《2016.8.14》
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※8月13日以前の日記は、前ページに掲載

「せめてお盆には…」の2日目。2013年に102歳で亡くなった母のため仏壇に花を供え、仏説阿弥陀経と般若心経を読みました。そして、元気な頃の母がお参りを欠かさなかった父方親族の墓がある大阪市設南霊園(阿倍野墓地)へ。また、その足で西区九条にある映画館「シネ・ヌーヴォ」に向かい、久しぶりの映画鑑賞です。

同館ではいま、福島第一原発事故の発生時の首相官邸の様子などを描いた「太陽の蓋」が上映されています。実は、上映初日の昨日、製作者の橘民義さんが来館され、お誘いの電話をもらったのですが、明石の墓参予定があったので会えずにいました。
橘さんは以前に岡山県議をされていた方で、岡山視察の際などにお世話になりました。議員を3期で辞めた後は東京で企画会社などを経営。その後も親しくさせていただいているのですが、多才な人で今回は映画製作に取り組んだようです。

●「真の物語として100年先200年先まで残したい」と、橘さん
映画館で入手したパンフレットの冒頭に、橘さんが製作の狙いを書いています。「地震国にいっぱい原発を造った人たちがいる。その人たちはそれを安全だと言い続けた。その人たちは、これほど大きな事故が起きても、子供たちが甲状腺ガンになって苦しい思いをしても、ふるさとに帰れない人が10万人以上いても、それでも反省の色もなく原発を再稼働しようとしている。そしてもう一つ見逃せないのは、その人たちは事故の責任を自分たちではなく、他のある一点に押しつけようと画策した。私がこの映画を作りたいと思ったのは、事故以来今日まで大きく歪曲して伝えられた事実を正確に伝え直したいと思ったことに他はない」(以後略)
●菅直人(総理)、枝野幸男(官房長官)、福山哲郎(副官房長官)らが実名で登場
映画では当時の菅首相(三田村邦彦)や枝野官房長官(菅原大吉)などが実名で演じられ、事故当時の緊迫感とその「真相」がひしひしと伝わってきます。映画評論家の前田有一さんは、「とくに実名最大の効果は、観客それぞれが事故当時に感じていた思い、感情を明確に思い出すということである。私の場合、それは猛烈な怒りであった。いつもにこにこ温厚な私はそういう感情はさっさと忘れることにしているのだが、この映画を見て昨日のことのようにあの怒りを再体験することになった。映画とは感情を揺り動かすためのものだから、その意味では大成功であろう。と同時に、あの教訓を生かすことなく、状況を揺り戻そうとする人たちが復活してきていることを指摘せずにはいられない」と論評。「65点」と厳しい評価ながら、「『太陽の蓋』が挑んだ実名劇の効果は、予想以上に強烈なものであった。事件、事故を風化させないためにこのやり方は効果てきめんである。ある意味、ドキュメンタリーをすら凌駕している」と結論づけています。
●「シネ・ヌーヴォ」と「シネ・ヌーヴォX」での上映は9月16日まで
なお、同館でのこの映画の上映時間は次のとおりです。8月13日(土)〜19日(金)=12:20〜14:30、8月20日(土)〜26日(金)=14:15〜16:30、8月27日(土)〜9月2日(金)=16:10〜。それ以後は「シネ・ヌーヴォX」に移り、9月3日(土)〜9日(金)=11:00〜、9月10日(土)〜16日(金)=15:00〜。小さな映画館ですが、他の上映作品も興味深いです。

月14日)やっと夕方ににわか雨がありました。甲子園では雷雨のため試合中断に。

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