大綱質疑では、コロナワクチン副反応や後遺症に関して、直面している課題を示しました。
@「副反応疑い報告書」当事者の実態は?
報告書は170件出ているのに、健康被害救済申請をした人は3人。救済制度の情報が行き渡っているのでしょうか。当事者の実態調査が必要だと質したら、「提出医療機関に協力を求める」との答弁。さて、それだけでワクチン被害者の実情を把握することができるでしょうか。
A救済申請から厚労省進達までの期間短縮
後遺症被害者Aさんは、救済認定までの期間が長すぎることに不安を抱かれています。申請書類が整ってから堺市健康被害調査委員会の審議に入るまでに15か月を要したケースもあります。コロナワクチンの副反応や救済申請数が多く、通常の委員会開催では対応できなかったのです。「今後は随時開催などで迅速処理に取り組む」との答弁ですが、対処が遅すぎます。
B申請書類を整える多大の労力と経費
後遺症被害者Bさんは申請をあきらめました。不自由な身体でいくつもの医療機関をまわって診療記録などを集める困難さ、発行手数料(数万円)を支払える家計状況にないとのこと。いくつもの自治体が助成制度を設けている事例を示しました。「本来、国が一律の制度で救済すのが望ましい」との答弁だったため、昨日の日記に書いた副市長との議論に及んだのです。
C堺市内に後遺症を診る医療機関がない
AさんとBさんは、ともに堺市内の同じ医療機関の受診経験があります。しかし、冷たくあしらわれ、Aさんは診断書取得にも難渋したそうです。お二人とも市外の医療機関に頼らざるをえず、身体状況や生活状況から過大な負担となっています。堺市内に対応できる医療態勢を整えることが急務だと主張しました。
9月20日の健康福祉委員会で引き続き議論するつもりです。
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大綱質疑での私の質問に対する市長と副市長の答弁。録音を聴きながら文字にしました。
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■永藤市長=新型コロナ感染症のワクチン接種につきましては、症状の重篤化を防ぐために 実施された効果的な施策だったと判断しております。私自身も4回接種いたしました。一方で、いま議員がお示しになられたように副反応に苦しんでおられる方もいまだいらっしゃることも認識しております。先ほどのお示しの中でも、例えば申請からの時間がかかること、手続きの煩雑さ等、挙げられておられましたので、堺市としてできることを寄り添いながら進めていきたいと考えております。
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答弁を聞いて、私は「思いを語られていない」と評しました。しかし、文字にしてみると、大きな異論を感じるものではありません。もしも、「副反応に苦しむ方々にお見舞いを申し上げる」とかの一言が付け加えられていたら、被害者の皆さんに市長の心遣いが伝わったと思います。
議論の終盤、「副反応の事前説明があれば、接種を受けなかった」「行政が機能していない」など、後遺症被害者の行政不信に「市幹部はどう対応するか」と、私は問いました。
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■本屋副市長=副反応で非常に大変なことになっている多くの人がいるということについて、改めて感じるところがありました。その時点で我々もどうしたらよかったか。今となれば言えることはあると思いますけど、なかなか難しかったかなと思います。ただ一方で、今、現実にこういう方々がおられるということですんで、それに対しては行政としてもう一度それを直視して、どういうことをやって行くべきかということは考えていく必要はあるのかなというふうに。今日のなんと言いましょうか、感想というか実感になりますけど、私としては思うところであります。
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被害者のBさんが厚労省への被害救済申請をしない理由の一つは、必要書類を集めるのに多額の経費がかかることです。そこで、いくつもの自治体が補助制度を設けていることを紹介し、基礎自治体として市民に寄り添った支援をすることこそ「分権」の課題ではないかと質問。
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■本屋副市長=私自身は大阪府でしたんで広域自治体ということですけれども、広域自治体と身近な基礎自治体との違いというのは何かということについて、私自身、今までずっと考えて参りましたけれども、やっぱり、基礎自治体というのは市民に近い自治体で、市民がどういうふうな状況にあってるかということを見て、それに対応していく、それが、身近な基礎自治体の役割で、そこから、議員がおっしゃっているような色んな先進的な取り組みというのが生まれてきて、分権というような話になったというふうに理解しております。今回のことにつきましても、コロナ自体は全国的な話で、一定、国の指導とか、そういうところからきてるところで、されたということですけど、今となって見たときにやっぱり、身近な市民の皆さんがそういうふうに苦しまれているということについては、先ほども申しましたけど、我々、もう一度、直視する必要があるかな、その上で、どういうふうなことができるのか。国と基礎自治体の役割の話とかもありますんで、今、私ここで明確にはちょっと答えかねますけれども、基礎自治体としてどういうことが必要なのかということについては考えるべきだなと思いますし、考えたいというふうに思っております。
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予期していなかった質問に、言葉を選びながら答える副市長の口吻をできるだけ忠実に文字にしました。また、「誠実にお答えくださった」と述べて大綱質疑を結びました。
市長や副市長の言葉を受けて、担当職員たちがどのような工夫をするのか。健康福祉委員会で議論を深めます。
大綱質疑本会議の3日目。私の登壇は予測どおり午後1時となりました。
まず、65万6165人もの堺市民が1回目接種を受けた新型コロナワクチンで15人が死亡し、6件の後遺障害が窺えることを指摘。医療機関から厚労省に提出された「副反応疑い報告書」に書かれている症状や報告医師の意見などを紹介しました。さらに、後遺症被害に直面しているAさんとBさんと面談して知ったお二人の窮状もスクリーンに示して、市長に問いました。
「『一人の生命は全地球より重い』との格言は誰もが知っている。その重い命がコロナワクチン接種で15人も奪われた。健康をさいなまれ、後遺症被害に苦しむだけでなく、家庭環境にダメージを受け、仕事にも就けず、生活困窮に陥っている被害者もいる。我が身を守るために率先して接種を受け、人々にもそれを勧めた私は、これらの方々に寄り添い、できる限りの支援をする立場にあると思い、今、この演壇に立った。市の広報紙などを通して、『早期に接種をご検討ください』と堺市民に訴えた市長として、率直な思いを語ってほしい」
市長の答弁の後、副反応疑い170件のうち、3件しか被害救済の申請が行われていないなど、いくつかの課題を指摘しました。
そして、面談時の最後に、Aさんが「行政が機能していない」と述べ、Bさんは「このような副反応の事前説明があれば接種は受けなかった」と語ったことに触れ、「お二人の行政不信にどう対応するか」と健康福祉局を所管する副市長に尋ねました。
質疑を終えた後、「永藤市長は被害者への気遣いがなかったけど、本屋副市長の答弁には温かみを感じた」との感想を何人かの議員から聞きました。どんな答弁だったか。私が示した課題をめぐってどのような議論が展開されたか。明日以降の日記で報告させていただきます。
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大綱質疑本会議の2日目で、共産党、日本保守党(水ノ上議員)、大阪維新の会、公明党、自民党の各議員が発言。なお、共産党議員の発言が予定時間を少し超え、明日午前中に発言する同党議員の持ち時間が52分3秒に減りました。また、昨日の創志会議員もほんの僅かオーバーしたため、残りは59分33秒だそうです。
そんな訳で、私の前2人(創志会・共産)の議員の質疑が早く終わることになれば、私の発言が午前中に始まる可能性もあります。
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大綱質疑本会議の初日です。まず、大阪維新の会と公明党が代表質問。予算・決算を審査を審査する定例会に設けられた特別な発言制度ですが、結局、持ち時間がたっぷりある維新と公明両党しか活用できないようです。他会派は持ち時間のすべてを大綱質疑に振り当てています。その《本来の》大綱質疑は、維新、公明、自民、堺創志会の各議員が発言。自民議員は、維新現職が大敗を喫した箕面市長選に言及していました。
それにしても、この敗北は維新にとって大きな衝撃だったのでしょう。「影響を与えた」と思い込んでいる兵庫県知事の居直りに対して、これまでの擁護姿勢を大転換するセリフが馬場代表や吉村府知事から発せられています。でも、近いと思われる衆院選を前にしたそんなご都合主義も、有権者に見透かされ始めているのではないでしょうか。
朝から登庁して、29日の大綱質疑のために最終的な情報収集。これまで提供を受けた資料の非開示部分などの修正もありました。
午後は所用で大阪市内へ。事務所に戻ってから、パワーポイントスライドのチェックと訂正作業に取り組みました。もっとも、作成したスライドは80コマを超えており、明日からは使用するコマを厳選する作業が必要なようです。
ところで、事務所前に飾っているムラサキシキブが色づき始めました。厳しい暑さが続きますが、季節は変化しつつあるのでしょう。台風も心配です。
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今日も朝からずっとパソコンの前で仕事です。大綱質疑で使うつもりのパワーポイントスライドは、ほぼ作り終えました。明日は見直しと補充作業を予定。
さて、これまで7回に分けて紹介してきた朝日新聞記事の掲載は、これで終わり。29年も昔に書いたものですが、大阪版だけでなく神戸版にも掲載されたようです。阪神淡路大震災の影響で、2か月遅れて実施された神戸市議選に初当選した浦上忠文さんと初めて会った折りのこと。「何の組織的基盤もなく、一人の市民として市議選に挑もうと決意したとき、長谷川さんの連載を繰り返し読んだ」と話しかけられました。当選後ずっと、手書き版下を印刷した「うらがみ新聞」を発行し続けていた浦上さんも、28年務めた議員活動を昨年4月に卒業されました。
※うらがみ新聞 http://www.uragami.jp/?page_id=789
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午後から産業振興センターで開催された「市民1000人委員会」の市政チェック学習会に参加しました。午前中も、学習会から戻ってからも、ひたすら大綱質疑の準備作業。
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朝、水やりをしていて、レインリリーが元気よく咲いているのに気づきました。名前のとおり「梅雨時の花」と思って片付けていたのですが、せっかく咲いてくれた花の気持ちに応えて表に飾りました。
もしかしたら雨が近いのかもしれません。台風10号の進路が気になります。2018年の21号同様に進んで来るなら、要警戒です。もしかしたら、大綱質疑本会議の延期も?
さて、今日も朝からずっとパソコンに向かっています。大綱質疑の議論を分かりやすくすべく、電話で担当課に確認しながらパワーポイントスライドの作成作業。
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午後、「平和・立憲・人権をつなぐ全国自治体議員会議」の総会にオンライン参加。会計監査報告をしました。その前後は、ひたすら大綱質疑の準備です。
夕方、コロナワクチン後遺症の方を訪問してこられた市民が来訪され、懇談しました。ボランティアでの支援活動に頭が下がります。
さて、本日ご紹介する朝日新聞の連載記事は「番外」を含んでいます。「あらためて問う地方自治」と題したこの連載は、1994年の統一地方選挙を前にして大阪版編集部が企画したものです。文字通り「地方自治」のあり方を問い、地方選への関心を高める目的があったのでしょう。1993年の総選挙に出馬し、堺市議を辞めた私の議員活動に興味を抱かれ、1994年10月から週1回、計20回の約束で書き進めました。
ところが、当時大阪府知事だった中川和雄さんの後援会事務局長が政治資金報告書に虚偽記載したとして逮捕され有罪となり、中川さんは再選を断念するという事件が起こりました。そのことを題材にした「番外」の執筆を依頼されたのが、この記事です。
改めて調べると、中川さんは今年7月29日に97歳で逝去されていました。総選挙前のある会合の席で私の国政チャレンジを励ましてくださったご縁もある中川さんを偲び、謹んでお悔やみ申し上げます。
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