条例案が提案された11日の本会議で、私は3つの視点を示して議案質疑を行いました。
@「職員の信賞必罰を見えるようにする」という市長の意向に沿えば、パブリックコメントなどを実施して、市民の意見を聞くべきではないか。
A「人事評価を相対評価で行い、最低ランクは5%」という維新の会の主張なら、300人のダメ職員、220人の指導力不足教員がいることになるが、はたしてそうか。
B離職後の職員の再就職や営業活動を規制する条項に実効性はあるか。また、憲法22条1項(職業選択の自由)には抵触しないか。
これに対して、Aについては市長や教育長が「ありえないこと」と答弁。市長はさらに、職員のモラールを高めるという条例目的からは、維新の会が唱える「相対評価」を第一義とする人事評価はそぐわないと、熱く語りました。
しかし、@とBについては納得できる答弁が得られず、後日、法律専門家などと協議した結果の報告を受けました。憲法違反には当たらないとの見解が示されましたが、本来は議案質疑の際にきちんと答弁すべきです。提案にあたっての準備不足は否めません。
●気になっていた職員労働組合との交渉
なお、議案質疑では指摘しなかったものの、この種の条例の提案に当たって職員労働組合とどのような協議をしたかも気になるところです。今朝、配布された「堺市職労ニュース」によると、昨日、組合からの要請書に市当局が回答文を提出。組合委員長が「労使交渉が不十分なままの(条例案)上程は2度とあってはならない。人事評価、分限・懲戒規定など、十分な協議を重ねて合意を」と求め、交渉を区切った…そうです。完全な合意が成立したわけではないでしょうが、それなりの理解が得られたともとれる内容です。
●市民の皆さんは、何を求めているか…
橋下維新の会代表の政治手法は、徹底的に公務員をたたき、市民の皆さんの不満のはけ口としているように思えます。たしかに、批判されるような仕事ぶりが見られないわけではありません。したがって、職員の資質向上や信賞必罰の仕組みを充実させるべきだというのは、多くの方々のご意向だと思います。とは言え、職員が上司の顔色だけを窺い、市民のために自分の能力を最大限発揮する気持ちを失ってしまうような職場を作ってしまうのはいかがなものでしょうか。その意味から、「職員基本条例」ではなく、「職員及び組織の活性化に関する条例」として、今回提案された条例案に、私は賛意を表しました。
●竹山市長にとっては厳しい局面
竹山市長は、3年前の市長選で橋下徹氏の強烈な応援で当選。にもかかわらず、大阪都構想の協議会に参加せず、条例制定でも維新の会の意向に逆らっています。来年秋に再選を期すのなら、きっと厳しい反攻にさらされるはずです。それを意識すれば、堺市民の心をとらえる施策展開が必要だと私は思い、「堺方式の都市内分権を!」などと大綱質疑で提案しました。そして、今日の討論は、我が家で使っている励ましの言葉…「しっかりせぇ」で結びました。
5月21日から始まった「5月定例会」。毎年改選する役員選考のため、通常よりも長い会期でしたが、今日が最終本会議です。
最大争点の「職員・組織活性化条例」は可決。大阪維新の会と田中丈悦議員(計12人)が反対でした。なお、全会派がエントリーした討論は、公明党、ソレイユ堺、自民党が取りやめ。維新の会、共産党、田中議員、そして最後に長谷川が演壇に立ちました。
●議案質疑の3つの視点
6月22日(金)昨夜も強烈な雨でした。朝には上がっていましたが、蒸し暑い日です。