大綱質疑の3日目は、冒頭に竹山市長が昨日の答弁の釈明をするという異例の幕開けでした。今議会に提案されている自転車駐車場の
指定管理者の指定について、業者選定の経緯が不透明だという指摘が、何人もの議員から出されています。これに対して市長は昨日、「選考は公平にやらなければならない」とした上で、「今回の選考委員会のメンバーを見て、これはおかしい。なぜなら市の職員も関与している」と発言。「特に外郭団体を所管する職員が関与しているのは改めるべきだ」という意向を示しました。
●議案撤回求められ、市長が釈明
議会からは、「それなら議案を撤回すべきだ」という声が上がり、困惑した関係職員たちが、きっと昨晩、市長と協議して打つ手を考えたのでしょう。今日の本会議の始めに、市長から「昨日の答弁は私の問題意識を語ったもので、今後の改革の基本的考え方を示した。提出した議案についても改善の余地はあるが、現行制度においては適正な手続きを経て提案した」と釈明して、事を納めることにしたようです。
●問題多い「指定管理者」選定
なお、今議会には指定管理者の選定議案が12件提出されており、私も別の議案について委員会で質疑をするつもりです。ところが、審議するにあたって必要な資料の提供を求めると、「情報公開条例」を盾に担当職員が拒否しました。私が取り上げることにしている案件に関しては、厳しく抗議して必要な資料の一部は入手(
12月3日の日記参照)しましたが、どの議案についても同じ問題が起こっているのです。
●納まらなかった質問者
さて、市長の釈明後に本会議は休憩となり、非公式の議会運営委員会が開催されました。大方の議運委員は「そのまま議事を進めよう」という意向だったのですが、昨日の質問者は納得できず、「ならば市長が謝罪すべきだ」と主張。結局、予定した大綱質疑は、50分遅れで始まりました。10時からの質疑を聴くつもりで来庁され、傍聴席にお座りの方々にはたいへんご迷惑をかけました。
●昨日の本会議で言い残したこと
今日の議会の成り行きを見ていて、昨日、私が言い残したことを思い出しました。竹山市長が、「惻隠の情」という孟子の言葉を使って、副市長人事の経緯を正確に説明しようとしなかったことに対して、私は次のような反論を展開したのです。
孟子は、「惻隠ノ心ハ仁ノ端ナリ、羞悪ノ心ハ義ノ端ナリ、辞譲ノ心ハ礼ノ端ナリ、是非ノ心ハ智ノ端ナリ」という四端説を唱えた。惻隠だけではなく、4つの心を備えなければ、孟子の教えに沿うことはできない。
実は、そんな話に続き、「市長は、“辞譲ノ心”という面においてやや足らざるところがあるのではないか…」と言おうとして、言葉を呑みこみました。その反省をしなければならないのは、まさに自分自身だと気付いたからです。危うく、“羞悪ノ心”も忘れるところでした。
※ちなみに、惻隠ノ心=かわいそうだと思う心、羞悪ノ心=はじらいの心、辞譲ノ心=人にへりくだる心、是非ノ心=是非善悪を知る心(村山吉廣「中国の知嚢」から引用)
●読者から届いた手紙
話は変わりますが、「日記見てますひとりです」という差出人名の封書が届きました。それこそ四端をわきまえた暖かい文面で、内容も興味深いことです。ただ、「俊英さんだけには知ってほしかった」と結ばれている手紙の中身を公表していいものかどうか、迷っています。また、事実確認ができなければ紹介するわけにはいけませんから、少し時間も必要です。