長谷川俊英14年の市会議員活動 (12ページ)
「赤福」か「コンピューター」か?
米紙“ WALL STREET JOURNAL”は「堺市議会のコンピューター議論」を記事に…
私にとって最後の議会となった、1993年5月のこと。堺市政記者クラブの記者たちの間で、ちょっとした議論があったそうだ。その日の私の質問のうち記事にしたいテーマが2つあって、各社がどちらを書くのか確かめ合ったという。結局新聞記事になったのは伊勢名物「赤福」の話だった。ただ、NHKニュースだけが「コンピューター問題」を報じ、その後、事務所にはニューヨーク・タイムズとウォール・ストリート・ジャーナルの記者から電話があった。通訳を介しての英語取材にとまどったが、後日送られてきた「ウォール・ストリート・ジャーナル」には、コンピューターの機種選定をめぐる堺市議会の議論の英文記事が大きく掲載されていました。
★学校導入コンピューターの機種選定をめぐる不思議
結果としてどちらがよかったかは一概に言えないけれど、堺市の学校にコンピューターを導入するに当たって、教師らによる機種検討作業班が設けられ、「アメリカ製A社のコンピューター採用がベストだ」との結論を得た。この検討結果が市教委に報告されたが、市教委は日本製B社のものを購入することに決めた。その理由を議会で質したのだがはっきりせず、「当該業者との何らかの関係が疑われる」と指摘した。数日後のクリントン大統領の訪日は日米貿易摩擦の解消が焦点になり、A社社長も同行していた。堺市議会での議論は、日米関係に影響する事件だったようだ。(1993.5)
★修学旅行のおみやげで、「赤福」はなぜか別枠
大阪の小学校の修学旅行の行き先は、昔から伊勢が選ばれることが多い。その名物が「赤福もち」。あるとき保護者からの電話で、「どうして先生がまとめて注文をとるの? 持って行ってもよいお小遣いの額が制限されているのに赤福代は別枠になってるのはなぜ?」と尋ねられた。調べてみると、やっぱり問題が出てきた。まとめて注文した「赤福」は、帰りのバスが出発する直前に届けられ、その際、業者から教師用(無料)のおまけがあるという。日本の“事件記者”たちにとっては、この方が分かりやすく、「けしからん」話だったに違いない。(1993.5)
“氷山の一角”だが、関係団体などとの癒着の実例
●保険金詐欺の病院で保健所長がアルバイト
交通事故を偽装した保険金詐欺事件で病院長らが逮捕された病院で、この病院を管轄する保健所の所長がアルバイトをしていた。この病院に対する保健所の監督・指導記録を調べると、この所長がバイトを始めて間もないころに比べ、詐欺事件のころには不適合事項の指摘が減っている。医療監視が厳格に行われていたら、詐欺事件も防げたはずだと質したら、市側は陳謝を繰り返した。(1988.3)
●衛生部幹部が歯科医師会持ちで温泉旅行
当時建設構想を練っていた「口腔衛生センター」について、堺市歯科医師会との癒着が噂され、調べてみるとやっぱり怪しげな事件があった。衛生部幹部職員2人が、視察名目で歯科医師会に同行して鳥取県の同種施設を見に行った。その日は皆生温泉に一泊、翌日歯科医師らは大山ゴルフ場と松江市観光の二手に分かれて行動した。公費出張の旅費を支給されながら、衛生部幹部は往路の貸切バスにただ乗りしていた事実も分かり、不透明な関係を厳しく指摘した。(1983.12)
(新聞記事のスクラップを基にして、ひとまずここまで。いつかまた、再編集と追録をします。)
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