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《2008.7.24〜25》
7月24日(木)日付が変わった真夜中、宿泊先ホテルで長い揺れを体験しました。
一寝入りしていたホテルの部屋が、突然ギシギシときしみ出し、やがて激しく揺れるようになりました。廊下も騒がしくなったので窓から外を確かめましたが、通行人の様子に変わりはありません。念のためテレビのスイッチを入れると、岩手北部地震の速報が流れていました。朝食の席ではその地震の話題から阪神淡路大震災のときの体験談に話が及び、「そう言えばあのとき、浪人中の長谷川さんにこっぴどく書かれたな…」と言い出した古参議員がいました。
●話題になった13年前の議運視察
ちょうどそのころ、朝日新聞からの依頼で大阪版に連載中だった「あらためて問う地方自治」というシリーズの11回目に、私が書いた記事のことです。大震災の日、堺市議会の議運メンバー14人が仙台、盛岡、秋田各市の視察に出発することになっていたのですが、鉄道が不通になったため道路渋滞が起こり、空港に着いたときにはすでに予定便が飛び立った後でした。それでも、議員たちは経路を変えて旅行に行ったことを聞き、私は「止めようと言い出す議員は一人も居なかったのか」と批判しました。新聞社にも読者からの声が寄せられるほど反響は大きかったのですが、きょう聞いたところによると、実は何人かの議員は「中止しよう」と提案したのだとか…。ところが、「視察先の相手市に失礼になる」という意見が勝って訪問したものの、訪問先から「どうしてこんなときに来られたのか?」と言われたのだそうです。
●横須賀市では「議会改革…IT化」などを視察
ともあれ、きょうの横須賀市では、同市の議会が1998年以来取り組んでいる「議会活性化」について調査。「議会を市民に開かれたものにしよう…」という同市議会での改革実行には目を見張らされるものがあります。「いったい何が契機だったのですか?」と質問すると、「議長が熱心で、
大森彌先生を講師に招いて議員研修会をしてからでしょうか」という回答が返ってきました。伊賀市と言い、横須賀市と言い、議会議長の仕事ぶりや役割を考えさせれられる視察でしたが、堺市議会の視察団メンバーに何人もいる「正副議長」経験者は、果たしてどのように受け止めたでしょうか…。ぜひ、今後の市議会改革に生かしてほしいものです。
●日程を追加して、東京へ…
今回の議運視察は、横須賀市の調査で終了しました。そこで私は、もう1日日程を追加して千代田区議会を視察することにし、東京へ向かいました。そして夜は、20数年前に堺市に赴任されたことがある3人の記者の方々と懇談。現在はどの方も、日本を代表するメディア(新聞、放送、通信)の中枢を担っておられ、大きな刺激を受けました。
7月25日(金)東京も、戸外を歩くと汗が噴き出てくる暑い日が続いています。
朝いちばんに千代田区役所を訪問。議会事務局次長の鈴木秀人さんから、政務調査費の「交付額等審査会」について説明を受けました。その後、2年前に建設された新庁舎議場の対面式議席や巨大スクリーンなど、議会改革のための舞台装置を見学。さらに、同庁舎内にある図書館や障害者の方々が働く
「さくらベーカリー」などを見せていただきました。
午後は、帰りの便を遅らせて、東京財団が開催したフォーラム「分権時代の地方議会改革(改革派首長からの提案)」に参加。石田芳弘(犬山市)、福嶋浩彦(我孫子市)、木下敏之(佐賀市)各前市長らの話を聞き、また、久しぶりに前高知県知事の橋本大二郎さんにお目にかかることができました。なお、首長経験者の皆さんから、「毎年交代で役職を回す議会人事はだめ。議長は4年任期を務められるような人材を選ぶべきだ」という提言もありました。