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四国遍路ひとり歩き同行二人区切り打ち日記 (2005.2.11〜22)
2月18日(金) 登山口〜20番鶴林寺〜21番太龍寺〜22番平等寺→桑野駅前の旅館
心配していた天気はなんとかもちそうで、旅館脇の登山口から登りはじめました。確かに苦しい遍路ころがしですが、12番焼山寺を経験していたら、その険しさは「あのときよりはまし」と思えそうです。それに、あれほど長時間の苦しみを味わうことはありません。2時間あまりで20番に着き、お詣り後、さらに2時間少しで21番に至りました。
先に発ち、すでにお詣りを終えて帰る三重県の女性と、ここでまたすれ違い。今夜の宿は、私が情報提供していた桑野駅前の旅館にしたとのことでした。お詣りを済ませて境内で昼食。帰り道では阿波海岸が見えました。阿瀬比まで下って、集落内にあるヘンロ小屋で休憩。22番に向かう道を登り始めたところで雨になり、雨具を着用。平等寺に到着したら、昨夜の宿のメンバーのうち、先に着いてゆっくりお詣りしていた3人の方と再会できました。
桑野駅前の旅館を選んだのは、ここまで車で送迎してくれるとのことだったからで、三重の女性とともに迎えの車に乗りました。彼女の名はAさん。短大の1年生でまだ19歳。私が藤井寺への道で数珠を拾った女性とは4回ほど同じ宿になり、いろいろと教えられたそうです。
福島県から来たその方を「福島のおかあさん」と話していたAさんは、私のことを「堺のおとうさん」と呼び始めました。歩行距離は22.9q。
2月19日(土) 旅館→22番平等寺〜弥谷観音〜由岐駅〜23番薬王寺
旅館から22番まで送ってもらい、ここから、Aさんといっしょに歩き始めました。本格的な雨の中を弥谷観音に立ち寄り、国道55号線を南下。幹線道路だけに大型車が通るたび、すさまじい風と水しぶきに見舞われます。
23番への道は、55号線を歩むコースと海岸側にまわるコースの二通りがあって、昨夜の旅館でのアドバイスは「55号線が絶対早い」とのこと。しかし、分岐点にある看板に誘われて海側コースをとることにしました。
海岸を歩くのはほんのわずかですが、車が少なく、ところどころに昔ながらの遍路道が残るこのコースは、たしかに「美しい海」を眺め、また大型車への恐怖感も取り除いてくれる、すてきな道でした。ただ、時間的には1時間ほど余分にかかったように思え、もしも一人旅だったら、雨の山道は心細く、きっと後悔したに違いありません。
由岐駅前の焼鳥屋で、焼き鳥定食を食べて元気を注入。海岸沿いの道から日和佐の町が見え始めてからはピッチもあがり、納経受付時間内に23番のお詣りを済ませることができました。今夜の宿は、門前街の旅館。Aさんは、希望した薬王寺の宿坊がOKでした。歩行距離は23.5q。