桃山学院大学に在職中から、ずっとお世話になってきた同大・名誉教授の徐龍達(ソ・ヨンダル)先生の訃報が先日各紙に掲載されました。「民団新聞」は次のように報じています。
▼「在日韓国奨学会(略称・韓奨)」創立メンバーの一人であり、外国籍教員の国公立大学教授任用への道を切り開いた徐龍達さんが 25日、死去した。91歳だった。
▼徐さんは1933年、日本の統治下だった釜山生まれ。9歳(小学校4年)のとき大阪へ。57年、大阪市立大学を卒業するも就職差別を受ける。受験申請した伊藤忠商事、三和銀行、八幡製鉄の3社から書類の返却があった。やむなく翌年、神戸大学大学院で経営学を学びなおした。63年、神戸大大学院経営学研究科博士課程を修了し、日本全国で初めての外国人専任講師として桃山学院大学に迎えられた。
▼また、外国人教員任用制度改善のための請願運動を続け、国公立大学の外国人教員任用法の制定(1982年)にも寄与した。
▼在日韓国奨学会を設立して若者の学びを支援するなど、在日同胞の権利拡大のための活動も展開した。
▼このような功績が認められ、2017年の「世界韓人の日」記念式典では韓国政府の国民勲章「無窮花章」を受章した。
私が大学を卒業して桃山学院大学産業貿易研究所に就職したのは、1964年。同研究所での仕事が大学研究誌の編集などだったこともあって、若手教員の徐先生とも親しくさせていただきました。1979年に休職して堺市議となり、1994年に復職後は学長室の業務としての「大学自己評価活動」などを通して再びお世話になりました。また、2003年の市議会カムバック後は、励ましのお手紙と共にカンパをお送りいただきました。政治資金規正法の決まりをご説明し、寄付金をお受けできないことを申し上げたところ、とても残念がっておられました。
それでも、先生ご自身の外国人学生への奨学金活動などと併せて、私の議員活動への応援メッセージがしばしば届きました。今年3月、徐ゼミのOBたちが桃大キャンパス内の記念碑前に集うことを知り、久しぶりに先生にお目にかかるため参加させてもらいました。「写真を送ってほしい」との電話をいただいたのが、先生との最後の会話です。謹んで哀悼の意を捧げます。