九州大学名誉教授で、政治倫理・九州ネットワークの会長でもあった斎藤文男さんが、11月30日に亡くなられました。九州地方の新聞などによると、心筋梗塞のため90歳で生涯を閉じられたことが報じられています。
斎藤先生に初めてお目にかかったのは、堺市民が全国初の政治倫理条例を制定させた直後、福岡県飯塚市の市民が「わがまちの政治を変えよう」と試みた集会でのこと。斎藤先生は同県春日市の情報公開や個人情報保護施策について話され、私は堺市の政治倫理条例を語りました。
その後、飯塚市は九州で初めての政治倫理条例を制定。斎藤先生が九州各地での制定拡大に力を尽くされる中、ずっとご交誼をいただいてきました。堺市条例の誕生30年を迎えた2013年、九州ネットが開催した政治倫理シンポジウムでは、斎藤先生の基調講演の後で意見交換のコーディネーターを務めさせていただきました。
昨年6月には新刊『多数決は民主主義のルールか?』を上梓され、ご恵与にもあずかりました。政倫九州ネットの事務局を担当されている市川俊司弁護士からお誘いを受け、この秋に出版お祝いの懇談を計画したのですが、折からのコロナ禍で実現しないままの突然のお別れとなりました。市民運動に手を貸し続けた斎藤先生の業績を偲び、心からお悔やみ申し上げます。
さて、今日は3日間にわたる大綱質疑の最終日で、6人の議員が一般質問に立ちました。その一人、大阪維新の会の議員が「新金岡のまちづくり」について質問。注目して聞いていたのですが、団地開発の初期に府住宅供給公社や住宅・都市整備公団(現UR都市機構)が建設分譲した大規模な集合住宅を「民間分譲マンション」と語っていたのは驚きでした。市当局が事実誤認を正すこともなく、新金岡団地に関する基本認識を疑わせる議論となりました。
また、次に議題となった男女共同参画センターの目的外利用に関して堺市女性団体協議会が行った行政不服審査請求に対する裁決をめぐる議論でも、同団体やその前代表を目の敵にするような発言が見られました。ことさら「敵」を作り上げ、ターゲットにして攻撃する。「維新らしい」と言えばそれまでですが、歴史や経緯を踏まえない決め付けで排除行動をする政党に市政を委ねるのは不安です。来年の市長選挙で、ぜひ考えなければなりません。
なお、今日大阪府が発表した新型コロナウイルス新規感染者は7815人で、亡くなられた方は9人。また、堺市の新規感染者は610人(前週水曜の1.18倍)で、亡くなられた方はありませんでした。