●消防救急デジタル無線整備めぐる談合事件
最初に議論したのは、今年2月2日に公正取引委員会が発表した談合事件です。アナログ無線の使用期限が昨年5月末まで切れるため、全国の消防組織が期限までに使用無線をデジタル化することを迫られていました。公取委の発表では、このことに目を付けた5つの業者が、納入先や納入価格について談合していたのだそうです。
日経新聞の記事によると、談合5社のうち違反を自己申告した1社を除く4社に支払命令があった課徴金の合計は63億円余りで、その8割近い48億円が富士通ゼネラルに課せられています。
堺市消防局では、2012年に競争入札を3回行って納入業者を決めているのですが、3回とも落札したのは「富士通」で、競争相手は「富士通ゼネラル」でした。なお、公取委は「富士通ゼネラルが富士通から委託を受けて製造した」と指摘しています。
ところが、談合したとして課徴金の納付命令が下ったのは富士通ゼネラルです。他方、堺市の契約先は富士通であるため、不正行為による損害賠償請求をすることが困難だと市当局は主張します。
しかし、関連会社同士が入札で競合するという不透明な構図の裏に仕組みがあるのではないかという疑惑が浮かびます。両社による競合で富士通が落札したというケースは、大阪市、高槻市、枚方・寝屋川消防組合、札幌市にもみられるようです。
●「カラクリの解明」を市長に求める
そこで、この問題の質疑の最後に、「関連自治体などと情報を共有しながら、不透明なカラクリを徹底的に解明すべきではないか」と竹山市長に質したところ、市長は次のように答えました。
「もとより、市民及び国民の税金を不当に詐取する独禁法違反事件は許すことができない問題だと思う。現在、総務省、消防庁においても調査を行っているところだ。また、公正取引委員会の命令に対して取り消しを求める訴訟も行われている。そういったことを踏まえて、しっかりとその行方を見極めるとともに、私ども自身も調査してまいりたい」
※大綱質疑の2つ目のテーマである「西高野街道」をめぐる議論は、明日の日記で報告します。
大綱質疑の3日目は、議案の修正手続きのための議会運営委員会が開会されたこともあって、10時15分開会となりました。また、午前中のソレイユ堺、午後いちばんの自民党議員の質疑が通告時間よりも短かったため、私の登壇は3時30分と早まりました。