▼リクルート事件と今回の選挙が示すように、汚職と金権政治の弊害はますます拡大し、日本の政治は制度疲労の極限にまで達している。たしかに汚職そのものも問題だが、それに対する改革が行われないことにもっと大きな問題がある。政治の腐敗に対して、政治倫理法あるいは条例を制定しうるか否かは、その国の政治の健全性を示すバロメーターである。
▼わが国では、このような改革は堺市の市民運動からはじまった。本書はその貴重な記録であり、政治改革がいかにして可能かが示されている。また、最近の自治体における動きもフォローされていて有益である。この本が国レベルの政治に対しても強烈なインパクトを与えることを期待している。
篠原一先生が、私の著書「市政と政治家がこんなに変わる」に書いて下さった推薦文を、昨夜あらためて読み直してみました。
●しかし、「政治腐敗」は跡を絶たない
堺市で政治倫理条例が制定されたのは、1982年2月。その年の12月に第2次中曽根内閣が閣僚の資産公開制度を実施し、1992年には「政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律」も成立しました。しかし、政治腐敗は続き、今日も国会では、政治資金問題で疑惑が拡大している高木復興大臣の恥ずかしい話が追及されました。3年連続で話題となっている、堺市議会の政務活動費や政務調査費にかかわる事件も然りです。
●千葉県市川市で「100条委員会」
小林・黒瀬両議員による政務活動費の不正支出について、その全貌を解明するため、私は、堺市議会に100条調査委員会を設置することを提案しています。どこかに先例がないかと探していたら、千葉県市川市でも政活費をめぐる疑惑事件に関する100条委員会が設置され、まさにいま、委員会での調査が行なわれていることを知りました。
市川市議会は定例会を開催中ですが、この問題で積極的に活動している「無所属の会・市民ネット」の秋本のり子議員に連絡すると、本会議の昼休みに対応して下さるとのこと。昨夜は東京に宿をとり、市川市役所へ向かいました。午前中の一般質問も少し傍聴。12時少し前に休憩となったので会派控室を訪ね、秋本議員のほか、越川まさふみ議員、増田好秀議員、長友正徳議員、湯川止子議員と面談。100条委設置に至った経緯や、現在の運営状況などについて教示を受けました。
ちなみに、同市では昨年、郵便切手の大量購入が問題となり、追及する側とされる側がそれぞれ100条委を設置。今年4月の改選後は、大量購入などを調査する100条委員会だけが新たに設置され、これまで11回にわたる委員会で証人尋問などを行っています。
写真=左から、長友議員、越川議員、秋本議員、増田議員。撮影時、湯川議員は所用で席を離れておられました。
なお、長友議員は1期目、越川議員と増田議員が2期目、秋本議員と湯川議員が3期目。各議員とも、それぞれ個性的で、正義感に溢れた爽やか方々でした。