《2009.6.22》
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6月22日(月)やっと梅雨らしい天候になりました。夕方には突風も吹いて荒れ模様…
午後から開かれた最終本会議は、市民の皆さんからの請願採択をめぐる私の討論(意見表明)が気に入らない人たちが、発言を遮ろうとして大荒れになりました。この請願は、国保料、介護保険料、上下水道料金の引き下げを求めて、3万1千人を超える市民の方々が署名されたものです。私は、いずれも政令指定都市の中で最高額の負担を強いられている市民の願意を汲みとるなら、「趣旨採択」とすべきだとの意見を述べていました。
そして、木原市政が市民の思いを汲みとることができなくなっている証左として、阪神高速大和川線の指名停止業者への発注やこのことへの橋下知事の批判などを例に出して語っている折、議場が騒がしくなっている様子を感じました。どうせ、市長擁護派の議員たちが騒いでいるのだろうと思いながら、私は、自分の持ち時間(19分)内に予定の意見表明を終えなければいけいないので、お構いなしに発言を続けました。
●発言中に、超異例の「動議」
後で調べると、もう20〜30秒もあれば予定討論が終了する頃、議運委員長の小郷議員(民主党)が「動議」と叫んだそうです。そして、星原議長(公明党)が討論中の私を制止したということでしたが、発言に集中している私にはまったく聞こえません。これも、その後の議運での星原議長の発言で知ったのですが、私が演壇で話している最中、小郷議員の動議についての賛否を議会に諮ったとのことでした。
●ルール無視の議事運営
そもそも、議員には「発言の自由」が保障されています。あらかじめ申し合わせた時間内の発言であれば、自分の意思で発言内容を組み立て、どんなに厳しい指摘であっても、「無礼の言葉」などを使わない限り、事実に基づいて自由に論じることができるのです。その発言中、これに水を差すような「動議」を出し、演壇上の発言者を議席に戻すこともせずに動議を諮るなどは、議事運営の原則をまったく無視した行為です。
●会議規則による発言内容の制限と議長の責務
もっとも、「会議規則」では、発言が議題外にわたることを禁じています。また、この規定に反する発言があったとき、議長が注意し、注意に従わない場合には発言を禁止することができることになっているのです。これは議長の「議事整理権」に基づくもので、そのような判断をした議長は、まず「注意」をしなければいけません。また、議員が議長にそのように行動することを促すのなら、「動議」ではなく「議事進行発言」をするのが議事運営の原則です。議長からの「注意」など一切なく、今回の動議提出やその取り扱いは議事運営原則にまったく反しています。
●約3時間遅れた本会議で討論は続行
ともあれ、休憩中に開かれた議会運営委員会で協議が続きました。本来は傍聴自由のはずの議運から私を途中で閉め出すなど、ここでも見境のないルール違反を重ねていましたが、結局、私の発言を止めてしまう根拠を見つけることはできなかったようです。当然の結果ですが、最初の休憩から2時間50分後に再開した本会議で、私は、マイクが切れて録音できていなかった残りの発言を予定どおり続行しました。
●「亀の甲より年の功」…
「発言自由の制限はファッショだ」と抗議し、原則違反の議事運営を指摘する私に、「いい歳をして…」と非難した議員がいました。まさに「無礼の言葉」で、抗議しましたが、考えてみれば、いい歳をして元気な抵抗をしたものです。しかし、この闘いの帰結は最初から見えていました。そのことを見通せるほど、私も議員経験を重ねたのかもしれません。きょうの討論では、木原市長に「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の言葉を贈り、自分自身には「ひとの振りみてわが振りなおせ」と戒める…と結びました。そしてさらに、「亀の甲より年の功」だと悟った一日でした。