大綱質疑の2日目。トップバッターの共産党議員の発言が通告時間を25分オーバーしたため、私の出番は11時35分になりました。通常だと12時に昼食休憩となるのですが、持ち時間をいっぱい使って私が質疑を終えたのは12時15分。議論が途中で切れないように、議長が配慮してくれたのでしょう。
さて、最初に取り上げたのは「学校管理職によるパワーハラスメント」で、市立堺高校のM准校長が、2人の教員に支給しなければならない「定時制通信教育手当」を、A先生は9か月、B先生は10か月も止めていたという事件です。
●定時制通信教育手当の不支給は違法行為
定通手当の支給は、「地方自治法第204条第2項」に定められいてます。また、「堺市立学校職員の教諭及び旅費に関する条例」は、「業務に従事した日1日について1500円を、翌月の給料支給日に支給する」と定めています。ところが、M准校長は、准校長に就任した2017年4月に両教員の出退勤記録の決裁を拒否。A先生には翌年2月支給分(合計274,500円)まで、B先生には翌年3月支給分(合計241,500円)までが支給されませんでした。勤務実態があるのに支給しないのは条例違反です。今日の質疑で、市教委も「条例に抵触する」と認めました。
●厚労省の「パワーハラスメント」定義
6月8日の日記に記したように、厚労省は「職務上の地位や人間関係など職場の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」を「職場のパワーハラスメント」と定義しています。両教員の定通手当の支給を止めたM准校長の違法行為が該当することは、歴然としています。ところが、市教委は私が質問通告した6月5日以降に示した「答弁予定原稿」では「明確なパワハラ行為があったとは言いがたい」として、パワーハラスメントの認識がなかったのです。しかし、この点についても、今日は「本事案はパワーハラスメントと言わざるをえない」と見解を改めました。
●妥当ではない…准校長への「職務上の措置」(文書訓告)
両先生は不支給に気づいてすぐ、准校長や市教委に「違法ではないか」かと伝えましたが、無視し続けられて私に相談。私が調査要請してからやっと動き出した市教委は、6月1日に准校長を「文書訓告」としたのです。しかし、市教委が定めている「懲戒処分の基準」(規則)によれば、パワーハラスメントを繰り返した場合は「減給又は戒告」です。M准校長は、A先生に9か月(9回)、B先生に10か月(10回)、合わせて19回もハラスメントを繰り返しています。懲戒処分に当たらない「文書訓告」は妥当ではなく、改めて懲戒処分を科すべきだと主張しました。
●教育長が謝罪
そもそも、M准校長の行為は市教委も当初から知っていました。にもかかわらず、10か月も是正させなかったのです。いわば、市教委もパワーハラスメントの共犯です。最後に見解を求めた教育長は、「教育行政への信頼を損ないかねないもの。お詫びする」と答えました。また、准校長への処分の再考については、「専門家の意見も聞いて対処する」と答弁しました。
なお、准校長が決裁拒否の理由とした両教員の「職員証」をめぐる議論と、アスベスト除去工事に関する質疑については、明日の日記で報告します。