事務所スタッフの発案で、白鷺駅前での議会報告に“新兵器”が登場しました。写真のような2つ折看板を作って路上に置いたところ、歩行速度を緩めたり立ち止まって注目して見て下る方が多かったそうです。お陰で、「議員活動報告」に手を差し出される方も増えたようです。エレベーター設置は、この駅を利用される方々にとって最大の関心事で、配布ボランティアは毎回その要望をお聞きしてきました。駅構内の設置工事がすでに始まっており、「やっと…」という期待感をふくらませておられたはずです。そしてきっと、駅と道路を結ぶエレベーターが2年先にならないと使えないなどとは、どなたも思ってはいなかったことでしょう。
ところが堺市は、駅前マンションの開発事業者(オリックス不動産ほか)に
ペデストリアンデッキとエレベーターの設置工事を委ねているため、開発工事の遅れがエレベーター設置を遅らせる結果になりました。今朝の「議員活動報告」には、そんな事情や最終本会議での議論の様子をお伝えする「議会速報版D」を挟み込んで配布。読みながら、「ああ、駅から下りてこらへんのかァ〜」とため息を漏らしておられた方もあったそうです。堺市の責任が問われますが、精一杯、早期設置への取り組みを進めるよう求めています。
駅前議会報告を終えてから、天候不良でのびのびになっていた中学校の体育大会を見学。午後は、美原市税事務所や美原区役所保険年金課の職員から、住民訴訟の対象となっている不納欠損事件についての説明を聞きました。
●旧美原町で町税滞納1億1400万円と国保料未収4400万円が時効に…
合併前の美原町で、2003年度に1億5千万円を超える
不納欠損処分が行われました。不納欠損の理由となった「時効成立」を生んだ怠慢行政の責任を問う声が起こり、町長や総務部長(歴代4人)、保健福祉部長に「損害賠償を求めよ」という裁判が始まったのです。時効となった滞納の中には1千万円を超えるものが何件もあり、また当時の税務課長らが滞納者としばしばカラオケに興じていたなどというニュースが報じられたこともありました。
●市側は「住民が訴えを起こすことができる期間が過ぎている」と主張
合併後、裁判を引き継いで被告となった堺市は、原告らが住民監査請求をすることができる期間を過ぎてから訴えた分は無効だと主張。一審の大阪地裁はその入口論の主張を認めました。原告の1人だった元町議(在任特例で堺市議となり、その後落選)が請求期限前に事実を知っており、住民3人も元町議から聞いていたはずだというのが理由です。
●大阪高裁は、住民3人の控訴主張を認め、元町議の訴えを斥ける
これに対して原告らは、地裁判断は誤っているとして大阪高裁に控訴。高裁での審理が続いていましたが、9月30日に判決が出ました。高裁は、住民3人の訴えを認めて地裁判決を取り消し、審理を大阪地裁に差し戻すと決定。他方、元町議の控訴は認められませんでした。
●お粗末だった旧美原町の「時効管理」…旧幹部の責任が問われます
敗訴した堺市や元町議が上告する可能性もありますが、原告住民は、10月13日(月)午後1時30分から美原中央公民館3階講座室で「裁判報告会」を開き、地裁での本論審理に臨もうとしています。いずれにせよこの事件が当時の美原町の税務行政などのいい加減さに起因することは否めず、元町長らの責任が問われるところです。