なお、甲状腺検査の話に続いて、原発事故による放射能汚染から、何よりも子どもたちを守る必要があることを議論。松本市長・菅谷昭さんや京大原子炉実験所助教・小出裕章さんの著書を紹介しながら、問題提起しました。併せて、健康診断や給食食材に関する陳情に対する市当局の回答にも注文を付けておきました。
12月13日(金)今朝の気温は3℃。午後は9℃になりましたが、冷たい雨も降りました。
●妊産婦や子どもたちの受動喫煙防止を…
さて、今日の議論のテーマは「受動喫煙」です。実は先日、北区北花田町3丁で産婦人科クリニックを営む医師から、同院で直面している悩み事について相談を受けました。
同院は今年4月、現在地に新築移転して開院。その約5か月後、隣接地に賃貸共同住宅が竣工したそうです。以来、当該共同住宅に入居した人がしばしばベランダで喫煙するため、その副流煙がクリニック側に流れて来て困っているとのこと。既に複数回にわたって現場を目撃し、喫煙中の入居者に直接、「妊婦や子どもが来院するので喫煙は室内にしてほしい」と要請。共同住宅の管理会社に対しても、「たばこの煙を排出しないよう、全戸に注意喚起してほしい」と申し入れたものの、状況改善が見られないということでした。
健康福祉委員会での議論の前に開発調整部と協議しましたが、現行法制上での行政介入は困難な模様です。そこで今日は、まず、受動喫煙が及ぼす健康被害、とりわけ妊産婦や子どもたちへの影響についての厚労省の見解を確認。「堺市として、どのような対応をしうるのか」を検討課題にしてほしいと要請したところ、健康推進部が取り組みを約束しました。さらに、出席していた狭間副市長も「担当部局といっしょに対策を考えていきたい」と答えました。
●放射能災害からも守らなければいけない、子どもたちと妊産婦
市長への質問は30分と限られていたので、その後で、福島県が実施する甲状腺検診の市立堺病院での受け入れについて議論しました。前議会で提案したことへの取り組み状況を確認したのですが、福島県立医大との折衝を行った堺病院が専門医の確保などの条件整備を行っているとのこと。少し時間はかかっていますが、実施への取り組みが進んでいます。
そして、先日の講演会で聞いた小出さんのお話の一部を語り、今日の発言を締めくくりました。
健康福祉委員会での市長への質問は、先日の本会議で指摘した所信表明から始めました。「一を以て之を貫く」という論語の言葉の本質は「忠恕」(思いやり・慈しみ)であるとすれば、それはまさに福祉の原点ではないかと主張。また、日本史に記された最古の福祉行政と思われる聖徳太子の「悲田院」、律令時代の天皇が行った「賑給」(しんごう)・「賑恤」(しんじゅつ)は、伝来した仏教の教え「慈悲」に基づくことも確認しました。
その上で、竹山市長が2期目出発にあたっての所信表明を福祉の原点となる言葉で締めくくったことの自覚を関係職員に促しました。