●「入所定員20人」の「枠を確保した」と言うのですが・・・
「府との合意書に書かれている『定員20人』は、堺市の子どもが恒常的に20人入所できるということか?」。3月の予算委員会での私の質問に、市当局は「確実に入れるとは言えない」と答えました。建設費を全額負担するのに入所できないという事態は、さすがにまずいと思ったのでしょう。この間の2回の協議の結果、「20人は入所可能な枠として確認した」とのこと。従って、「建設費負担金は受益の限度」と言いたいようです。
「では、その協議結果について、覚書でも交わすのか」と問うと、「自治体間で整理し、それを踏まえて運用される」との答弁。「担当職員が替わるのに、それでは担保されない」と詰めたら、子ども青少年局長が「覚書の可能性を含めて協議する」と答えました。
予算委員会の付帯決議には、「修徳学院における寮の増設費用および運営費用の負担にあたっては、法令やこれまでの経緯に照らしながら大阪府と十分に協議し、適正かつ公正なものとなるよう努めること」という一項があります。でも、どうやら府との対等な協議ができていないのではないかとの疑いが湧いてきました。こんな状態で、寮建設費の全額負担を「受益の限度内」と言えるはずがありません。
●総務省の見解は、あくまで「一般論」
地方財政法の解釈についての堺市からのメールでの問い合わせ対して、総務省の担当者からの返信は、「一般論として」と断った上、「自治体間の協議の結果、受益の限度内であれば、地方財政法に反するとはいえない」と記されています。市当局が大阪府と対等な協議ができないのは、永藤市長と吉村知事が「腹を割って」話し合い、すでに結論が出ているからでしょうか。
一昨日の健康福祉委員会の報告の続きです。児童自立支援施設をめぐって、3月の予算委員会で全会一致の付帯決議が可決されたのですが、この決議を受けて、市当局がどのような対応をしたのかを質しました。
担当職員は、「言い訳になりますが」との前置きを付けて、「大阪府と2回の協議を行った」と答えました。緊急事態宣言の下で、それ以上の協議ができなかったのはやむを得ないことかもしれません。ただし、2回の協議で確認できたという話が実に曖昧なのはいただけません。
●大阪市の「読書ノート」は松井市長
ところで、昨日の日記に書いた「読書ノート」を最初に採用したのは大阪市で、松井市長が登場します。読んだ本の評価を「☆☆☆☆☆」で表現させるなど、まるでアマゾンの商品レビューのようです。文科省所管の「子ども読書活動推進法」は基本理念として「言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものに」することを定めています。堺市教委オリジナルの読書ノートは、この理念に沿って教師や図書館員が知恵を絞ったものと思えます。それに比べ、内容も分量も薄っぺらな「ノート」を採用した狙いは何なんでしょう?