11月定例会が始まりました。市長選挙後の議会ですから、市長が所信表明演説をするのが通例。しかし、その後は議案説明が淡々と行われるのが初日本会議のいつものパターンです。ところが、今議会は初日から厳しい議論を展開せざるをえなくなりました。
●市長の給与半減を可決しながら、議員報酬は1円も減額しない堺市議会の異常!!
私たち議員の月額報酬は78万円です。月給が半額になった市長より、18万5千円も多く、市民の税金から支給を受けることになるのです。しかも、3選出馬表明の折に「365日フルタイム」と語った市長に比べ、議員はあくまで「非常勤特別職」です。
堺市議会では、提出された議案を委員会に付託して審議することを原則にしているのですから、給与半減という大問題もそうすべきだと、私は主張しました。しかし、私以外の全議員は市長の即決要求を認め、議案にも賛成しました。
竹山市長は前任期でも給与20%カットを実行しており、そのことは私も認めました。そして、「議員報酬の削減も直ちにを検討すべきだ」と主張し続けてきたのです。ところが、多くの会派が消極的で、検討はまったく進んでいません。自分の報酬は1円でも下げるのは嫌だ言う議員が、市長の給料を半額にすることを、市民の皆さんはどう思われるでしょう。そんな身勝手な議会に席を置く一員として、私は市長提案に賛成することはできず、論陣を張りました。
●「否決」させるために提案する、大阪維新の会の「議員報酬2割カット案」
厳しい議論のもう一つは、大阪維新の会市議団が提案した「議員報酬20%削減」議案です。昨年2月と5月に続き、3度目の提案です。過去2回否決されており、本気で報酬削減を試みるのなら、他会派も巻き込める現実的な削減案を調整すべきだと、私は繰り返して要請してきました。しかし、今回、維新の会も「即決」を要求。他会派があっさりそれを認めたのは、きっと、「議論を長引かせて市民の関心を高めたくない」との思惑が働いたのだろうと、私は思います。
案の定、維新提案に「反対」の意見表明をしたのはソレイユ堺だけ。公明、自民、共産の各会派は、ひとことの理由や見解を述べることもなく、「20%削減案」を葬りました。
●維新提案に賛成。20%削減による税引き手取額との差額の受領拒否を表明!!
市長は、給料半減の理由を「心意気。強い決意」だと説明しました。それを認めた議会の議員として、市民から「心意気や決意は如何」と問われたら、私たちはどう答えるのでしょう。維新の会と他会派が互いに調整を怠り、結果として議員報酬削減が実現しない現状を放っておくことはできません。「20%」が妥当だとは思いませんが、議員報酬削減への私自身の意思を明確にするため、今回は賛成することにしました。そして、20%を減額した場合の税引き手取額との差額分(およそ12万7千円)について「受け取りを辞退する」と表明。ちなみに、維新議員は、昨年5月議会での私の指摘後、10万円だけ辞退しているそうです。
●市長給与の50%削減に反対!!
その一つは、竹山市長が「自分の給料を半額にする」と提案し、しかも「今日、即決してほしい」と議会に迫ったことです。半減すれば市長の月給は59万5千円。20%減にする副市長の79万2千円より20万円近く少なくなるのです。
市長にとっては、選挙前に発表したマニフェストでの公約を実現する当然のことなのでしょう。しかし、職責の重さに比例すべき給料の極端な逆転は異常です。竹山市長が2年前に諮問した特別職報酬等審議会も、その答申で、勝手に大幅減することは不適切だと戒めています。