《2004.2.4〜6》
(137)
※2月3日以前の日記は、前ページに掲載
2月4日(水) 立春。寒さの和らぎは多少感じるものの、強く厳しい風が吹きました。
「アクション日記」月別インデックスへ
美原町民7000人が求めた住民投票条例を葬ってしまえば、「後はわが世!」とでも思っているのでしょうか。美原町議会は、昨日の全員協議会で、「議員18人全員を、合併後は堺市議とし、来年9月までの任期を2007年4月まで延長する」という方針を決めたそうです。現在40万円の「月給」は78万円に、「ボーナス」も堺市の制度で支給、その上、1人月額30万円の政務調査費、1日1万円の「出席日当」、海外視察、国内視察、退職後の年金など、すべての待遇を「同等にせよ」との要求を突きつけてきました。これでは、住民投票を求める住民たちを非難して、「合併と同時に議員は失職するんだ」と大見得を切った合併協議会での発言は、「やっぱり虚言だった」と断ぜざるをえません。(発言内容=「第5回合併協議会会議録」(PDF)38ページ)
言葉どおり「失職」の道を選べば、選挙で与えられた4年の任期は半年ほど短くなりますが、これが「編入合併」の原則です。ところが、「合併の是非は住民投票で…」という住民の願いを踏みにじった上、お手盛りで議員任期を1年7か月も延長。その上、堺市民に総額7億円の税金を負担させ、1人4000万円近い収入を得ようという美原町議たちの要求を、堺市民は受け入れるべきでしょうか。まず、堺市議会の各会派の意見を探る会議が、6日午後、開催されることになりました。財政危機の回避を大きな理由とする合併であればこそ、その推進を主張する議員や特別職は、もっとも「清貧」な立場にあるべきだと、私には思えるのですが…。
2月5日(木) 朝から強い季節風。それに寒さが戻って雪も舞いました。
昨日の日記に書いた「美原町議のお手盛り任期延長・処遇アップ」について、各方面から意見が寄せられています。堺市民だけではなく、美原町住民からの怒りの声も届きました。「自分らがそれほどいい目をする合併が知れわたったら、きっと反対される…町長や議員たちが住民投票を拒んだ理由は、やっぱりそうだったのか!」……。各地の市町村が合併を進める理由の第一は、そのほとんどが財政運営の効率化です。だからこそ、合併特例の恩恵を受けることを求めず、合併実現への筋を通して「失職」の道を選ぶという議会も増えてきました。「合併しなければ町財政が破綻する」と言わんばかりの宣伝を繰り返してきた美原町での今回の決定は、あらためて「合併の是非」を問う議論に発展する可能性も秘めています。仮に編入合併の原則に従って全町議が失職した場合、現在の堺市人口と議員定数の比率に基づいて、美原町区域から2名程度の市議を増員する選挙を実施するという方法もあるのです。
2月6(金) 寒波は今日も居座って、日本列島を覆っています。
美原町議たちの「市議処遇要求」をどうするか? 堺市議会では、各会派の意向を確かめるための会合が開かれました。私はまず、「議会意思の確認をするなら議員総会か議運に諮り、市民に見える形で議論すべきだ」と主張しましたが、どうやらきちんとした議論が苦手らしい議長はこれに応じません。結局、「とにかく各会派の見解を聞かせてほしい」という議長の要請で、私と田中丈悦議員、それに共産党を除く全会派が「美原町議たちの意向受け入れ」を表明。まるで、初めから予定どおりの「儀式」を終えたかのように、議長らはいそいそと美原町への「報告」に出かけました。
もっとも、今日の会議では、議員報酬の「40万円→78万円引き上げ」については、さすがの堺市議たちにも抵抗感が強い様子が読みとれました。いったいいくらで話を着けるのか、合併実現の日まで駆け引きが続くのでしょう。こんなにドロドロした議員たちの処遇問題を抱える「合併」を、市民の皆さんはどのように思われるでしょうか。私は、「もし仮に、18人の美原町議を受け入れることになれば、議会経費の増高を招かないよう、現行報酬や政務調査費交付基準の切り下げを図るべきだ」と釘を刺しておきました。