「大掃除日和」というのでしょうか。洗車した勢いで、事務所表側の窓や壁、それに玄関まわりなどを洗いました。ドアに正月飾りを取り付け、妻の買い物にも付き合うなど、人並みの大晦日です。ショッピングセンターの駐車場では財布を拾い、サービスカウンターに届けて戻ると、「お久しぶりです」との声がかかりました。声の主は、かつて議会事務局の職員だったTさん。そして、奇しくも財布はTさんのものでした。
また今日は、いつも何かと気遣ってくださるHさんが、手打ちのそばを持って突然やって来ました。何事にもこだわる人で、「今年はできが悪い」と謙遜されるのですが、なかなかの出来映え。市議選準備中の東日本大震災と福島第一原発事故、選挙後の前立腺がん治療など、自他共に激動に見舞われた「古稀」の年を越すべく、じっくりと味わせていただきました。
今日は、日頃お世話になっている市外の方々を訪ね、お礼のご挨拶をさせていただきました。また夜は、年末夜警の本部にお邪魔して、寒い中、「火の用心」を唱えて巡回してこられた皆さんと懇談。だんだん、年の瀬気分になってきました。
議員活動報告の地域配布を担っていただいている方々などに、年に一度の挨拶まわり。皆さんが私の体調を気遣ってくださっていて、恐縮しました。
事務所で、毎年恒例の「ご苦労さん会」を開催。4月の選挙でも炊き出しでお世話になったHさんが、昨日午後と今日も半日かけて準備してくださったごちそうが並びました。会の後半では、11月議会のビデオを写してみんなでワイワイ。選挙以後の活動やこれからの政治情勢についても意見を交わしました。なお、参加者のMさんがサックスを演奏されると聞き、2月5日の新春市政報告会の折にぜひご披露いただきたいとお願いしました。
ところで、昨日の日記に市の担当者の動きが「緩慢」と書いたせいでしょうか、午前中に2つの部課から電話があって、「これから説明に行きたい」とのこと。「お互いに忙しいから、年明けにしましょう」と断ったのですが、「それでも…」とやってきた職員もいました。
昨年9月以来取り組んでいる市政課題について、担当者の動きが実に緩慢です。問題のありかをお互いに認識できるよう、業務遂行の経緯を正確に検証することを求めているのですが、どうもそのような作業が苦手なようです。自らの業務総括ができないのは役人の特性なのかとさえ思えてきます。朝から3人の幹部職員が説明に来ましたが、とても納得できるものではありません。自己点検ができないならやむを得ません。昨夜のうちにまとめていた、82の点検項目を文書にして手渡しました。回答期限は1月13日です。
入れ替わるようにボランティアの方々が来てくださって、年明けに予定していた作業にも着手。昨日のうちにすべての作業が完了していた年末の発送物は、配送業者に引き継ぎました。
ボランティアの皆さんの手で、事務所の作業は今日も快調です。見通しがついたので、午後から登庁。久しぶりに「倫理調査会」を傍聴しました。
●間もなく“29歳”の「倫理条例」はいま・・・
1983年2月、議員の汚職事件に怒った市民の直接請求で、堺市議会は全国初の「倫理条例」を制定しました。この条例に基づいて、議員と市長が提出する資産報告書等の審査にあたるのが倫理調査会です。構成は、市民7人と議員6人。市民参加によって政治倫理を確立するという強い思いで、当時の市民の皆さんが考えついた仕組みです。
●公募で選ばれた7人の市民委員は・・・
市民の誰でもが委員になれる…という理想論に基づいて、応募者からの抽選で委員が委嘱されます。今日の調査会では、2人の委員が熱心に発言していました。しかし、他の市民委員からは一言の発言もありません。すべての委員がきちんと報告書に目を通し、市民としての素朴な疑問を感じることはなかったのか、いささか不安を覚えました。
●傍聴席には、審議資料の備えもなし
それでも2人の委員の指摘を確かめたいと思い、会場に資産報告書のファイルがないか探してみました。しかし、傍聴席にその備えはありません。そういえば、事務局が読み上げている説明資料も、委員に配られているのに傍聴者は「耳で聞く」だけです。堺市では、2年前に「審議会等の会議の公開に関する基準」を定め、傍聴者にも資料提供することを促しています。最近ではほとんどの審議会で、傍聴者が審議状況を理解するための配慮がされているのです。
●「あっ!」と驚いた、倫理調査会「議会委員」の自覚と認識
倫理調査会が資料提供しない理由を事務局(行政部総務課)に確認すると、第1回の調査会に諮ったところ、「その必要はない」と決定された…との説明です。そこで、議事録を読んでみました。初めは、今日も発言した2人の市民委員が「提供すべきだ」と主張しています。しかし、その主張を3人の議会委員がつぶし、結局「提供しない」と決めた議論の過程が鮮明です。
▼吉川守委員(ソレイユ堺)=市政情報コーナーで公開されている。選ばれた議員や市民委員が審議を十分する。それ以外に疑問があれば、いろんな方法でとれる。だから、「式次第」程度のもの以外の配布は不要だ。
▼乾恵美子委員(共産党)=審査委員が審査しているのだから、傍聴者には(資料提供は)必要ない。傍聴者には守秘義務がないから、一人歩きする。公開されていても、まだこの中(倫理調査会)で議論されていない。これからするのだ。「公開しているからいいじゃないか」というものでも、みんな知り得ているものでもない。
▼池田克史委員(大阪維新の会)=傍聴者の人数は分からず、皆さんに配る筋でもない。たまたま今日は1人で1部だが、1部で済むかどうかということもあるので、そこ(資料配付)までしなくていい。市民の代表、抽せんで選ばれた方が主で議論するのがこの調査会ではないか。
30年前、市民が議会にプレゼントした政治腐敗防止の「理想論」は、「市民目線」が叫ばれる時代になっても、まだまだ議員たちの自覚や認識を変えるに至っていないようです。
今日から、年末発送の第2次作業。朝からたくさんのボランティアの方々が来てくださいました。また、皆さんから「大事な仕事はないの?」と気遣われながら、私も一日中、仲間に加えてもらいました。お陰で、予定を超えるスピードで作業は進んでいます。ありがたいことです。
議員活動を始めたころ、家族だけで、除夜の鐘を聞きながら、まだ作業を続けていたことを思い出します。宛名書き、封入、のり付けなど、すべての面で合理化が進んだとはいえ、「議員活動報告」の読者が多くなり、発送量は何倍にもなっているはずです。
なお今日は、懐かしい来訪者もありました。私が市議活動を休止中の1994年、「若者を市議会に送りたい」と言ってやってきたTetsuちゃんです。私を運動に巻き込んで成功させた彼も、今や40歳代半ば。その運動が縁で結ばれた(?)Toshiちゃんと、可愛い娘さん2人も一緒でした。
昨日の日記を読んだ方から、「公明党が長谷川案に反対した理由を知りたい」との問い合わせがありました。発言の詳細は把握していませんが、議会力向上会議の記録(抄)によると、公明党堺市議団の意見として、「議会基本条例の趣旨、『議会と市長との関係』等の規定との関係からも、(長谷川案よりも)正副座長案がよい」と記されています。
これだけではよく分からないので推察すると、「議会の基本条例だから、議会が主役」、また、「議会」の語を先行させるさ方が、後に続く「議会と市長その他執行機関との関係」という記述に整合する…という主張でしょうか。しかし、私の気持ちは、「市民の負託を受けて議会は活動する」という原点に立ち返って議会基本条例を定めるなら、やはり「市民が主人公」としたいのです。
また、「市長」との関係では、「議会は市長の行政執行のチェック役」という視点から、「議会」を先に置くのが自然でしょう。でも、市民との関係は違います。ちなみに、この正副座長案の「目的」は、「市民に身近で開かれて議会を創造し、もって市民福祉の向上及び市政の発展に寄与する」と結ばれています。規定の効力に変わりがないとしても、こだわりたい一点です。
ところで今日は、このところ調査にかかっている某幼稚園の設置母体を訪問。関係者のお話を伺って、事件の概要がほぼ理解できました。
堺市議会でも、このところ「議会改革」への取り組みが進んでいます。すでに、インターネット中継、本会議場へのスクリーン設置などを実現。今議会からは、議場へのパソコン持ち込みも試行しています。また、各会派がメンバーを送る「議会力向上会議」が開かれ、「議会基本条例」制定に向けての議論も始まりました。市民の皆さんが期待する改革となるか、ぜひご注目いただきたいところです。
●「市民と議会」か「議会と市民」か・・・
その基本条例の「前文」と「第1条」について、正副座長の案が示されました。第1条(目的)案に「議会と市民との関係、議会と市長その他執行機関との関係及びその他の議会に関する基本的事項を定めることにより、市民に身近で開かれた議会を創造し…」という下りがあります。
私が気なったのは、「議会と市民との関係」の部分で、ここは「市民と議会との関係」とすべきだという意見書を提出しました。その理由は、地方自治の主人公は「市民」だからです。実際、正副座長が示している「前文案」にも、「本市議会は、市民から負託された期待に応えるため…」と記されています。「市民」の語を先に置くことが条例制定の意図に合致し、基本条例の制定にあたって議員が立脚すべき重要な観点だと、私はこだわっているのです。
しかし、私はこの向上会議のメンバーに入ってません。選出母体(無所属議員から1人)の関係上、別の無所属議員にその任を担ってもらっているので、どのような議論が行われたか承知していません。ただ、配布された会議記録によると、公明党が「長谷川意見に反対」と表明し、他の会派や無所属議員も「正副座長案でOK」とした模様です。
子ども青少年育成部の職員が新聞記事を携え、「朗報です」と控室を訪ねてきました。記事は、不育症の治療に使われる「ヘパリン」の自己注射にも、国が保険適用を承認したことを報じています。これまでは保険が適用されず、高額な治療費を強いられている市民への助成制度の実現を、私は堺市に要求してきました。市長からも検討を求められた担当職員にとっては、「これで助成金の実現作業を免れた」と思い込める“朗報”だったのかもしれません。
▼「血栓症」の判定や別薬剤の使用をめぐる課題・・・
しかし、ヘパリンは「血栓症」の治療薬として保険適用になるようですが、不育症患者の中には血液検査で異常がないのに、医師が胎盤を見て血流障害の診断を下している例もあります。また、ヘパリンよりも副作用が少ないといわれる「オルガラン」によって治療を受けている患者もいるのです。ヘパリンの保険適用を理由に「助成制度不要」とするのは早計で、もっと患者の実態を知ることが必要でしょう。
●「がん対策推進条例」の内容検討に向けても調査
健康福祉委員会で議論を進めようとしている「がん対策推進条例」の規定内容を考える際の認識を深めるため、午後、市立堺病院の池田恢医師(元国立がんセンター放射線治療部長)を訪問。今日は、外科部長の今村博司医師も同席してくださって、がん医療の現状などについていろいろ教えていただきました。「検診率」についての考え方、「緩和ケア」をめぐる諸課題、「集学的医療」という言葉、「外科医」というより「腫瘍医」といわれる所以などなど。これまでの不勉強を恥じながら素朴な質問を繰り返し、大切な情報の咀嚼と吸収に努めました。
なお、今村部長の話では、医学部6年生の臨床実習生を受け入れているが、今年度これまでの実習生10人中、「がん治療」に興味を示している人は一人もいないのだそうです。「2人に1人ががんで死亡している実情から言えば、がん専門医の養成も急務」とおっしゃっていました。
●市教委・北地域整備事務所などとも協議
なお、午前中に市教委学校教育部や総務部教職員課と協議。また、夕刻には北部地域整備事務所に足を運んで調査状況の報告を受けました。このほか、昨日の日記にも書いた幼稚園問題では、先に取り組んでいる他会派の議員と情報交換。事態打開の方途についても、意見を交わしました。さらに、今日も事務所にご相談があった件について北区役所の生活援護課に連絡。師走の三連休前日は、さすがに大忙しでした。