きょう告示された天理市の市長選に立った都市政治研究所メンバーを激励するため、天理駅前での出発式に駆け付けました。日頃の政治活動に使っている事務所の駐車場で来賓や候補者が挨拶。車道を挟んだ向かい側(駅前歩道)の左右に広がる聴衆はおよそ300人くらいだったでしょうか、熱気に溢れる選挙戦のスタートを見ました。
午後からは、高校同期生の同窓会。卒業後41年目から2年ごとに開催して3回目です。45年経っても昔の面影を残した友人たちは多士済々で、出席した83人の楽しい語らいが3時間続きました。
公選法違反事件で略式起訴され、30万円の罰金を払って釈放された北野礼一議員(前議長)に対する「議員辞職勧告決議」を審議する本会議。午前10時に予定されていた開会時間が午後1時に延び、さらに、結局は撤回するはめになる動議提出のハプニングなどもあって、終わったのは5時近くになりました。
私たち(堺・美原市民ネット)と共産党が共同提案した辞職勧告決議案は、49対15の多数決で可決されました。賛成した49議員の内訳は、市民ネット4、共産10、自民3に加えて、公明15、フェニックス民主11、プロジェクト堺3、あたらしい風3と推察されます。また、反対した議員15人の内訳は、自民党市民クラブ11、美原会4とみられます。
ただし、賛成したことが明白なのは提案2会派と自民のみで、他の会派は公式な態度表明をしませんでした。また、議会運営委員会では、「あたらしい風」の委員が「内部で微妙な違いがある」と表明.しており、もしかしたらこの会派に所属する議員の中に反対者がいたかもしれません。ただし、山中優子議員は
自身のホームページの日記で「辞職勧告決議に賛成」した旨を告白しており、本松洋一、吉川守両議員の表決態度は「討論」をしなかったので不明です。また逆に、反対意思を討論で明確にしたのは北野議員が所属する自民党市民クラブだけで、美原会(米谷文克、肥田勝秀、井上サヱ子、青木茂美各議員)は数字上の推定です。
このように各議員や会派の態度表明が不明確になり、会議の開会が遅れたり長引いたりしたのは、本会議前の議運で私が「記名投票で採決してもらいたい」と求めたことに対して、自民党市民クラブが「無記名投票」を主張し、公明党やフェニックス民主などが「無記名」に賛成したからです。辞職勧告に誰が賛成し、反対したのか分からないようにして反対者を増やそうと企んだ自民党市民クラブの悪あがき。これに手を貸した議員たちは、いったいどのような言い訳をするのでしょうか。市民の皆さんから議会の信用を問われる大事な議案の採決で、自らの表決態度を隠す無責任ぶりが、はしなくも露呈されました。
とは言え、「議員辞職勧告決議」の可決は、堺市議会のこれまでの記録になかったことです。ちなみに、23年前の1982年、汚職事件で懲役1年6月の罪が確定した議員に対して私たちが提出した辞職勧告決議は、当時の自民、公明、民社各党と保守系無所属議員によって否決されています。そして、このことが市民の大きな怒りを買い、直接請求による「政治倫理条例」の制定運動に発展したのです。
翌1983年、日本で初めて成立をみたこの条例は、その後の堺市政における政治倫理に関わる不祥事の発生を防いできたと思われます。衆院選にからむ今回の公選法違反事件は、有権者に対する供応、酒食提供という政治倫理上の犯罪です。堺市議会始まって以来とも言える今回の決議を、北野議員が真摯に受け止めてくれることを期待してやみません。