2月定例会の最終本会議。常任委員会付託案件に関する討論の際、2004年12月22日の朝日新聞記事を演壇で掲げました。「堺市議会・改革案3すくみ否決」の見出しは、同年12月議会に、「議員定数2名削減」「議員報酬5%減額」「議員報酬20万円減額」という3案を各会派が提案。どの案も過半数の賛成を得られず否決されたことが報じられています。
このような事態が生まれた背景は、美原町との合併が決まった当時、堺市の財政状況が悪く、市長や職員は給料カットしているのに議会は何もしないのかとの批判が高まったことです。その頃、政令市の約半数の議会で5%の報酬減額が行われており、少なくともその線でまとまると思っていたのに、議員たちは何も決めずに済まそうと画策したのです。
●大阪維新の会提案の「議員報酬20%減額」にひとまず賛成
今議会には、大阪維新の会が議員報酬を20%減額するための特例条例を提案。他の会派は、提案者への質疑をすることもなく、この提案を否決しました。12年前も経っていますが、「ほんとうは報酬を下げたくない」という議員心理は変わっていません。正直に言って、私だって同じです。でも、それが許されるのか…。市民の皆さんの思いを受けとめ、自分たちで決めることができてこそ、選挙で選ばれた価値があるのです。
堺市議会はここ数年、議員の不祥事が続いています。2012年1月=飲酒運転ひき逃げ事件で逮捕(維新議員)、2014年6月=公費での海外旅行復活(維新議員が参加)、同年8月=政務活動費不正使用で議員辞職(維新市議団長)。その後、政務活動費をめぐる市民からの指摘が次々とあり、返還総額は昨年当初の時点で約2680万円額。維新の会は1541万円でトップでした。その後、小林議員の2度目の返還があったから、もっと増えています。
他方、大阪府議会が議員報酬を30%減額、大阪市議会も12%の減額を続けており、堺市の議員報酬は府内の最高額です。さて、堺市民はこれを認めるでしょうか。
続発する不祥事に対する自戒を示し、他自治体との均衡を考えるなら、議員報酬の減額は当然です。従ってこの議案には賛成しました。ただ、議長を輩出している維新の会が、他会派に働きかけて可決できるような減額案を示さなかったのは遺憾だと、注文を付けました。
●個人情報流出事案を調査する百条委員会設置決議には反対
維新の会は、個人情報流出について「堺市が情報隠蔽をした」などを理由に、百条委員会の設置も提案していました。3月3日の日記に書いたように、その提案にはいくつもの無理があって、百条委員会よりも総務財政委員会調査することが妥当です。それに、基本的な質問に対して提案者が答弁できないような議案に賛成することはできないので、反対しました。
さて、これらの両議案は、維新以外の全会派が反対して否決となりました。もしかしたら、維新の会は否決させるためにこれらの議案を提案したのかもしれないとの疑念も湧いてきます。ともあれ、少なくとも議員報酬の減額は慣例上の議長任期内に、議長がリーダーシップを発揮して実現案をまとめてほしいと要請しました。
■本会議終了後の議運で平田大士議員が弁明
なお今日は、本会議終了後に開催された議会運営委員会で、平田大士議員が政務活動費支出について弁明。また、西村昭三議員の支出についても新たな問題が指摘されました。これらのことや本会議での決議については、明日の日記で報告します。