5日前に訪ねた室津の町並みは、入院先から車で20分ほどのところにあります。その室津で、昨日から「八朔のひなまつり」が始まっています。折よく堺や尼崎からの見舞い客があったため、皆さんを誘って見物に出かけました。まず、オープニングイベントが催される賀茂神社へ。拝殿では、室の謡「棹の歌」保存会による古謡が演じられ、先日偶然に知り合った弁崎正明さんが大鼓を打たれました。続いて、筑前琵琶による平家物語の演奏と白拍子の舞が披露され、「清盛ゆかり」と言われる賀茂神社が、まさに平安朝の雰囲気に包まれました。
午後は、町の道筋に面した家々の玄関などに飾られたひな人形を見学。中には、お屋敷内に招き入れてくださるお宅もありました。八朔(旧暦8月1日)にひな祭りが行われるようになったのは、その昔、室津を支配していた室山城が、城主の弟の結婚式の夜(1566.1.11)、かねてから対立関係にあった龍野城主に急襲されて落城したという事件に由来します。その戦で非業の死を遂げた花嫁の鎮魂のため、室津の人々は3月3日から半年近い遅れの八朔まで、ひな祭りを延期したのだそうです。
今年は、町並み外の周辺施設を含め、33か所でひな飾りが公開されています。うち、賀茂神社から海駅館(江戸後期に廻船問屋として富をなした豪商「嶋屋」の遺構を活用した資料館)に至る15か所を拝見した後、大役を終えられた弁アさんと再会。「めったに降らない」という“雨の室津”を案内していただきました。
▼写真左=白拍子を舞う井上由理子さんと、筑前琵琶を弾き語る大藪旭晶さん。
▼写真中=町並みの金澤家玄関に飾られたおひな様。江戸末期のものとか。
▼写真右=清十郎生家跡でガイド中の弁崎さん。元・室津郵便局長さんです。

32回目の陽子線治療の後、医師による診察がありました。残り7回、何とか副作用なく終えたいものです。午後は、2日間休んだトレーニングジムとプールへ。
ところで、しばしば書いているように、入院先の食事の味にはいつも感心させられています。間もなくの退院を控えて、食事を担当する栄養科の方と話したい…と事務局に伝えたら、すぐに管理栄養士のOさん(女性職員)が来てくださいました。Oさんが病院に就職したのは20年ほど前だそうですが、それ以前からずっと、自前調理の食事が患者に提供されているとのこと。
また、毎日120〜130食を準備する際、冷凍食品は使わず、地元の魚屋さん、八百屋さん、肉屋さんから直接仕入れた新鮮な食材(地場産が多い)が用いられます。コロッケやシューマイも、すべて手作りです。その上、コンソメと中華ダシのほかは既製ダシを使わず、鰹節や昆布で出すそうで、煮物の美味しさの秘訣が分かりました。
なお、以前に「この4週間に提供された昼食や夕食で、おかずが同じものだったという記憶もありません」と書きましたが、メニューは5週間で繰り返しになるのだそうです。それでも季節によって食材が変わり、また選択メニューもあります。この選択メニューは、それによって保険点数が加算されていた折に採用し、加算廃止後もサービスで続けているとのこと。

《2011.8.21〜22》
(1002)
※8月20日以前の日記は、前ページに掲載

8月21日(日)朝からずっと雨。ときには激しく降りましたが、気温も下がりました。

8月22日(月)母の101歳の誕生日。残念ながら、今年は親子ともども入院中です。

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