《2022.3.26
(2615)

※3月25日以前の日記は、前ページに掲載

●本当に有効・必要な予算支出か? 各党から疑問視する指摘が続出
「アスマイル」をめぐっては、自民党や堺創志会の議員からも様々な疑問点が指摘されました。市長の再議請求に対する質疑で自民党の信貴議員が示した資料によると、60歳以上の堺市民(約27万6千人)のうち当該事業に登録している人は僅か「1.75%」です。しかもそのうち、堺市内で催された4つの関連イベントへの参加者は「8.87%」。信貴議員は、この数字から高齢者の利用が飛躍的に拡大すると思えず、有効な予算支出ではないと指摘しました。
予算修正が否決されため、来年度予算の原案に対する再度の審議が必要になりました。その討論に立った私は、壇上で自分のスマホを掲げて発言。2つ折ケイタイへのサービス停止でやむなく切り替えたが、電話やメール以外の利用は、せいぜいラインです。「健康管理のためにスマホを利用する高齢者が、果たしてどれほどいるだろうか」と、自身の恥をさらして語りました。
いずれにせよ、多くの議員が納得できずに修正した予算を、「再議権」まで行使して復活させなければならない緊急性や必要性があるのでしょうか。予算額は738万円余り。そのうち、システム利用料と事業運営費が386万円ですから、もしかしたら事業主の大阪府との関係で参加約束ができていて、強権発動してでも義理を立てる必要があったのかと勘ぐりたくなります。
●民主主義政治の基本を説く、ハンス・ケルゼン
そこで、改めて紹介したのがハンス・ケルゼンの言葉。「対立する集団の利害を調整して妥協させることができなければ、民主制は存立しえない。このような妥協のない民主制は、その反対のものに、つまり、独裁制に転化する恐れがある」。
これほど、議会各会派から疑問視の声が出ているなら、そのことに対する丁寧な説明と調整を行った上で再検討する余裕を市長は持つべきです。来年に市長選を控え、やっぱり焦りの色を隠せないのでしょうか。ともあれ、再度の予算修正も可能ですが、さらに再議請求があれば審議は無限ループを描きます。このため、公明、自民、創志会はいったん予算案を認め、執行への要望決議を提出して可決。ただ、私は筋を貫いて予算案に反対しました。
なお、最終本会議の討論では、維新提案の「議員報酬減額」議案、「お出かけ応援制度」、阿坂墓地関連議案についても言及しており、報告は明日の日記に続きます。
また、今日大阪府が発表した新型コロナウイルス新規感染者は3645人で、亡くなられた方15人。堺市の新規感染者は262人(前週土曜の93%)で、亡くなられた方は2人(80代1人、90代1人)でした。

3月26日(土)朝から雨に。しかし冷たくはなく、まさに「春雨」です。13.0℃~19.5℃。

朝、カバンメーカー恒例のファミリーセールへ。毎年お誘いいただく会長ご夫妻にお目にかかることができました。何年も前、高校の先輩でもある堺市職員が同社に転職。そのためか、市役所関係者にもしばしば出会います。今日は、阿坂墓地の課題処理に尽力したOB職員Aさんと再会。議決結果などを伝えてお礼を言いました。コロナ対策のためかセールは昨年よりも開場が早く、10時からフェニーチェ堺で開かれた「市民1000人委員会」の事務局会議に遅れず参加することができました。
さて、昨日も報告した最終本会議の議論。永藤市長が再議を求めたのは、「アスマイル」と称するスマホを活用した府の健康サポート事業に高齢堺市民の参加を促す予算で、公明党の修正案可決によって削除されました。「再議」は議会議決に対する市長の拒否権で、予算議案の再議請求があった場合、再議決するには3分の2の賛成が必要となります。このため、再度の採決で公明修正案が否決される結果になりました。

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