長谷川俊英・田中丈悦・増栄陽子・山口典子・共産党議員(9人)連名
市議会議場への「日の丸」掲揚決定に関する共同アピール
 堺市議会の議会運営委員会は、本日の会議において多数決でもって議場への市旗と「日の丸」の掲揚を決定しました。このことについて、私たちは、次の共通認識に基づいて、この決定に異議あることを表明いたします。
1.議場への「日の丸」掲揚には、私たちは反対です。
2.このような問題を多数決で決することは好ましくなく、また、議会運営委員会での議論も尽くされたとは言えません。
3.提案した会派内にさえ異論があり、かつ、出席委員から採決についての異議を申し立てたにもかかわらず、提案会派のみで強行採決を行ったことはきわめて不当です。
    2004年6月25日
    
山口典子議員増栄陽子議員(いずれも「フェニックス民主」所属)による
議場への国旗掲揚の強行採決についてのアピール
 本日の議運において、議場への国旗掲揚が強行採決されました。この件については、与党4会派による提案となっておりますが、私共が所属するフェニックス・民主では、会派の議員には正式な連絡や報告、審議もないままに会派の代表が勝手に提案会派となることに押印しており、その後の議運の経緯も何も、6月17日の午前の議運直前まで全く知らされないまま、議場への国旗掲揚の議事が進められておりました。議会の新庁舎への喫煙ルームの設置も全く知らされることもないまま、事が決まってしまっており、私共は、会派代表者に対し、これでは議員として結果責任が取れないので、すべてを白紙撤回するよう強く抗議をしてきたところです。
 市民の皆様の様々な声を伝え、自由に議論すべき議場への国旗掲揚について、このような乱暴なやり方で、強行採決を行うことは、議会人としてあるまじき行為であると考えます。少なくとも一政党ではなく、無所属の議員と民主党系会派が、会派を構成しているフェニックス・民主においては、一人一人の意見を確認するべきであり、それを怠ったにも拘らず多数決原理を強行されたことについては、断じて同意できません。
 このような経緯から、まずは今回の議運での採決は議員の意志確認をするという基本的な手続きがなされていない点から、無効であるということを訴えます。
 さらに、国旗の問題については、日本の歴史の中で、とくに侵略や戦争において、“お国のため”と信じて日の丸を振りながら、愛する夫や息子を送り出した女性たちの大きな後悔と反省、あるいは、とくに朝鮮半島から東チモールに至るまで各国における従軍慰安婦問題についての取り組みの中で、海外や沖縄の女性たちからの日の丸に対する、悲惨な思いを生の声で聞かされ、これらの問題について戦後なんら日本政府が清算を行っていないことなど、過去から現在に至るまでの女性問題の視点からの課題が山積していること、また、私共は本当の意味で今後わが国の象徴としての国旗を“日の丸”とするならば、ナショナリズムとネイション、愛国心と国益等については、北東アジア地域主義をもって、韓国・北朝鮮・中国の国々を中心にアジアでの新しい国際関係を構築することが、いま最も重要であり、議場への国旗掲揚云々もこのあたりの議論から始まるのが当然であると考えます。
 国旗・国歌法には、国旗の掲揚は義務づけていません。議場への国旗の掲揚について、ほんの少し触れただけでも「反対やったら、日本から出ていけ!」というような野次が飛ぶようなレベルでの国旗掲揚の議論は議論になり得ず議会制民主主義の現場で議員の精神の自由や内心の自由が一部の議員自らによって奪われることは、許されるべきではありません。
 また、わが国には、多数の在住・定住外国人の方々も共に生きているのですから、彼らの人権や思いもきちんと配慮すべきです。
 私たちは、子どもたちの教育も含めて、真実の歴史を学び、自らの国を内側からほとばしるような思いで愛し、同じように他国や他国の人々や文化を愛することができるよう願いつつ、今回の強行採決に抗議をいたします。
      2004年6月25日                                     
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