美しい花を…
地下鉄・新金岡駅AB出入口で議会報告。終了後、運転ボランティアに来てくださったUさんにお願いして、南区、北区で「議員活動報告」を配布していただいている皆さんの所に、配布物をお届けしました。
また今夜は、元首相の菅直人さんと京大原子炉実験所助教の小出裕章さんの初めての対談が実現。夕方、関西空港で菅さんを出迎え、原子炉実験所近くのそば屋さんに案内しました。言うまでもなく、お二人はそれぞれの立場で福島第一原発の事故に向き合ってこられた方です。菅さんは、事故発生時に誰もが正確な情報把握ができなかった深刻な状況を語り、小出さんからは、避難指示に「スピーディ」が活用されなかったことや、何よりも「放射能から人々を守る」という対応が欠けていたのではないかなど、厳しい指摘がありました。
▼写真撮影=長谷川太郎
昨日からテレビ各局が繰り返して流す大泣きの映像は、またまた多くの方々に「地方議員って何?」との疑念を抱かせてしまいました。
野々村県議がその使途を説明できない「政務活動費」は、兵庫県議会では議員1人あたり年間600万円が支給されています。ちなみに、堺市議会の場合は年間360万円を市民の皆さんの税金から会派や議員個人に交付。ただし、地方自治法が改正される昨年2月までは「政務調査費」という名称でした。
●堺市では住民訴訟で、市民が不正支出を追及
堺市民の野村孜子さんは、政務調査費の支出報告書を閲覧して驚いたそうです。毎月30万円支給される政務調査費のうち15万円を事務所の賃貸料として父親に支払っている議員がいる。「これは怪しい」とにらんで「事務所」と称する建物を見に行ったら、どうみても倉庫。それも使われている形跡が窺えない。そこで住民監査請求を起こしたのですが、監査結果は棄却。身内をかばう結論に納得できず、年金暮らしの生活費を切り詰めて住民訴訟を起こしました。一昨年の10月、大阪地裁は野村さんの主張を認めて1年分192万円を堺市が議員に返還請求すべきとの命令を下しました。当の議員は判決を不服として控訴しましたが、大阪高裁も昨年3月に野村さんの主張を認めて、控訴棄却。さすがの議員も上告はあきらめたようです。
●一審二審とも全面敗訴した議員は「947万円」を返還
判決確定により堺市はこの議員に1年分の返還請求をしましたが、野村さんは裁判に訴えた年度以後の支出も返すべきだと新たな監査請求を起こしました。裁判所の判断が明確に出ている手前、監査委員も野村さんの主張を認めざるを得なかったようで、堺市はさらに3年分の不正支出の返還を追加請求。なお、この議員は別の住民訴訟も起こされ、裁判所はやはり返還を命じました。結局、この議員が堺市に返還した不正支出の総額は947万円です。野々村県議の不明瞭支出が約300万円と報道されていますから、その3倍に上ります。
なお、堺市議会では、この事件を教訓として、親族に対する政務活動費の支出を認めないことになりました。
●お金を巡っても「特権意識」
ところで、今朝の産経新聞は、日本維新の会の馬場伸幸衆院議員が自治会からの献金を受け取っていたことを報じています。公共性が高い自治会が特定議員に政治献金をすることは不適切ですが、同議員にはそんな自覚がなかったようです。馬場議員は一昨年までは堺市議をしており、当時、代表を務めていた自民党支部を迂回したうえで、自らの資金管理団体などに寄付金を還流させて税金逃れをはかったことも記事になりました。
海外旅行の復活、政務活動費の不正支出など、いま噴出している事件の根底にあるのは、「俺たち議員は別だ」という特権的な考えではないかと思えてしかたありません。
▼産経新聞(2014.7.3)
地下鉄・北花田駅@A出入口で議会報告。今日のスピーチは、議員たちの海外旅行のことよりも、昨日、安倍内閣が行った閣議決定についてたくさん語りました。
1941年生まれの私は、4日前の誕生日で73歳になりました。生まれた年の12月に太平洋戦争が始まり、生家近くが夜間空襲に見舞われる光景を疎開先の山のお寺から見ていたのを覚えています。戦争が終わって帰宅したら、自宅の50メートルほどのところまでの家屋が焼けていました。祖母から、米軍機の機銃掃射で命を落としかけたという恐ろしい話も聞きました。
小学校に入学したとき、何人もの級友の父親が戦場で死んでいる事実を知りました。職業軍人ではありません。会社でまじめに働いていた人、商売に励んでいた人、懸命に田畑を耕していた人など、ごく普通の市民が召集令状で戦場にかり出されて命を失ったのです。
ちなみに、私の妻の家族は旧満州で終戦を迎えました。幸い一家離反は免れましたが、父母と4歳年上の姉と4人での逃避行は命からがらだったと聞かされています。父は2歳だった妻をリュックに入れて背負い、母の胎内には臨月の妹もいたという話です。
人と人とが殺し合う戦争がどんなに悲惨のものであるのか。それを体験した人たちは、戦後日本の礎となった平和憲法を大切に育ててきました。来年は戦後70年。私の人生そのものでもあります。政治を担う人たちの多くが戦争を知らない世代に移り、憲法9条がまるで邪魔者のように扱い始められたことに危惧を覚えていました。そして昨日、安倍政権は、歴代自民党政権の9条解釈を覆して、海外での武力行使=戦争を可能にする閣議決定をしました。
世論の多くがこれに反対し、少なくとも「そんなに急いで決めることではない」と考える人が多数であるのに、強引に事を運びました。その背景は、一昨年12月の総選挙での自民党の圧勝にあります。国会で多数議席を占めれば何でもできる…と考えているのでしょう。
堺市議会での議員海外旅行の復活も同根です。市民の批判がどのようにあろうとも、数さえあれば議員特権を行使できる…そんな思い上がりが蔓延しています。もしかしたら、「今回はウェリントン市長の招待状という大義名分がある」と思い込んでいるのかもしれません。しかし、市民の皆さんは日頃の議員たちの行状を見抜いています。
そんなスピーチがご通行中の皆さんに響いたのでしょうか。受け取っていただいた「議員活動報告」の数は、前回の1割増し。この1年間でも最高部数でした。