今日の大綱質疑で議論した「PFI」というのは「Private Finance Initiative」の略。民間の資金と経営能力・技術力を活用して、公共施設などの設計・建設・改修・更新や維持管理・運営を行う公共事業の手法です。
堺市では、これまでに4つの事業(下の左図)でこの手法を採用しているのですが、うち2事業は応募提案した事業者がたった1者。これでは競争原理が働きません。
また、多額の公金を委ねる事業ですから実行状況を監視する「モニタリング」という制度があって、堺市が2003年に策定した「PFI等ガイドライン」では、「透明性確保のため、監視結果を公表する」と定めていました。
ところが、2006年に契約した「資源循環型廃棄物処理施設整備事業」(クリーンセンター臨海工場)に関するモニタリングは、まったく公表されていません。
私の指摘に環境局長は、「事業者との契約書に公表が書かれていない。その原因は18年前のことで分からない。今後の公表方針は、PFIマニュアル見直しに沿って検討する」と答弁。
実は、この事業は当初2者が応募姿勢を示していたのに、1者が辞退。444億円余りの契約額は市が設定した上限額の99.8%で、住民監査請求も起きています。
■「透明性の確保」は《PFI5原則》の一つ
これらの事態を振り返り、本市におけるPFI事業の総括を求めたところ、担当の政策企画部を所管する市長公室長が答弁。今後の方針として、「事業検討の初期段階から、複数提案者による提案を促すよう努める」、「モニタリング結果の公表については、事業者の権利などを踏まえて公表のあり方を検討し、マニュアルの見直しを行う」とのことです。
ところで、PFIという手法は、もともと英国のサッチャー政権が考案して実施。それを日本に導入したものです。しかし、本家の英国では、もうこの手法は採用されていないとのこと。日本でもいくつかの破綻・失敗例があって、『PFI神話の崩壊』という本に紹介されています。
なお、日本政府が閣議決定(2015.12.18)した基本方針には、「公共性・民間経営資金活用・効率性・公平性・透明性」という5つの原則が示されています。今日は「透明性」という視点から議論しましたが、他にもチェックすべき課題があります。
最後に市長の見解を問いました。
永藤市長は、「長谷川議員の指摘は非常に重要だ。堺市として透明化を図るためのルールを設けながら、それが実際に履行されていないのは大問題だと考えている。今後、民間に委ねる場合、透明性がなければ民間の参入を促すことはできない。堺市が行う事業に民間企業が次々と手を挙げてもらえるよう、透明性を確保しながら事業を実施していきたい」と答えました。
(※もう一つの議論テーマ「原山公園再整備」は、明日の日記で報告します)
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明日の大綱質疑に備え、提出済みのパワーポイント・スライドを最終編集。持ち時間の26分に収まるシナリオも整えました。テーマは「PFI手法の活用状況および原山公園の再整備事業」。明日の発言者の4番目で、登壇は午後1時過ぎの見込みです。
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昨日は、30年以上前の不正追及を紹介しましたが、下の記事は8年前の出来事です。
市内の私立幼稚園で理事長らが不正な会計処理をしているとの情報が入り、同時に保護者からも相談を受けました。
まず、監督官庁である大阪府私学課を訪ねて裏付けを得ました。また、堺市も補助金を交付しているので、健康福祉委員会で議論。
内部関係者からの提供資料には、竹山おさみ連合後援会の領収証もありました。
補助金交付を受けている団体が市長の政治資金パーティー券を購入するのは必ずしも違法ではありません。とは言え、公正な行政執行という観点からは多分に疑問が残ります。
そこで、当日委員会に出席していた竹山市長に、「市の補助金を受けている団体にパーティー券購入を求めるのはおやめになったらどうか」と迫っりました。市長は、「疑念を抱かれないよう、点検する」、「当該幼稚園から寄付を受けているなら返金する」と答えました。
実は、内部関係者からの提供資料には、当該学校法人の理事も務めていた市議へのお金の流れを窺わせる領収証なども複数ありました。
なお、大阪府はその後、理事全員の辞職を求め、職権で仮理事を選任して正常化させました。また、現在は別法人のこども園になっています。
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朝日新聞(2012.3.13)/竹山おさみ連合後援会の領収証
いわゆる「賭けマージャン疑惑」の発端となった職員に対する処分が、昨日発表されました。
NHKニュース(下画像)によると、この職員が「うその話」をした動機は、「議員とマージャンをする親密な仲だと主張して、自分の重要性を認めてほしかった」と、市の調査に対して述べたようです。
市政チェックを第一義とする議員にとって、内部告発はまさに喉から手が出る重要情報です。しかし、情報提供者がどんな意図で告発しているかを見極めなければ、足をすくわれることもあります。「国会の爆弾男」と言われた楢崎弥之助さん(旧社会党衆院議員)の失脚もニセ情報が原因でした。
下の記事(1988.11.23読売新聞)になった私の議会での追及は、一通の匿名手紙がきっかけです。手紙の真偽を確かめるため、該当校長を校長室に訪ね、本棚に旅行ガイドやドライブマップがあるのを見つけました。市教委に残っていた6年分の出張報告書を調査したら、校長・教頭・指導主事・主任ら955人の出張不正が判明。総額863万円の旅費を返還させました。
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NHKニュース(2020.8.27)/読売新聞(1988.11.23)
目覚めてすぐ、「大泉緑地を歩くよりも、原山公園の緑道を見に行こう」と思いたちました。現場に着いたのは7時。出勤の人波がバス停から栂美木多駅方向に続く時間帯です。駅前から緑道への入口付近で10分ほど通行状況を観察。その後、再整備事業で改修された部分を過ぎ、旧来の緑道を「たまむし橋」を越える辺りまで歩き、引き返して8時に調査を終了。
この調査は、大綱質疑で通告している「PFI手法の活用状況および原山公園の再整備事業」について議論するに当たって、やっぱり現場を見ておきたいと思ったからです。現場主義も私のモットーです。
午前中、今朝現認した風景の写真も加えてパワーポイントスライドを作成。提出のために午後から登庁し、建設局や環境局、それにPFIを担当する政策企画部などと協議しました。
コロナ対策をめぐる安倍政権の迷走ぶりを示した「特別定額給付金」の申請締め切りが、堺市では8月31日と(当日消印有効)迫っています。給付対象世帯数は395,499 世帯ですが、約5700世帯がまだ申請書を未提出です。これらの世帯への丁寧な働きかけが必要なことを、17日に事務を担当する「特別定額給付金室」を訪ねて申し入れました。
当日、行動を共にした渕上猛志議員が、対象者に確実に届くよう郵送方法の改善を提案。同室で検討の結果、速達便で発送して対面送達を試みることになったそうです。また、受給資格のある外国人(約250世帯)が封筒を見て理解できるように、「重要」の意味を10か国語で表記したシールとQRコードを貼り付けました。QRコードは、各国語で対応する堺市ホームページにリンクしています。
このほか、生活保護世帯で未申請の約500世帯に対しては、各区の担当ケースワーカーが訪問。訪問を拒む世帯には電話では申請を促したり、申請手続きを手伝ったりしているとのこと。生保世帯の中には、定額給付金を受給すると毎月支給される生活保護費を減額される思い違いしている人もあるようですが、その誤解を解き、ほんとうに困っている人に給付漏れが生じることがないよう、締め切り日までに最善を尽くしてほしいと思っています。
全国政策研究集会の2日目は「森友問題から問う公文書のあり方」の分科会にZOOM参加。豊中市議・木村真さんと、情報公開クリアリングハウス理事長・三木由希子さんの話を聞きました。
午後遅く登庁して、大綱質疑の関係各局と協議。
午前中、議会運営委員会に出席。私の大綱質疑は、8月31日(月)の4番目と決まりました。前3人の議員の質問通告時間は合計140分。少し短くなる可能性もあるので、午後1時ごろの登壇になるでしょうか。もっとも、私の質問時間は答弁を含めて26分(コロナ対応で通常の3分の2に制限)しかありません。この時間内に納めるには相当の工夫が必要で、テーマ絞り込みのため関係部課との協議も始めました。
●全国政策研究集会にZOOM参加
午後は、自治体議員政策情報センター虹とみどりが主催する「全国政策研究集会」にZOOM参加しました。この研究集会は、今日と明日、同志社大学烏丸キャンパスで開催されるので、本当は議運終了後に京都まで足を運ぶつもりでした。
ところが、新型コロナウイルスの感染拡大に対応してオンライン参加が可能となり、午後1時に始まった基調講演「自治体は危機にどう向かい合うか」=室崎益輝さん(兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科長)のお話も最初から聞くことができました。
基調講演の2人目、谷崎テトラさん(京都芸術大学客員教授)はZOOMを通しての講演でしたが、メディアプロデューサーも務める方らしいクリアな映像です。また、テーマは「コロナ後の社会を展望する」で、最新の情報と豊富な知識に基づく講演は示唆に富む内容でした。
その後、3つの分科会が開かれ、私は明石市長の泉房穂さんが講師を務める第3分科会に参加。実は、「子ども優先のまちづくり、気候変動対策/ユニークな兵庫県明石市政の挑戦」とのテーマで計画されたこの分科会の講師は、当初「調整中」とのことでした。
結局、市長本人が京都の会場に赴き、ご自身が「暑苦しい話」とおっしゃるほどの大熱弁。これまで評判になっている数々の施策に加え、積極的なコロナ対策など、開会中の定例会での議論の参考にさせていただけそうな取り組みについて、一挙に情報を得ることができました。
プレイベントが実施されている原山公園・屋外プールの様子を見に行きました。コロナ対策で「密」を避けるため、今日の参加者は40人ずつ3回に分けて招待。ちょっと寂しい感じですが、大きなバケツに注ぐ水が満杯になるごとにひっくり返る装置は大人気のようです。動作が始まるメロディーが流れるとプールの子どもたちが集まり、水しぶきを浴びて歓声を上げていました。なお、高学年の参加者が少ないのか、ウォータースライダーを利用する姿は多くなかったようです。