2004年12月24日

堺市長 木原敬介殿

                                     堺市議会議員 長谷川俊英

                  議員報酬の一部受領辞退について

 私は、堺市議会議員その他の報酬等に関する条例第2条及び第8条の規定により支給される報酬及び期末手当について、次のとおりその一部の受け取りを辞退します。

1.受け取り辞退額
 条例規定によって支給された場合の税引き手取額と、条例規定額から5%相当額を減じた場合の税引き手取額との差額。なお、辞退期間は、平成16年第6回市議会に上程された議員提出議案第47号のおける削減期間とする。

2.受け取り辞退の理由等
(1)堺市議会は、本年12月議会において、議員報酬の5%カット、同月額20万円カット、議員定数2人削減に関する議員提出議案をいずれも否決しました。このことは、議会改革や市の財政危機への対応について議会と議員が果たすべき役割に対する市民の期待を裏切るものです。
(2)上記3議案に対する各会派の対応をみると、@報酬月額20万円削減を主張しながら5%削減案に反対、A「議員の処遇はトータルで考えるべきだ」と言いながら2年余り先に実効性を生じる定数削減を唐突に提案、B月額20万円削減と定数削減の両方に賛成しながら自分たちが賛成すれば可決となる5%削減案には反対するなど、特異な方便を用いてすべての提案を成立させないという意図が汲み取れます。
(3)このような結果は市民の皆さんの議会への不信感を増大させることになり、地方分権の時代において議会の機能が問われるなか、きわめて憂慮すべき事態だと考えます。
(4)私自身は、@政令指定都市13市中の6市が議員報酬の削減を実施しており、その大半の削減率が5%を標準としていること、A堺市特別職や一般職員の給与削減が3年前から実施されており、期末勤勉手当基礎額の算定において同一基準となる局長級の削減率が5%であることに鑑み、とりあえずはこの削減率を用いての削減を実行することが妥当であると判断し、5%削減案に賛成しました。
(5)報酬削減は、議員自らがその決意によって条例を改正し、実行するものでありますから、「5%削減の実施」に賛成した決意の証として、当該議案に基づいて報酬額の一部の受け取りを辞退することにいたしました。
(6)私はかつて、議員報酬の任期中のお手盛りアップに反対して報酬の一部の請求権を放棄し、または受領拒否を行いました。さらに、出席費用弁償の廃止を主張するに当たってはその受領を拒否いたしました。このような対処方法は、「民、信なくんば立たず」(論語)という政治信条に基づくものであり、市民の信頼を保ちうる市政を実現するために必要な行動であると確信しています。
                                                     以 上
通知提出の原因=「3すくみ否決された報酬等カット案