《2020.2.1~2》
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※1月31日以前の日記は、前ページに掲載

月1日(土)今日の東京は13℃。昼間は暖かかったのですが、日が暮れると風と寒さが。

朝一番、毎年お招きを受けている私立幼稚園の生活発表会へ。今年は、開会時のご挨拶を終えてすぐ新大阪駅に向かい、石綿問題総合研究会が開催されている東京工業大学へ急ぎました。会場に到着したら、第3セッションの最後、祖父江友孝さん(大阪大学大学院医学系研究科環境医学)の発表「尼崎の疫学研究」が終わり、質問が続いているさなかでした。
続いて始まった第4セッション「除去工事監視、完了検査最前線」は、北部地域整備事務所の煙突解体から始まった堺市での不祥事に関連するもので、間に合ってほっとしました。このセッションでの報告は次のとおりです。①煙突における完了検査の提案=木村実牙男さん(一般社団法人環境浄化技術協会)、②完了検査(取り残し問題)=冨田知晴さん(アスカ技研㈱)、③アスベスト除去工事における第三者監視の最前線=三木俊和さん(㈱アースアプレイザルGF)、④ドイツのアスベスト漏洩をさせない工夫=加藤千春さん(有限会社deconta)、⑤韓国における学校アスベスト対策=井部正之さん(ジャーナリスト)。
次の第5セッション「国内における法改正関係の動向」の発表は、①建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会の中間とりまとめについて=高村亜紀子さん(厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課)、②中央環境審議会大気・騒音振動部会石綿飛散防止小委員会での石綿飛散防止の在り方の検討について=秋山幸俊さん(環境省水・大気環境局大気環境課)。いかにも「お役人さん」らしい発表テーマの長さにも驚きましたが、ドイツや韓国の対策を聴いた後では、日本の遅れが際立ちました。

この研究会の第1日目最後のプログラムは、「ポスターセッション」。堺市民の熊取絹代さんと古川和子さん(アスベスト疾患・患者と家族の会堺対策チーム)も、「石綿運搬に使用した麻袋再生事業による被害」を展示。お二人の説明に、たくさんの研究会参加者が次々と足を止めて聴き入っていました。

月2日(日)東京は今日も13℃。とても冬の気温とは思えません。帰宅した堺は11℃。

石綿問題総合研究会の2日目。午前中の最初のプログラム、第7セッション「廃棄物・土壌・災害」から参加しました。①アスベストをめぐる土壌汚染訴訟の現状=井部正之さん、②台風被害に伴う仮置場におけるアスベスト含有建材の管理と課題=寺園惇さん(国立研究開発国立環境研究所)、③新偏光顕微鏡による石綿含有スクリーニングで広げる廃棄物の適正処理管理=榊原洋子さん(愛知教育大学)。
続く第8セッション「国際的な石綿対策、特に除去工事監視、完了検査」は、①アメリカ・イギリスにおける除去工事の監視と日本の現状=亀元宏宣さん(㈱EFAラボラトリーズ)、②アスベスト除去工事監視を成功させる方法と必要とされる理由=マイケル・C・シャープさん(米国Forensic Analytics社)、③どのようにアスベスト除去工事監視を成功させるか?=ステファン・ペッパーさん(英国RPS社)。米英のアスベスト対策事情について、それぞれの国の専門家の発表は大変興味深いものでした。とりわけ、ステファン・ペッパーさんが話の締めくくりで述べた、「石綿除去工事への適切な監視システムがなければ、取り残しが発生し、発注者は追加経費を支払わなければならない」の言葉は、堺市の北部地域整備事務所の例に当てはまります。いったいいくらの追加経費が発生したのか、改めて調べてみなければいけません。

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