10月29日(金)きょうは、ソウル市内で「政治」を見る日です。
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《2004.10.29〜30》
10月30日(土)天安(チョナン)の「独立記念館」を訪ねました。
国立全北大学で法学部長を務められた鄭存吉(チョン・ジョキル)教授は、日本での研究中に私の著書『市政と政治家がこんなに変わる』を読んで、連絡を下さった方です。
その鄭先生がソウル市内を案内して下さるというので、ソウル特別市議会と国会議事堂を訪ねました。市議会では、本会議場を見学。また、議会事務所のナム・キトクさんから、議会の構成や運営などについて説明を受けました。この議場は、もともと公会堂だった建物で、かつては国会もここで開かれたとか。議場右側の青椅子が理事者席、左側の白椅子が議員席です。
夜は、市内聖水の高層マンション10階にある鄭先生のご自宅に招かれ、奥様の手料理をご馳走になりました。写真でVサインをしているお嬢さんは大学で日本語を専攻、卒業後、化粧品会社にお勤めだそうです。
天安市にある独立記念館は、35年間にわたって日本の植民地支配を受けた韓国民が1945年に独立を果たすまでの「国難克服史」と国家発展の歴史を実証する資料を収集・保存・展示・管理しています。韓国を訪問するならぜひ訪ねたい…と思っていた施設で、園田夏香さんに道案内を依頼。日本語ガイドはあいにく休暇中で、パネルの説明を読んで展示物の理解に努めました。
広島や長崎の原爆資料館が大きな衝撃を与えると同様に、この記念館の展示は、日本の他国侵略の様子をリアルに伝えてくれます。ソウル市内からたっぷり2時間を要し、市街地からも離れているという交通事情の悪さのためか、日本人見学者の姿を見ることはできませんでしたが、韓流ブームの奥に潜む歴史の現実を、私たちは忘れてはいけないのではないでしょうか。
天安の高速バスターミナルから独立記念館までは、40分ほど路線バスに乗らなければいけません。6時の閉館まで見学して飛び乗った帰りのバスは混み合っていて、ここで、日本ではしたことがない体験を得ました。なんと、座っていた女子高生が立ち上がって座席を譲ってくれるのです。同様のことは、ソウル市内の地下鉄でもしばしばありました。さすが儒教の国の美風と感心はしましたが、まだまだ体力がある(…と思っている)こちらが座っているのは、申し訳ない思いです。