《2013.10.10〜11》
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※10月9日以前の日記は、前ページに掲載

10月10日(木)熊本も猛暑日。10月から冷房使用を止めている県庁では汗だくです。

視察日程の終了後、熊本駅から帰る委員会メンバーと別れ、私は市電で熊本市役所へ。同市では、1990年に制定された政治倫理条例が昨年改正されました。改正事情や23年間にわたる条例の運用状況を調べるための訪問です。お世話下さったのは、議会事務局議事課調査係の濱崎尚章さん。また、議会事務局議事課長の富永健之さんから条例改正について、総務局総務課の総務審議員兼法制室長・山崎広信さんから運用状況についてご教示にあずかりました。

地下鉄・北花田駅@A出入口で議会報告。今日は、主に@出入口近くでスピーチしました。この場所に立つのは久しぶりですが、激励のエールを送って下さる方が増え、小さなお子さんを自転車に乗せた若いお母さんから「いつも家に届いています」との言葉もいただきました。
●23年ぶり、あらためて調査した「熊本市政治倫理条例」
ところで、昨日、熊本市議会で調査した「熊本市政治倫理条例」は、1990年3月26日、全国で17番目の条例として制定されました。制定直後の4月4日に同市を訪ねた私は、その年の6月に上梓した著書のあとがきに書き足しています。同市条例では、市民が政治倫理審査会に不正疑惑のある議員らの調査を請求できる規定があります。請求要件は「規則」で、「有権者の200分の1」の署名が必要と定めていました。
制定以来22年を経て、市議会の議会活性化特別委員会が条例内容の見直しを検討。昨年2月、調査請求できる署名数を「50分の1」に引き上げ、規定がなかった収集期間も「30日以内」する案を賛成多数で決定しました。ところが、市民から猛反発があり、地元紙「熊本日日新聞」によると、条例制定の際に原案を作成し、初代審査会会長を務めた竹内重年弁護士(元熊大教授)も「市民の調査請求権を奪う行為」として厳しく批判されたようです。
●パブリックコメントに基づいて改正案を変更
この事態を受け、市議会の議会運営委員会は3月議会への提案を見送り、パブリックコメントを踏まえて改正案の見直しを決定。実施されたパブリックコメントには、179人の市民から317件の意見が提出されました。大半が改正素案に反対であったため、必要署名数を「200分の1」、収集期間を「60日」とするよう素案を変更。6月議会で改正案を可決しました。主な改正点は、調査請求要件を条例に盛り込んだこと、市長が審査会委員を選任する際に議会同意を必要としたこと、政治倫理基準の整理などです。
●実際にあった、市民の「調査請求」
熊本市政治倫理条例について、私は、「200分の1」(3000人程度)でも実際に調査請求が行われるのは難しいと見ていました。ところが、2000年(署名4914人)、01年(署名3421人)、04年(署名2647人)と請求事例があり、審査会が議員辞任勧告(00年)、反省・政治倫理確立の決意宣誓勧告(01年、04年)を行っています。以後、調査請求はなかったものの、議員の立場から「請求要件を厳しくしたい」と試みた改定を、熊本市民が阻んだようです。

10月11日(金)夜明け前に降った雨が止んでくれて、駅前議会報告は予定どおり実施。

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今日は、蒲島郁夫知事の肝いりで認知症対策の充実に努めている熊本県を訪ねました。県議会の委員会室で説明にあたってくださったのは、健康福祉部長寿社会局の認知症対策・地域ケア推進課に設置された認知症対策班(4人構成)の藤由主幹と工藤参事。なお工藤さんは、堺市の認知症対策の視察に来られたとのこと。