2月21日(月) ししくい温泉〜ゴロゴロ海岸〜尾崎の宿
四国遍路ひとり歩き同行二人区切り打ち日記 (2005.2.11〜22)
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2月20日(日) 23番薬王寺〜小松大師〜鯖大師〜道の駅ししくい温泉
昨夜の宿泊客は私1人で、豪華な部屋食でした。「朝食は6時からできます」と言われたのですが、自信がなくて6時半にお願い。ところが、こちらの起きる気配を察して、6時15分に運んできてくれました。事務所スタッフと同じ名前ゆえに選んだこの旅館の心配りがうれしかった。
「発心の道場」と言われる徳島県最後の23番からは、「修行の道場」高知県を目指してひたすら歩む2日がかりの旅です。歩き始めた国道55号には「室戸81q」の標識。しばらくして、先を行くAさんを発見し、日和佐トンネルの手前で追い付きました。きょうどこまで歩くのかは聞いていなかったのですが、どうやら私の計画に合わせてくれたようです。
途中、小松大師と鯖大師に立ち寄る行程は、今回の区切り打ちで最長歩行の34.3q。へばらないペース維持を心がけました。しかし、鯖大師で出会った67歳の男性は健脚で、ぐんぐん先に行かれました。
到着した道の駅の宿舎は予約客が少なかったためか、経営が同じらしい隣のリゾートホテルの3階と4階の部屋をあてがわれました。全室オーシャンビュー、温泉と朝食バイキング付き。これも、お大師様のお導きでしょうか…。
温泉の朝風呂と、おなか一杯の朝食をいただいて、7時35分に出発。気温は低く、山間部で通行止めのニュースも聞きました。しかしこちらは好天気の海岸線を歩き、30分で高知県入り。
道路沿いのお店から、2回もお接待のポンカンをいただきました。また、遠くから私たちが近寄るのをずっと待ち受けていて、数個のあめ玉を握らせて下さる農婦もいらっしゃいます。それに、工事現場の簡易トイレを写真のように開放して下さる心遣いなど、道中の暖かい人情に励まされて歩き続けました。(26.9q)
たどり着いた尾崎の宿は、サーファー対象に開業されたようで、それらしい屋号と造りの宿舎です。経営者母娘の心のこもったもてなしが遍路客の評判を呼び、ここにも菅直人さんの色紙と、菅夫人・伸子さんからのお礼状が飾られていました。
同宿者は、神奈川県のBさん、愛知県のCさん、それに兵庫県尼崎市のDさん。
夕食後、話をする機会があったDさんは56歳。奥さんの13回忌を機に会社を辞め、もう6回目の遍路になるそうです。緑色の納め札をいただきました。遍路旅の間に仏像を彫り、あちこちに寄進されるとか。今夜も、写真の握り仏をこの宿に置かれ、私にも、仏絵を描いたお手製のハガキを差し出して、「何枚でもお持ち下さい」とすすめて下さるのです。