健康福祉委員会の報告をする前に、今日、同時開催されていた総務財政委員会で、「旅費条例」の改正議案の「継続審査」が決まったことをお伝えしなければなりません。「今議会で採決しない」との動議を提出したのは、自民党の西村昭三議員。これに、大阪維新の会の池田克史・伊豆丸精二、公明党の吉川敏文・小野伸二、堺創志会の西哲史の各議員が同調しました。
もともと、西村議員は改正案の「来年4月1日施行」を執拗に主張。議会側の意向の市長への回答を自己の主張でまとめようとしました。これに対して私が、「議員の身勝手で、不合理な旅費改正を先送りするのは市民理解を得られない」と強く反対。議会内がまとまらないまま、市長は改正案(議決されれば12月25日施行予定)を提出しました。
●まことに恥ずかしい、「役得放棄」の先延ばし
今日の各会派の対応から推察すると、共産党を除く4会派で「継続審査」の謀議が整っていたのでしょう。市長提案の際、「継続審査で西村意見を通す」という可能性を疑わなかったわけではありません。でも、そこまで破廉恥な振る舞いで「既得権益」を守ることをするとは思えず、疑念を打ち消していました。でも、その恥ずべき行為を彼らは実行しました。
とはいえ、きっと次の議会での採決は免れないと、私は思っています。わずか3か月でも「役得放棄」を先延ばしする、さもしい議員心理に同僚として恥ずかしくなります。
■健康福祉委員会では、児童自立支援施設の議論に力点
さて、そんな悪計が進行していた隣室で開会された健康福祉委員会で、私は初めて取り組む「児童自立支援施設」に力点を置いて議論しました。なお、午前中に質問に立った議員の発言が短めだったため、本来、市長質問の残り時間を使うはずだった一般質問を先にやらざるを得なくなりました。もっとも、それは10分ほどで終了し、メインの議論は「市長への質問」でした。
●橋下・松井知事の見解と維新市議団主張の変遷
児童自立支援施設は都道府県と政令市に設置義務があり、堺市も政令市移行時の府との協議でその旨の確認をしていました。その後、橋下・松井両知事が堺市の設置を促し、方向を示さなければ府立施設への委託を打ち切るとの強硬姿勢を示しました。ところが、大阪維新の会の堺市議たちは、当初、堺市での設置を求めながら、途中で「二重行政」だと批判。その後はまた、建設用地の購入には賛成するなど迷走してきました。
6月の市長選挙では「35億円のハコモノ」と旧市政批判の争点にして、当選した永藤市長が「整備中断」を表明。現在、府立施設の修徳学院(柏原市)に宿舎を増設して委託することを交渉中です。新市長による方針変更は、堺市が設置した場合の「メリット」と説明してきた諸事項を「デメリット」に変えるのではないかと追及。また、せっかく苦労して確保した建設用地は堺市にとって貴重な財産です。仮に府への委託とするとしても、同一敷地内の施設入所が困難な場合なども考慮して、当該用地を提供して府立施設の分院誘致を検討してはどうかと提案しました。