6月24日(水)今日は終日晴れて暑くなりました。最高気温29.7℃。「真夏日」寸前です。
今期定例会の最終本会議です。今日のメインテーマは、自民党提案の議員提出議案「大阪戦略調整会議の設置に関する条例」で、その採決の模様を撮影しようと、傍聴席には各社のテレビカメラが並びました。
■「大阪戦略調整会議」設置に反対討論
私は、この議案が提案された6月11日の議案質疑に続き、今日も、条例案についての数々の問題点を指摘する討論(意見表明)を行いました。
●「代理出席が可能」というでたらめ答弁
条例案は、総務財政委員会に付託して審議されましたが、開催日が重なっている健康福祉委員会が早く終わったので質疑の一部と討論を傍聴することができました。
その際、写真のパネルに示したやりとりを聞き、強い違和感を覚えました。ソレイユ堺の山口議員が、「何もできない」とこの会議を突き放している橋下大阪市長が「会議に出席するのか」と質問。提案者・自民党の野村議員は「副市長の代理も可能と考えている」と答弁しました。関西広域連合の委員(知事や市長)が欠席する場合、代理人の出席を可とする規定があるからでしょうか。
しかし、関西広域連合の委員会は「合議機関」です。これに対して、大阪戦略調整会議のメンバーには議決権があり、出席者数が会議の成立要件にもなっています。そのような機関を構成する委員の代理出席は通常ありえません。現に、都構想実現のために設置された「大阪府・大阪市特別区設置協議会」も、法定協議会ができる前の任意協議会も、いずれも委員の代理出席を認めませんでした。そんな事情さえ認識していない、でたらめな答弁が行われたのです。
●自民党提案条例案の数々の問題点
11日の議案質疑では、条例案は地方自治法に基づく「属地主義」の原則を踏み外していることや、存在しない二重行政の解消を目的としている矛盾を指摘しました。今日は新たに、府や大阪市との協議主体が明示されず、実現の一助をめざすと規定している「関西州」の定義もなく、府内市町村への押しつけ規定があるなどの問題点を追加しました。これらは、いつも堺市の諸条例を厳しく点検している市民の方の指摘によるものです。
●橋下氏がいう「自民党へのお付き合い」は、各党・各会派も同じでは?
大阪市議会が同じ条例を可決した日、橋下大阪市長「維新は自民党にお付き合いした」と語りました。堺市議会の総務財政委員会では、共産党が反対を表明。その他の会派は、維新が「実効性、実現可能性に疑念がある」と主張。ソレイユ堺は4つの条件を示して、それが叶うなら賛成と述べました。また、公明は「大阪の諸課題解決に向けた議論が期待できる」と言いましたが、3会派が賛成に至った理由は、やはり「自民党へのお付き合い」と思えてなりません。
●この条例は、自民党にとって「鬼子」にならないか…
議案質疑でも指摘しましたが、11月には府知事・大阪市長のダブル選挙があります。また、橋下氏は冷ややかに突き放しています。条例が成立しても、この会議が機能するには相当の困難がありそうです。そして、来年4月には、地方自治法改正による「指定都市都道府県調整会議」が設置されます。もしかしたら、二重行政をなくすための「二重行政」にならないでしょうか。この条例の難点が、政界引退を表明した橋下氏にとって復活のための格好の口実となり、まさに自民党にとっては「鬼子」にならないか危惧すると述べ、「反対討論」を結びました。