大阪府の新型コロナ新規感染者数は1130人。堺市も111人で、いずれも過去最多を更新しました。今日の堺市対策本部会議に提出された資料に書き加えてみると、4月9日の81人を一挙に30人も上回っており、第3波よりもはるかに急激な増大であることが歴然としています。
こんな事態にもかかわらず、なぜ「緊急事態宣言」を出し渋るのか。多くの人々から疑問の声が聞こえます。菅首相の無責任さや吉村知事の場当たり対応も浮き彫りになってきました。
さて、先日から指摘している倫理調査会の市民委員選任方法について、行政部から検討結果の報告がありました。従来の公募告示で示していた男女構成(応募者の多い性4人、少ない性3人)の前に「特別な事情がある場合を除き」との一文を挿入するとのこと。応募した両性の数が極端に異なったりした場合は、構成数を変更できる含みを加えたようです。募集時期が差し迫った時点での最低限の修正なのでしょうが、今後さらに議論を深めたいと思っています。
ちなみに、倫理条例を起草した折の考察に関して、私は著書に次のように書いています。
「市長が恣意的に委員を選任することに対する歯止めとして公募制をとり、応募者の中から『公正を期して』委嘱すると定めた」「委員数を13人としたことにはとくに根拠はない。ただ素案作成時の私の脳裏に、アメリカ映画『12人の怒れる男たち』があった。ヘンリー・フォンダ演じる一人の陪審員がほかの陪審員を説得して、有罪と断定されかけていた被告の無実を証明するこの映画は、アメリカ民主主義の真髄を味わわせてくれた。12人を議員と市民で半数にすれば6人ずつ、これでは意見対立のときに困るから、市民側を1人多くして7人、計13人となったわけだ」
(長谷川俊英著『市政と政治家がこんなに変わる』=1990年/学陽書房刊)