今議会で議論している最大のテーマは、北部地域整備事務所の煙突内アスベスト除去工事に関する「測定結果報告書」の改ざん事件です。
●市民の公開請求がなければ、隠されたまま
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会の古川和子さん(堺市在住)の公文書公開請求に対して、堺市が開示した報告書(上図)には、「除去残しがある」などの指摘部分(中図)34ページが抜き取られていることが、後に判明。古川さんの行動がなければ、そのような文書改ざんの事実も、「アスベストが残っている」という測定業者の指摘も隠されたままでした。
●「報告書」解体は、文書管理義務違反では?
古川さんは大阪府にも、金岡高校のアスベスト飛散に関する「測定結果報告書」を請求。校舎内にアスベストが残っているという指摘を含む報告書の全部が公開されました。府が開示した文書(下図)は、表紙の左端の製本テープや最初のページの綴じ穴の形状から、明らかに製本された一体のものとして保管されています。
ところが堺市では、いったん製本して提出された報告書を解体し、市の指示で不都合な指摘部分などを削除して保管しているのです、これでは、報告内容の真実性を担保することができません。
●アスベストへの危機意識を喪失した事件
それに、「除去残しがある」との指摘を確認せずに除去工事を完了させたのは言語道断です。一昨年、煙突撤去工事でアスベストがれきを保育園に飛散させた現場で、アスベストへの危機意識をまったく喪失した事件を再発させたことに、誰がどのように責任を取るのでしょうか。
市当局はこれまで、本会議や予算委員会建設分科会の答弁で、「除去残し」の再調査、完了検査方法の見直しなどを約束しています。22日(木)の総括質疑では、この事件の本質を見定める議論を試みるつもりです。私の発言は、おそらく午後3時半以後になると予測されます。