昨日、維新議員が「堺市の市債残高が増えている」と、的外れの攻撃したことを書きました。彼らは、橋下元市長が大阪市で市債を減らしたと宣伝しているのです。
ところが、人口一人当たりで比べると、大阪市の市債残高は堺市の2倍以上。このグラフも、野村友昭議員(自民党)が大綱質疑で示したもの。同議員は、他にもいくつかの図表を使って、堺市の財政状況が大阪市に比べて健全であることを、実に説得的に論述しました。
●「臨財債が増え続ける原因と、問題点は?」…掲示板に投稿
ところで、昨日の日記を読んで下さった美原区の方から、ホームページの掲示板に書き込みがありました。「臨財債が増え続けている原因と、増え続けた場合の問題点まで議論してもらわないと意味がありません!」。なるほど、おっしゃるとおりです。
現に、井関議員(維新)の質問に対して、堺市財政局長は「臨財債も借金だから、その動向には十分に留意して、慎重な財政運営に努める」と答えています。
また、野村議員の質問に対しては、「臨財債は、あくまで臨時的な措置であり、本来、地方交付税として交付すべきもの。そのため、堺市は国に対し、地方の歳出努力によってもなお生じる財源不足の解消は、地方交付税の法定率の引上げによって対応すべきであり、臨時財政対策債は速やかに廃止する旨を、平成26年から毎年要望している。また、指定都市市長会としても、平成22年から毎年要望している」と答えました。
●あくまで、「臨時的措置」だったのに…
そもそも、臨時財政対策債制度は、平成13年度に3年間の臨時的な措置として導入されたものです。ところが、6度にわったって延長され、国全体の臨財債も増加。その残高は、平成28年度末で約52兆円と見込まれているそうです。
増え続けている現実は、国の財源不足がどんどん続いていることの証明ですから、将来において「本当に国が払えるのか?」との不安は拭いきれません。財政局長の答弁は、そんな事情を踏まえたものだとも推察できます。
●橋下徹氏も「地方交付税制度の重大欠陥」だと…
ちなみに、大阪維新の会の顔でもあった橋下徹氏は、大阪市長に在任中の2014年12月31日、次のようなツイッターを発信しています。
「また大阪府の府債が増えているのは、臨時財政対策債というある意味国から押し付けられた借金分。この分を除けば、大阪府の府債は毎年確実に減っています。臨時財政対策債を加えれば、多くの道府県で道府県債は増えている。大阪市も昨年は増えた。これは臨時財政対策債、地方交付税制度の重大欠陥」
この発言からすれば、大阪維新の会の皆さんこそ、「重大欠陥」解消のために、所属する地方議員、国会議員が総力を挙げて取り組んでほしいものです。
▼人口1人当たりの市債残高(画像をクリックすると拡大します)
ことのところ起床が遅く、しばらく遠ざかっていた大泉緑地を歩くと、花々がその姿を競い始めていました。
午前10時から最終本会議。市長提案の議案はすべて可決しました。ただ、来年度一般会計予算について、大阪維新の会市議団は「反対」です。賛成・反対は自由ですが、同市議団が今議会で展開した珍妙な議論には首を傾げざるを得ません。
●「堺市の借金は増え続けている」=井関議員
大阪維新の会代表として大綱質疑のトップに立った井関貴史議員は、「堺市は33年連続黒字というが、市の借金も収入として計算したもの。堺市の借金は毎年増加している」と竹山市政を批判。「市長のリーダーシップがない」とこき下ろしました。
これに対して竹山市長は、「地方債残高に臨時財政対策債(臨財債)を含めて考えるのは根本的な誤りだ」と反論。同じ日、4番目に質疑した自民党の野村友昭議員も、井関議員が使った下の左図に対応する右図を示して、市債残高の内容を語りました。
確かに、市債総額は増えています。しかし、増加しているのは市長が言った「臨財債」(赤)で、それ以外の市債(青)は、横ばいか減少傾向にあります。「臨財債」とは、本来は地方交付税として国が自治体に交付すべき税金が不足しているため、「必ず後で払う」と約束しているものです。だから、堺市が返さなければならない責任を負う借金とは性格が異なるのです。野村議員は、維新の会の馬場代議士(元堺市議)が、衆議院予算委員会で「確実に償還できるよう財源保障をしている」との大臣答弁を得ていることも指摘しました。
●「借金が増えていないのは、市長のまちづくり本気度」=予算委員会で井関議員
維新議員が批判のために作り出した「借金増大」の宣伝文句は、破綻しました。すると、今度はこう言い出しました。「将来に対して有益な投資につながる市債発行は、財政悪化につながらない」。「市債残高は臨財債を除く部分は横ばい傾向で、これは次世代を切り開くための必要な投資をすることができず、根本的に竹山市長のまちづくりに対する本気度、予算の投入規模が不足している」。(予算委員会で大阪維新の会を代表して行った、井関議員の討論)
最初は、「借金を増やした」と批判し、その理屈が成り立たないことを指摘されたら、「借金が増えていないのは、竹山市長にやる気がないから。(もっと増やせ!)」…。
大阪維新の会というのは、こんなにもいい加減な政党だということを、彼らは自らの発言の変遷で証明しました。森友学園の小学校設置認可をめぐる疑惑が浮かび上がり、松井知事(日本維新の会代表)が「百条委員会で解明すればいい」と言っているのに、自民党の百条委設置提案に維新府議団が反対。どうやら、自分たちにとって都合が悪くなったら、理屈を変えても平気な人たちの集まりのようです。
彼らは、今秋の市長選挙に対抗馬を立てると明言しています。しかし、こんな人たちに堺市政を担わせたらどうなるのでしょうか。小林議員の他にも続々指摘された政務活動費不正、池田市議や大阪府議のトラブルなど、“政治改革”以前に正してもらいたい事件にも事欠きません。
▼画像をクリックすると拡大します。
午前中は所用で外出。その後、事務所で仕事をして、午後遅く登庁しました。
堺市役所では、北側の市民交流広場を整備中で、その間、市民駐車場を地下に移しました。議員の駐車スペースも少しあって、出入りする車を整理するため、地下に何人もの警備員さんが配備されるようになりました。
地上以上に冷え込み、ときには強い風も吹き込む、厳しい環境です。それに、きっと排気ガスのことも心配しながら仕事をされていることでしょう。いつも申し訳ない気持ちだったのですが、暖かくなった今日は防寒着を脱いだ姿を見て、少しホッとしました。
言うまでもなく、警備の仕事は民間業者に委託しています。委託先は入札で決めるので、委託企業間の価格競争が激化して、働く人たちの労働条件の悪化が見られます。これを防止するために「公契約条例」を定めている自治体もあり、日本弁護士会などが法整備を求めています。
今議会に、共産党市議団が「公契約法の制定を求める意見書」の提案を試み、私も賛成するつもりだったのですが、可決の見込みが得られないので取り下げられました。公正な労働基準を確保することは国や自治体の責務なのに、残念です。
明日は最終本会議です。
堺区榎元町の三叉路。大小路から市役所前を経て歩いて来て、ここで左にとると竹之内街道、右に進むと西高野街道です。両街道とも、大小路を出発してここまでは同じ道。少し手前には、西高野街道の十三里石が建っています。
今日、この場所に道標が復元されました。元の道標(写真右)は「明治三十八年四月」に「大阪府」が設置。車に当てられたりして損傷し、堺市立埋蔵文化財センターの庭に置かれています。その石に、復元された文字が刻まれているのが読み取れます。
新しい道標は、「平成二十九年三月堺市再建」の文字が加えられ、車の接触を防ぐために背丈は元のものよりも高く作製されています。
設置作業を見守っていた近所の男性(88歳)の話によると、「もうちょっと右」の位置だったとのことですが、現在の道路状況ではこの場所が安定しているようにも思えます。
なお、昨日書いた中区福田の道標修復の他にも、出発点の大小路に「西高野街道」の石碑が建ち、側に「案内板」が設けられることになっています。
四国遍路のお礼参りで高野山に向かう人たちが、この道標を頼りに歩く姿が見られるようになったら嬉しいのですが…。昨年5月、この道を歩きに来て下さった埼玉県のIさんご夫妻に、早速ご報告しなければなりません。
昨年6月5日の日記に書き、大綱質疑で改善を求めた西高野街道の道標改良が進んでいます。
中区福田で分岐点で、再建立の際に設置位置を変えために方向を迷わしていた石碑は、「右」「左」の文字部分を彫り変えて矢印にしています。
3月23日に完了したと聞き、現地確認に行きました。なお、榎元町の分岐点でも作業中でした。明日、再確認するつもりです。
午後から、北区役所で開催された「北部地域整備事務所アスベスト飛散の検証に関する懇話会」を傍聴。第3回の今日は、事件現場での実証検査についての報告が行われました。
冒頭、建築局長、北区長など出席職員全員が傍聴席の市民に向かって、改めて謝罪。その傍聴者からは、「子どもの健康被害が心配」「近隣住民へのPRが行き届いていない」など厳しい意見が出ました。
また、懇話会の委員は、「世界に例のない実証実験が行われた」、「発生源における直後の数値としては想定範囲のものだが、今後、最終的曝露のシミュレーションを行い、健康リスクについて考えたい」などと発言。また、住民の不安に対して、「アスベストに関する基礎知識が分かるような、市民向けの冊子を作るべきではないか」との提言もありました。
最後に示された今後のスケジュールでは、阪大大学院工学研究科に依頼して飛散拡散の解析(4月〜6月)を行い、健康リスク評価(7月)の後、8月末に報告書をまとめることになっています。この間、7月、8月、9月に懇話会を開くことも予定され、作業状況が公開されます。
印象的だったのは、「今日初めて出席した」という傍聴者の方の「会議が公開され、傍聴者の意見を聞いてくれることに感心した。今後も非公開にしないようにしてもらいたい」と意見。今回の事件を契機に、アスベストに対する市民の関心が高まることを期待したいものです。
昨日の予算委員会全体会議は、総括質疑の最後の発言者である私の質疑が終わったのは、午後7時25分。8時から再開後の討論では、2番目に立ちました。
●6部局に「アスベストへの取り組みと課題」を質したわけ
総括質疑で各部局の見解を質したことへの答弁は、昨日の日記で報告しています。6部局のそれぞれから続けて答弁を得ることにしたのは、アスベストがそれほど多くの部局に関係する問題であることを、全議員に認識してほしかったからです。各部局とも、懸命に答えてくれたと思っています。
●アスベスト対策条例の柱となるものを示す
危機管理室が「市条例の必要性について調査検討する」と答えたので、「アスベスト条例を作るとすると、どのようなことが検討課題になるか」と、重ねて問いました。しかし、まだ的確な答弁はできないようです。
そこで私は、堺市が条例制定を迫られる5つの課題を示しました。@北部地域整備事務所の工事で住民に大きな不安を与えた行政ミスの再発防止、A麻袋再生業による石綿健康被害とその潜在被災者への対応、B増大する民間解体によるアスベスト飛散の防止、C阪神淡路、東日本大震災などで話題なった「震災アスベスト」への取り組み、Dアスベスト問題の啓発と伝承。
震災アスベスに関しては、熊本地震で環境省が動き出した事例などを紹介。アスベストへ問題への対応は、消防局や環境事業部などを含め、ほぼ全庁に及びます。そこで最後に、分担して全部局を束ねる3人の副市長が、共同して「アスベスト条例」実現に取り組んでもらいたいと要請しました。
●尼崎市職員の熱い思いも紹介
なお、議論の過程では、尼崎市の職員が、「1件たりとも新たな(石綿)患者を出さない」との強い意識を持って解体現場に立ち入っていることなどにも触れました。
予算委員会総括質疑の2日目。遅くとも3時半頃、と考えていた私の出番は、なんと午後7時になりました。「アスベスト対策」に絞って、まず、関係する6部局に対して現状や課題について質問。簡単に要約すると、次のような答弁を得ました。
▼建築都市局・建築部=解体工事で保育園や近隣地域に多大な心配と迷惑をかけたことをお詫びする。その後、健康リスクに関する検証を進め、過ちを繰り返さない対応を行いたい。建築物石綿含有調査者の取得をめざすなど、職員の専門性も高めている。
▼環境局・環境対策部&建築都市局・開発調整部=リサイクル法に基づく床面積80u以上の解体工事届出の情報を共有し、アスベスト含有建材の処理に関する業者指導を強化している。3月から、チェックリスト未提出に事業者への立ち入り調査も行っている。
▼健康福祉局・健康部=検診を必要とする一人でも多くの市民に石綿検診を受けてもらうことが課題だ。市民との協働をさらに進め、受診者のフォローアップ、啓発、受診勧奨に努める。
▼教育委員会・学校教育部=現在、アスベスト教育は実施していないが、国の動向、先進的な取り組み情報を収集し、研究する。
▼危機管理室=1970〜90年代に大量に建築された建物の解体が増加する中、アスベスト飛散から市民の健康を守る取り組みを進める。関係部局による会議開催、市民との連携、工事業者への啓発・指導なども必要だ。法令・知見を把握し、市条例の必要性も調査・検討する。
●危機管理室所管する副市長に求めた答弁
竹山市長の見解は、本会議や健康福祉委員会で聞いています。そこで今日は、各局にわたるアスベスト問題を束ねる立場にある田村副市長に決意のほどを質しました。
▼田村副市長=安全安心を標榜する堺市政にあって、今般のアスベスト等に事案に反省している。再発防止に鋭意取り組む。アスベスト対策専任職の設置し、市有建築部の外壁仕上塗材のアスベスト含有調査も開始する。全庁的体制の構築、他自治体の取り組み調査、関係職員の関係法令研修と部局を超えた横の連携や情報の共有を徹底させたい。今回の事案を苦い良薬として、市民の健康を守る市役所として、安全・安心のまちづくりに邁進したい。
●アスベスト対策条例をめぐる提案
総括質疑と、その後の討論を通じて、「アスベスト対策条例」についての提案をしました。その詳細は明日の日記で報告します。
予算委員会の総括質疑。秋の市長選を控えて、竹山市長を攻撃したい大阪維新の会の質問時間が、いつもより長いようです。10時から始まった2人の維新議員が終わったのは、午後2時20分。その後の公明党の議員2人の質疑は、3時から30分の休憩を挟んで、5時半までかかりました。休憩時の理事会で、「今日の審議は6時まで」と決めていたため、3番手のソレイユ堺の議員の質問は、開始後30分足らずで中断。残りは明日となりました。
明日は、ソレイユ堺が今日の残りに加え、もう一議員が続きます。それから、自民党2人、共産党が質問し、黒瀬議員、長谷川の順ですから、どう考えても私の登場は午後3時半以後になるでしょう。発言時間は、答弁を含まずに「13分」。まあ、せいぜい30分くらいのやりとりになるので、テーマは「アスベスト対策」に絞りました。今議会での議論の総まとめを心がけます。
●興味津々…国会の籠池喚問
ところで、予算委員会での議論がなければ、今日はきっと、国会のテレビ中継に釘付けになったでしょう。ニュースを丹念に見る暇がないのですが、籠池氏が、安倍首相と松井大阪府知事に対して、相当な恨みを抱いたようだということは伝わってきます。恐らく、同氏のいびつな教育方針を賛美して応援していた安倍・松井両氏が、自分の立場を守るために籠池氏と距離をとり、「非常にひつこい」などと酷評し、悪し様にあしらっていることを腹に据えかね、覚悟を決めて発言しているのではないかと推察します。
ともあれ、国会が解明すべきことは、国有地の異常な安値での払い下げです。大阪府議会では、私学審議会での異例な扱いの背景を府民が分かるように質すべきでしょう。国会議員や府会議員たちが、きちんとその職責を果たすのか、厳しい目を向け続けたいと思います。
朝、目覚めてパソコンを開くと、消防局から「火災事故即報」のメールが届いていました。午前4時22分に覚知。火元宅の高齢男性が死亡されたとのこと。場所は我が家に近いのに、ぐっすり眠っていたせいか消防車の出動には気づきませんでした。すぐに現場に駆けつけ、町内の集会所に避難されている火元の隣人を見舞いました。こちらのお宅は、仕事のために早起きして煙の充満に気づき、家人を促して逃げられたとか。全員ご無事で何よりでした。
事務所に戻って、「議員活動報告」を出稿。そのまま、新大阪に向かい、新幹線で東京へ。練馬区役所を訪問しました。
実は、明日から始まる予算委員会の総括質疑で「アスベスト対策」を議論することを通告しています。このため、2005年に「アスベスト飛散防止条例」を制定した同区の実状を調べておきたいと思ったからです。条例を所管する環境部環境課で、条例制定の経緯や運用状況を伺いました。
また、練馬区で学校の吹き付けアスベスト問題が発生した折からずっと発言をされ、条例制定にも尽力された池尻成二区議と面談。制定の背景や現状についても理解することができました。